入る前に外から建物の状態を見る
見回りは道路側や敷地内の安全な場所から、屋根、外壁、窓、物置、庭を確認するところから始めます。破損や大きな傾き、落下物がある場合は、室内点検へ進む前に管理者へ写真を送ります。鍵を開けたからといって、床の状態が分からない家へ一人で奥まで入る必要はありません。
国土交通省の空き家管理の資料は、外観や屋内の状態を点検し、管理を継続することを案内しています。害獣だけを見るのではなく、雨漏りや建物の破損も同じ見回りで気づけるよう記録欄を分けます。動物が原因と思えても、観察段階では「窓付近に粒状のもの」「押入れ上部にシミ」と事実を書きます。
| 確認する区画 | 毎回残す内容 |
|---|---|
| 門・庭・外周 | 落果、散乱物、新しい掘り跡、見える破損 |
| 玄関・各室 | 入室できた範囲、臭い、食品や紙類の変化 |
| 天井・窓周り | シミや剥がれを同じ方向から撮影 |
| 収納・点検口周辺 | 触らず見えた範囲。閉鎖・未確認の箇所 |
| 退去前 | 施錠、設備の状態、持ち帰る記録 |
参考:国土交通省|空き家に関する資料「所有する空き家は適切に管理を」(PDF)
月に一度見れば十分ですか?
必要な頻度は一律ではありません。建物の傷み、周囲の環境、過去の被害、荒天などを踏まえて管理担当と決め、訪問できない期間の連絡方法も用意します。
写真台帳は一回の訪問で完結させる
写真を「北面外壁」「台所天井」「物置入口」など固定した名前で整理し、訪問日ごとのフォルダに保存します。変化した場所は近景を追加し、変化が見えない場所も定点写真を残すと比較に使えます。写真を撮れなかった場合は、草木で近づけなかった、床の安全を確認できないなどの理由を書きましょう。
メモには訪問者、入退室時刻、前回からの工事や片付け、次回までの課題を記載します。所有者が写真を見て「以前からあった」と分かった場合も履歴へ追記し、現場の人だけで傷の新旧を決めない運用にします。照明や窓の開閉条件が違えば色や影の見え方も変わるため、写真の印象だけで増減を判断しないでください。
片付けは汚れの確認と分けて進める
食品やペットフード、残された紙や布の保管状態を確認し、不要な物を整理する計画を立てます。箱を開けて大量のフンらしきものが見つかった場合は、その場でまとめて掃き出すのではなく、清掃の対象と方法を専門業者へ相談します。臭いを確かめるために顔を近づけたり、屋根裏や床下へ入ったりしないでください。
CDCはネズミ被害が多い建物の清掃には追加の対策が必要としています。この案内を参考に、不在期間が長く汚染範囲が分からない家では、見回り担当に通常の掃除と同じ作業を求めないことが大切です。清掃の可否、廃棄する物の所有者の判断、写真や書類など残したい品の扱いを先に決めます。
不在時に誰がどこまで決めるかを共有する
所有者、家族、管理受託者、調査業者の連絡先を一枚にし、第一連絡先が出ないときの順番を決めます。鍵の受け渡しは相手と日時を記録し、住所と解錠情報を写真の共有先へ無制限に渡さないようにします。近隣から連絡があった場合の受付窓口も一本にして、同じ依頼が複数の業者へ重ならないようにします。
見回り契約では、点検対象、写真の提出、異変時の報告、専門調査を手配する条件、修繕を決定する権限を確認します。頻度は建物の状態や季節、訪問の負担に応じて決め、一定回数で被害を防げるとは考えません。荒天後や近隣から異変の連絡があった際の追加訪問についても、手配と費用の扱いを確認してください。
修繕を終えても、鍵の返却と施工記録の保存までを完了事項に含めます。次の見回り担当が交代するときは、未確認の区画と再発時に見る場所を引き継ぎましょう。




