キオビエダシャクとは|イヌマキの葉だけを食べる蛾

キオビエダシャクは、幼虫がイヌマキ(ヒトツバ)などの葉を食べる蛾です。延岡市と県の案内では、食べるのはイヌマキ、ラカンマキ、ナギなどマキ科の葉で、延岡市はそれ以外の樹木には害がないとしています。大量発生すると葉を食べ尽くして樹木を枯らす場合があるため、幼虫の早期発見と駆除が重要だと市は呼びかけています。

幼虫も成虫も、触っても人体に害はありません。ただし、見た目や大量に発生することから嫌悪感を示す人は少なくないと、市のチラシにも書かれています。素手でつかむ必要はないため、手袋や長い道具を使って作業しましょう。

キオビエダシャクとは|イヌマキの葉だけを食べる蛾:確認項目
段階特徴(市・県の案内)駆除のしやすさ
幼虫体長5cm前後のシャクトリムシ。頭・尻・側面がオレンジ色で、ほかは黒と灰色のまだら模様木をゆするなどの方法で駆除しやすい
成虫体長2cm前後の蛾。濃い紺色に黄色の帯模様と黒い斑点飛び回るため捕殺しにくい
さなぎ茶褐色の紡錘形。根元の土中にいる掘り起こして捕殺する。越冬する可能性がある

参考:延岡市|イヌマキ等の害虫(キオビエダシャク)被害にご注意ください

読者の疑問

キオビエダシャクの幼虫に触ると、体に害がありますか?

比較ガイド

延岡市の案内では、幼虫も成虫も触っても人体に害はないとされています。ただし見た目に嫌悪感を持つ人が多いため、手袋を使うなど無理のない方法で作業してください。

延岡市での発生状況|2023年に初確認、2024年に大量発生

延岡市のページによると、市内でキオビエダシャクの被害が初めて確認されたのは2023年で、2024年には幼虫の大量発生による複数の被害が確認されました。2026年4月24日更新のページは、大量発生による被害が出ていて目撃の報告もあるため被害拡大が懸念されるとして、自宅のイヌマキ等に幼虫を見つけたら早めに駆除するよう求めています。

県のページ(2025年11月21日更新)は、本来は宮崎県に生息していなかった害虫による樹木への被害が急増していると説明します。年に4〜5回程度発生するとされ、平成12年以降、鹿児島県と宮崎県など南九州で見られるようになった一方、県内では昭和中期にも発生した記録があり、近年は県内各地で被害が確認されています。令和7年には大分県でも同様の被害が確認されたと記されています。日向市も、2025年5月更新のページで、市内全域での発生確認を知らせています。

参考:延岡市|イヌマキ等の害虫(キオビエダシャク)被害にご注意ください

幼虫が少ないとき、多いときの駆除の流れ

市と県の案内は、発生量に応じて方法を分けています。幼虫の時期に見回りを続けることが、対策の中心になります。

幼虫が少ないとき

市の案内では、発生量が少ないときは、木をゆすって幼虫を落とし、落ちたものを捕殺する方法が示されています。幼虫を早い段階で見つけられるよう、イヌマキ等に幼虫がいないかをこまめに確認することも、市のチラシが勧めています。

  • 木をゆすって幼虫を落とす
  • 落ちたものを捕殺する

幼虫が多いとき

発生量が多いときは、噴霧器で薬剤を散布する方法が示されています。市のチラシは登録農薬を例に、効き方が遅いが残効が1〜3か月と長いタイプと、幼虫に直接かかると即効性があるが残効が1週間程度のタイプを比べて紹介し、取扱店としてJA、延岡地区森林組合、ホームセンター、園芸店などを挙げています。幼虫に直接かけるタイプは、幼虫が葉の裏にいるとかからないため、木を揺らして落ちた幼虫にかけると効果的とされています。薬剤名、希釈倍率、使用回数は製品の説明書に従い、この記事では独自の数値を示しません。

さなぎ・成虫・卵のとき

成虫は飛び回るため捕殺が難しく、成虫、さなぎ、卵には幼虫駆除用の薬剤は効果が薄いと市は案内しています。さなぎは根元の土中にいるため、掘り起こして捕殺する方法が示され、越冬する可能性もあるとされています。

幼虫が少ないとき、多いときの駆除の流れ:確認項目
状況市・県の案内備考
幼虫が少ない木をゆすり、落ちたものを捕殺する薬剤を使わずに対応できる場合がある
幼虫が多い噴霧器で薬剤を散布する製品の説明書に従い、近隣への周知と飛散防止に配慮する
さなぎ・成虫・卵さなぎは根元の土を掘って捕殺。成虫は飛ぶため難しい幼虫用の薬剤は効果が薄い

参考:延岡市|キオビエダシャクにご注意ください(チラシ、PDF)

薬剤を使うときの近隣への配慮と、噴霧器・薬剤の入手先

市は、薬剤の説明書を必ず読み、使用方法と注意事項を守るよう求めています。散布の前に近隣へ知らせ、通行人や車、洗濯物、農作物に飛散しないよう、風向きを考えたり、木の周りをブルーシートで覆ったりする例を挙げています。直後に雨が降る日は避けたほうがよいとも案内されています。

県のページは、県内の市町村で噴霧器を貸し付けている場合があるため、住まいの市町村に問い合わせるよう案内しています。延岡市のページには、噴霧器の貸付に関する記載は確認できませんでした。必要な場合は、市の環境保全係に貸付の有無を確かめましょう。薬剤は、県のページでは農薬取扱店(園芸専門店、ホームセンター等)や、県森林組合連合会が販売先として挙げられています。

小さな子どもやペットがいる家庭では、散布する日時と、乾くまで近づけない範囲を決めておくと安心です。ペットがいる家の害虫駆除で伝えることも、業者へ頼むときの参考になります。

参考:宮崎県|キオビエダシャクに関する注意喚起

自分では難しいときは害虫駆除業者や造園業者へ

市は、自分での駆除が難しい場合に、害虫駆除業者や造園業者等に相談するよう案内しています。高いイヌマキ、長い生垣、隣家との境にある木などは、噴霧器が届かない、近隣へ飛散しやすいなどの理由で、自分での作業が難しくなります。見積もりを頼むときは、対象の木の本数や生垣の長さ、高さの目安を写真と一緒に伝えます。

料金は依頼先ごとに異なり、市や県のページには相場の記載がないため、複数の事業者に見積もりを取って比べてください。内訳の読み方は、見積書が「駆除一式」だけのときの考え方が参考になります。

自分では難しいときは害虫駆除業者や造園業者へ:確認項目
見積もりで確認すること理由
作業の範囲(幼虫のみか、さなぎの掘り起こしまで含むか)市の案内では、さなぎは根元の土中にいて、掘り起こす方法が示されているため
使用する薬剤の名前と、事前の説明の方法製品の表示に従う使用が前提で、洗濯物や通行人への飛散に配慮が必要なため
再発生したときの再訪問の条件県の案内では年に4〜5回程度発生するとされ、1回で終わらない可能性があるため
近隣への周知を誰が行うか市が、散布前に近隣へ知らせるよう求めているため
枝や落ち葉、死んだ幼虫の処分作業後の片づけが料金に含まれるかを確かめるため

参考:延岡市|イヌマキ等の害虫(キオビエダシャク)被害にご注意ください

賃貸・共有の生垣・空き家のイヌマキの場合

イヌマキは生垣や庭木として植えられることが多く、賃貸や分譲の敷地では、木の所有者や管理者が入居者本人とは限りません。幼虫を見つけたら、駆除の判断を一人で決めず、貸主、管理会社、管理組合へ写真とともに連絡し、薬剤散布を誰が行うか、費用を誰が負担するかを決めてもらいましょう。連絡の順番は、賃貸で害獣被害が起きたときの連絡の順番と同じ考え方です。

空き家のイヌマキは、見回りが少ないと発見が遅れ、被害が広がるおそれがあります。所有者が遠方にいる場合は、近隣の人から幼虫の目撃を知らされたときに連絡が取れる体制を作っておくとよいでしょう。見回りの記録のしかたは、空き家の害獣点検の見回り記録の考え方が参考になります。