犬や猫に付くマダニとは|大きさ・吸血の日数・満腹の状態

マダニは、主に森林や草地に生息する比較的大型のダニで、郊外や市街地にもいます。食品に発生するコナダニや寝具に発生するヒョウヒダニなど、家庭内に生息するダニとは種類が違います(厚生労働省「SFTSに関するQ&A」)。ノミとマダニも別の虫です。ノミが気になるときはノミが床やペットの周りに出るときの確認、室内のダニとの違いは、ダニ・トコジラミ・ノミの違いを整理した記事(関連記事に掲載)で確認できます。

大きさと吸血の日数|満腹のマダニはどのくらい?

成ダニの大きさは吸血前で3〜8mmほど、吸血後は10〜20mm程度です。「マダニが満腹になった状態」を調べる人が見ているのは、この吸血後の大きさです。マダニの多くは、人や動物に取り付くと皮膚に口器を突き刺し、数日から長いもので10日間以上かけて吸血します。刺されたことに気づかない場合も多いと説明されています。

「何日で大きくなるか」は種類や状況で変わるため、公的資料は一律の日数を示していません。確認できるのは、数日から10日以上かけて吸血するという幅です。

マダニが付く相手と活動する時期

国立健康危機管理研究機構(JIHS)によると、マダニは幼ダニ・若ダニ・成ダニのそれぞれで1回以上、生涯で少なくとも3回は吸血し、野ネズミ、野ウサギ、シカ、イノシシなどの野生動物のほか、ネコや散歩中のイヌからも吸血します。活動が活発になるのは春から秋(3〜11月)で、冬に活動する種類もいます。

参考:厚生労働省|重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A

読者の疑問

犬にマダニが付いていたら、自分で取ってもよいですか?

比較ガイド

厚生労働省は、マダニが咬着している(しっかり食い込んでいる)場合は無理に取らず、獣医師に除去してもらうのがよいと案内しています。予防薬も獣医師に相談してください。

犬や猫のマダニ確認手順|散歩・庭遊びの後にどこを見るか

厚生労働省は、散歩後にペットの体表をチェックすること、目の細かい櫛をかけることも効果的だと案内しています。公的資料は、犬や猫の付着部位を細かく指定してはいません。次の表のうち、部位の目安は当記事が確認の抜けを減らすために整理したものです。

皮膚に食い込んだマダニは、小さなふくらみやできもののように見えることがあります(JIHSの説明は人の場合)。毛の上から眺めるだけでなく、毛をかき分けて皮膚を直接見ることが大切です。見つけても、焦って引っ張らず、場所を覚えて次の手順に進みます。

犬や猫のマダニ確認手順|散歩・庭遊びの後にどこを見るか:確認項目
手順やること根拠・注意
1 帰宅直後玄関先や庭で体表を確認し、室内に持ち込む前に済ませる散歩後の体表チェックは厚生労働省の案内。室内に入る前に行うのは当記事の工夫
2 櫛でとかす目の細かい櫛を、毛の流れに沿って全身にかけ、櫛に付いたものを確認する厚生労働省が効果的な方法として案内
3 皮膚を見る毛をかき分け、顔まわり、耳、首輪の下、脇、内股、指の間、しっぽの付け根などをくまなく見る部位は当記事の目安。公的資料は部位を限定していない
4 付いていたとき無理に取らず、動物病院へ。付いていた場所と散歩した場所をメモする咬着している場合は無理に取らず獣医師に除去してもらう(厚生労働省)
5 触った後動物に触ったら手を洗う。口移しで餌を与える、布団に入れて寝るなどの過剰な触れ合いは控える厚生労働省が動物由来感染症の予防として案内

参考:厚生労働省|重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A

マダニが付いていたときの対応|自分で取らず動物病院へ行く理由

厚生労働省は、ペットにマダニが咬着している(しっかり食い込んでいる)場合は、無理に取らず、獣医師に除去してもらうのがよいと案内しています。動物での理由は個別には書かれていませんが、人の場合は、無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残って化膿したり、マダニの体液を逆流させて病原体が体内に入りやすくなったりするおそれがあるため、医療機関で処置を受けるよう求められています。

動物病院に伝えると診察が進みやすい情報

受診の際は、散歩した場所と日付、マダニに気づいた日、付いていた場所と数、ペットの様子を伝えると、診察の参考になります。マダニの媒介する病気には潜伏期間があるため、日付の記録は後で役に立ちます。

  • 散歩や庭遊びをした場所(草むら、山林、河川敷、畑のそばなど)と日付
  • マダニに気づいた日、付いていた場所と数
  • 食欲、元気、発熱、嘔吐など、ペットの様子の変化
  • 予防薬を使っているか、最後に使った時期

家族がマダニに触れた・刺されたときの考え方

厚生労働省は、ペットに付いているマダニに触れたからといって感染することはないが、マダニに刺されればその危険性はある、と説明しています。人が刺された場合は、吸血中のマダニを無理に引き抜かず、皮膚科などの医療機関で除去や洗浄をしてもらいます。刺された後は、数週間程度は体調の変化に注意し、発熱などがあれば医療機関で診察を受けて、マダニに刺されたことを伝えます。

参考:厚生労働省|ダニ媒介感染症

ペットから人への感染に関する公的な注意(SFTS)

SFTS(重症熱性血小板減少症候群)は、多くの場合、ウイルスを保有するマダニに刺されて感染します。厚生労働省は、野生動物やネコ・イヌの血液からSFTSウイルスが検出された報告があり、感染したネコやイヌとの接触により感染したと考えられる症例も報告されていると説明しています。国内ではSFTSウイルスに感染して発症したネコ、イヌ及びチーターが報告され、ネコやイヌでは発熱、元気消失、嘔吐、黄疸(ネコのみ)などが見られ、ネコは約6割、イヌは約4割が死亡するとされています。

人の患者は、2021年以降は毎年100名を超え、2025年は過去最高の183名(2025年11月2日時点)と報告されています。患者の約90%が60歳以上で、高齢者は重症化しやすいと考えられています。家に高齢の家族がいる場合は、この点を頭に置いておきましょう。

一方で、発症していないネコやイヌ、屋内のみで飼育されているネコやイヌから、人がSFTSに感染した事例はこれまで報告されていないと説明されています。注意が必要なのは、体調を崩した動物の血液や唾液などの体液に直接触れる場面です。野生動物については、アライグマの感染症とマダニでも整理しています。

ペットから人への感染に関する公的な注意(SFTS):確認項目
場面公的資料の説明取る行動
ペットに付いたマダニに触れた触れただけでは感染しない。ただしマダニに刺されれば危険がある付いているマダニは適切に駆除する。ペット用の駆除剤は獣医師に相談する
発症していない、または屋内のみで飼育しているペットと過ごす人が感染した事例はこれまで報告されていない動物に触ったら手を洗い、過剰な触れ合いは控える
体調の悪いペットを世話する発症した動物の血液や唾液などの体液に直接触れると感染する可能性がある。ネコに咬まれて感染した事例もあるマスクと手袋を着け、咬まれたり舐められたりしないよう注意して動物病院へ
飼い主や家族に発熱・食欲不振・嘔吐・下痢・腹痛などが出たペットがSFTSと診断され、飼い主に発熱や消化器症状などが出た場合は、医療機関を迅速に受診し、ペットの発症を医師に伝えるよう案内されている(獣医療従事者向けの記載)体調に異変を感じたら早めに受診し、ペットの飼育状況、健康状態、動物との接触状況も伝える
野生動物や動物の死体どのような病原体を保有しているか分からない接触を避け、動物の死体に触れることも控える

参考:厚生労働省|重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A

ノミ・マダニの予防薬は獣医師に相談する|公的資料が言えること

厚生労働省は、ペットがマダニに刺されないようにするため、ダニ駆除剤も有効なので獣医師に相談するよう案内しています。ペットに付いたマダニを適切に駆除するための、ペット用のダニ駆除剤などについても、かかりつけの獣医師に相談するよう書かれています。当サイトは予防薬の銘柄や価格を比べません。薬の種類や使い方は動物の状態によって変わるため、獣医師の診察を受けて決めるのが前提です。

ノミとマダニは別の虫なので、「ノミ・マダニ予防」とうたう薬でも、対象としている虫は製品ごとの表示で確認する必要があります。薬剤は、対象動物と使用方法が製品の表示に書かれたものを、表示に従って使います。同じ家で複数の動物を飼っているときや、害虫駆除を業者に頼むときの伝え方は、ペットがいる家の害虫駆除で伝えることにまとめています。

  • 散歩の頻度と場所、庭やベランダに出るかどうか
  • 同居している動物と、子ども・高齢者など家族の構成
  • ペットの持病や服用中の薬、過去に使った薬への反応
  • 現在使っている予防薬の種類と、最後に使った時期

参考:厚生労働省|重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A

室内に落ちたマダニの処理と、家族が気をつけること

室内で見つけたマダニの処理方法を細かく定めた公的資料は、今回確認できませんでした。確認できたのは、JIHSの次のような案内です。野外活動のあとは上着や作業着を家の中に持ち込まないこと、服に付いたマダニはガムテープや粘着カーペットクリーナーで取り除けること、シャワーや入浴で付いていないか確認することです。これは人の衣類についての説明ですが、散歩や庭遊びのあとに着替えや足拭きをして、付いたものを家の中に広げない工夫の参考になります。

家の中でマダニを見つけたときの考え方や、殺虫剤の表示の見方は、マダニはどこにいる?庭・家の中に持ち込まれる経路で整理しています。マダニの感染症の種類や届出の見方は、同じ時期に公開したマダニの感染症の公的情報の調べ方を参照してください。

参考:国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト|マダニ対策、今できること(最終更新2025年8月7日)

庭と家の環境対策|野生動物とマダニを呼び込みにくくする

JIHSは、マダニがシカ、イノシシ、野ウサギなどの野生動物が出没する環境に多く、民家の裏山、裏庭、畑、あぜ道にも生息していると説明しています。犬や猫が庭で遊ぶ家では、庭が全く無関係とは言えません。野生動物の出没が気になる場合は、外に置いた餌や生ごみが誘因になりやすいため、外置きの餌とアライグマの管理も参考になります。

厚生労働省は、野生動物はどのような病原体を保有しているか分からないため、接触を避けること、動物の死体に触れることも控えることを案内しています。ペットが野生動物や死体に近づかないよう、散歩中の目配りやリードの扱いにも気をつけましょう。

庭と家の環境対策|野生動物とマダニを呼び込みにくくする:確認項目
場所・状況公的資料の説明見直すこと
庭・裏庭・畑・あぜ道マダニは民家の裏山、裏庭、畑、あぜ道にも生息している(JIHS)ペットが遊ぶ場所を把握し、遊んだ後は体表を確認する
野生動物が出没する環境シカ、イノシシ、野ウサギなどが出没する環境に多い(JIHS)野生動物との接触を避け、外に餌や生ごみを置かない
野良猫・野生動物・動物の死体病原体の保有は分からないため、接触を避ける(厚生労働省)ペットが近づかないようにし、素手で触れない
家の中家庭内のダニとは種類が違う(厚生労働省)屋外から持ち込まれる可能性があるため、帰宅時の確認を習慣にする

参考:国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト|マダニ対策、今できること(最終更新2025年8月7日)