シロアリ駆除後にまた出たとき、最初に分ける3つ(場所・時期・種類)
駆除工事のあとに羽アリや蟻道を見つけると、「工事が効いていなかったのでは」と不安になります。ただ、再発に見える出来事には、前回の施工が届かなかった場所での被害、別の種類のシロアリ、屋外で群飛した羽アリが家に入っただけの場合など、性質の違うものが混ざっています。施工会社へ連絡する前に、場所・時期・種類の3つを分けておくと、話が早く進みます。
分けるための材料は、特別な道具がなくても集められます。見つけた場所を間取り図に印として書き、日付と時間帯、見つけたものの数、虫を袋に入れて残したかどうかをメモします。床下や天井裏に入って確かめる必要はありません。見える範囲の記録で十分です。
場所は前回と同じか、別か
前回の被害や施工があった場所と同じ位置なら、施工が届いていなかった可能性を施工会社と話すことになります。別の部屋や別の階であれば、前回の施工範囲に含まれていたかを、施工報告書や見積書の施工箇所と見比べます。日本しろあり対策協会は、一部の部屋だけ施工して同じような場所からまた出たという相談に、部分的な施工で家全体を守るのは難しく、家全体の施工を勧めると答えています。
時期は羽アリの飛ぶ季節と合っているか
協会は、羽アリの群飛期を種類別に示しており、ヤマトシロアリは4〜5月(沖縄は2月、東北・北海道は6月ごろ)の昼間、イエシロアリは6〜7月の夜、アメリカカンザイシロアリは6〜9月の昼間、ダイコクシロアリは5〜8月の夜としています。日時を残しておくと種類の見当をつける手がかりになり、毎年同じ季節に出るのかどうかも分かります。
種類は地面から来るものか、羽アリが直接入るものか
東京都は、アメリカカンザイシロアリについて、他のシロアリのように地面から侵入するのではなく、羽アリが住宅に直接入り込み、屋根裏や壁の中、家具などで繁殖する特徴があると説明しています。一方、ヤマトシロアリは湿った環境を好むとされます。保証書に書かれている対象のシロアリの種類も、あわせて見ておきます。
参考:日本しろあり対策協会|羽アリが飛ぶ時期はいつごろですか?
シロアリ駆除をしたのに、また出たのはなぜですか?
理由は一つではありません。前回の施工が及ばなかった場所の被害、別の種類のシロアリ、屋外で群飛した羽アリが入った場合などがあります。協会は、部分的な施工で家全体を守るのは難しいとも説明しています。場所・時期・種類を分けて記録し、保証書を確認してから施工会社へ再調査を依頼してください。
シロアリの再発は施工不良とは限らない|施工範囲の内か外かを分ける表
場所・時期・種類の記録がそろったら、次の表で状況を整理します。これは原因を断定する表ではなく、施工会社に何を確認してもらうかを決めるための表です。当てはまる行が複数あっても構いません。
| 見つけたもの・状況 | 考えられること | 先に確認すること | 施工会社へ伝えること |
|---|---|---|---|
| 前回と同じ場所の蟻道・木部の食害 | 前回の施工が届かなかった箇所、または被害を受けた木部の処理が不十分だった可能性 | 保証書の対象範囲と再発時の責任、施工報告書の施工箇所 | 場所の写真と前回の施工日を示し、再調査を依頼したい旨 |
| 前回の施工範囲の外の部屋や増築部分で羽アリ・蟻道 | 施工範囲の外の被害。部分的な施工では家全体を守りにくいと協会が説明 | 前回が部分施工か家全体か、増改築部分が範囲に入っていたか | 別の場所である旨と、範囲外のとき追加の調査・見積もりが必要か |
| 屋外・玄関先で羽アリを見たが、屋内では見ていない | 群飛した羽アリが外で見つかっただけの場合。ただし東京都は飛翔が見られた近くで被害の可能性に触れている | 窓際や床に羽や死骸がないか、蟻道や木部の傷みがないか | 日時・場所・数。屋内でも出るなら再調査を依頼したい旨 |
| 屋内の窓辺や床に羽アリ、羽が集まっている | 屋外から入った羽アリ、または屋内に巣や被害がある可能性 | 出た部屋と窓の位置、羽と虫の保管状況 | 虫を袋に入れて保管していること、日時、数 |
| 保証書の対象種とは別のシロアリが疑われる | 保証書に書かれた種類とは別の種類の可能性 | 保証書の対象種類の記載、羽アリが飛んだ季節と時間帯 | 種類が違っても保証が及ぶのかを書面で確認したい旨 |
| 窓枠や家具の下に砂粒のような粒が落ちている | 乾燥した木材に住むシロアリ(アメリカカンザイシロアリなど)の可能性 | 粒が落ちている位置と量、前回の施工が床下中心だったか | 粒の写真と位置。乾材シロアリへの対応が保証に含まれるか |
- 表のどの行に近いかを、施工会社への連絡の最初の一文に入れる
- 当てはまるかどうか迷う行は、迷っていることをそのまま伝えて確認を頼む
シロアリ駆除の保証書で確認する項目(対象範囲・期間・免責・点検条件)
再発を見つけたとき、最初に開くのが保証書です。同じ「5年保証」と書かれていても、何が対象かは会社ごとに違うため、次の表の項目を、保証書の文面と契約書、見積書、施工報告書で順に確かめてください。
| 確認する項目 | 保証書・契約書で見る場所 | 確認の質問例 |
|---|---|---|
| 対象範囲(建物のどこまで) | 施工箇所・施工面積の欄、施工図 | 部分施工か家全体か。再発した場所はその範囲に入るか。 |
| 対象のシロアリの種類 | 保証の対象とする種類の記載 | 別の種類が出た場合も保証が及ぶのか。 |
| 保証期間と起算日 | 保証期間、施工日、引き渡し日 | いつから何年か。再施工をすると期間はどう変わるか。 |
| 再発時の責任の内容 | 再発時の対応を定めた条項 | 再発したシロアリの駆除までか。傷んだ木部の修復費まで含むか。上限金額はあるか。 |
| 免責・対象外 | 免責事項、除外事項 | 増改築、水漏れ、建物の特定の部位などが除外されていないか。 |
| 点検・更新の条件 | 定期点検、有償更新、有料メンテナンスの条項 | 定期点検を受けていないと保証が止まるか。点検や更新は有料か。 |
| 保証を出す会社 | 保証書の発行者名、会社名、連絡先 | 施工した会社か、窓口会社か。連絡先は今も有効か。 |
- 表の各項目に、保証書の該当箇所の写真かページ番号をメモする
- 読み取れない項目は、質問として連絡文に入れる
再発時に保証でどこまで直してもらえるか|協会の相談例から
協会の相談例には、再発の場合は責任を負うと保証書に書かれていた人が、前回は一部しか穿孔注入処理をしていなかったので今回は全面的にやり直してほしい、被害のあった根太も交換してほしいと交渉してよいかを尋ねたものがあります。協会は、どこまで責任を負うかは保証書の記載内容によるとし、再発したシロアリを駆除するところまでが保証内容の場合もあること、修復費用まで責任を負う場合は上限金額が記載されていることを説明しています。
この回答から分かるのは、「再発したら全面的にやり直し」と決まっているわけではないことです。再施工の方法も業者の判断によるとされています。求める前に、保証書に再発時の責任がどう書かれているかを確かめ、書かれていない部分は質問として整理します。保証書の読み方の基本は、保証書が届いたらどこを見る?契約時の説明と照合するチェックも参考になります。
保証期間の目安についても確認しておきます。協会の防除施工標準仕様書は、五年を目途に再処理をするとしています。5年の保証が付いていても、期間内に出たときは、まず保証書を見て施工業者へ相談します。
再調査を頼む連絡文の例と、送る写真・メモ
連絡は電話でも構いませんが、日時と内容が残るよう、メールや書面を併用すると後から確認しやすくなります。次は、再発かどうか分からない段階で使える連絡文の例です。感情的な表現を避け、事実と依頼を分けて書きます。
連絡文の例
「〇年〇月に施工いただいた〇〇(住所)の者です。〇月〇日の〇時ごろ、〇階の〇〇で羽アリ約〇匹を見つけました。前回の施工箇所とは別の場所かどうかは分かりません。虫は袋に入れて保管し、場所の写真を添付します。保証書の対象範囲・期間・再発時の対応を確認したうえで、再調査の日程と、調査費用が保証に含まれるかをご連絡ください。」
連絡文には、施工日、見つけた日時と場所、数、保管している物、添付する写真、確認したい保証の条項、返答の希望日を入れます。「施工が悪い」「返金してほしい」といった評価や要求は、再調査の結果を見てから切り出しても遅くありません。
写真・メモ・虫の残し方
協会は、羽アリが出て業者を呼ぶまでの間に殺虫剤をかけると虫が逃げてしまうため、できればそのままにしておくほうがよいと案内しています。殺虫剤を使う場合も、出てきた箇所をメモし、出てきた虫は袋などに入れて保管して、業者が来たときに見せるよう勧めています。
- 全体が分かる写真と、近くから撮った写真を1枚ずつ(大きさが分かるよう定規などを添える)
- 見つけた日時、間取り図上の位置、数のメモ
- 虫は袋に入れて保管し、つぶさない
- 保証書、契約書、施工報告書、見積書の写し
参考:日本しろあり対策協会|羽アリが発生したので業者を呼びました。その間気持ち悪いので殺虫剤をスプレーしてもよいでしょうか(シロアリQ&A)
保証対象外と言われたときの確認と、第三者への相談
施工会社から「保証対象外です」と言われても、その場で受け入れる必要はありません。どの条項のどの文言に当たるのか、対象外とする理由を、書面かメールで答えてもらいます。口頭だけだと、保証書の文言と食い違っていても確かめにくくなります。同じ場面での考え方は、「別の侵入口なので保証対象外」と言われたら確認することでも整理しています。
確認する順番は、保証書の免責・対象外の条項に該当する記載があるか、再発した場所が前回の施工範囲に入っているか、点検や更新の条件を満たしているか、再調査でどんな原因と判断されたか、の4つです。第三者の相談先は、目的で分かれます。
契約・勧誘・請求への疑問は消費生活センター
国民生活センターのページによると、消費者ホットライン(全国統一番号188)に電話すると、最寄りの消費生活センター等につながります。土日祝日は、都道府県等のセンターが開いていない場合に国民生活センターにつながるとされています。通話料は利用する電話会社のサービスによって異なります。請求の相談の準備は駆除の請求トラブルを188へ相談するにはで整理しています。
建物や契約の技術的・法的な相談は住まいるダイヤル
住まいるダイヤル(公益財団法人 住宅リフォーム・紛争処理支援センター)は、住宅の取得やリフォームに関するトラブルや不安について、技術的な問題から法律的な問題まで相談を受けるとしています。建築士の資格を持つ相談員が対応し、電話番号は03-3556-5147、受付は10時から17時(土日祝日と年末年始は休み)です。(2026年10月3日確認)
- 施工会社へ、対象外とする条項と調査結果を書面で求める
- 保証書・契約書の文面、写真、やり取りの記録をそろえる
- 納得できないときは、第三者の相談窓口に状況を伝える
シロアリの再発率を見るときの注意(出典と条件)
「シロアリ 再発率」で調べると、会社のページに再発の割合が書かれていることがあります。今回確認した協会のQ&Aや東京都のシロアリ解説などの公的資料には、全国や業界全体の再発率を示す統計は見つかりませんでした。数字を目にしたときは、何を数えた割合なのかを確かめてください。
| 確認すること | なぜ大切か | 聞き方の例 |
|---|---|---|
| 分母は何か | 施工件数の全体か、保証期間内の件数に限るかで、割合が変わるため | 対象の施工件数と、集計した期間を教えてください。 |
| 『再発』の定義 | 同じ場所の再発だけか、別の場所の被害や羽アリの目撃も含むかで件数が変わるため | どのような連絡を再発として数えていますか。 |
| 誰が集計したか | 自社の集計か、第三者が確認した数字かで、確かさが変わるため | 集計した主体と時期を教えてください。 |
| 施工の種類 | 土壌処理・木部処理・ベイト工法など、工法によって意味が変わるため | どの工法の件数ですか。 |
| 再発後の対応 | 保証内の再施工と有料の対応が混ざっていると、実態が分かりにくいため | 再発後の対応は無償か有償か、内訳を教えてください。 |
- 数字だけで業者を選ばず、保証書の条項と見積書の範囲を見る
- 協会の仕様書が示す土壌処理と木部処理の両方を行ったか、報告書で確認する
増改築・水漏れ・庭の変更が再発に関わるとき
協会は、シロアリの被害を受けやすい場所は、木材腐朽菌の被害を受けやすい場所でもあると説明しています。必要な水分、養分、温度がほぼ共通しているためで、結露、雨水の浸入、配管からの漏水などがあると、木材が湿りやすくなります。再発に見えるときは、施工後に家や庭で変わったことがないかを思い出し、施工会社へ伝えます。
東京都は、ヤマトシロアリなど湿気を好むシロアリの対策として、家の周囲に木材などを放置しないこと、床下などは通気をよくして常に湿気がないよう心がけることを案内しています。施工から時間がたっているなら、シロアリ予防はいつ再施工する?保証満了と今の被害を分けて考えるで、再施工の時期の考え方も確認できます。
リフォームの前後の順番については、協会は、被害のある部分を交換する場合は交換のあとのほうが二度手間にならず、リフォーム後に施工できない部分ができるなら先に行ったほうがよいなど、状況によって異なるため、リフォーム業者とシロアリ業者の立ち会いで打ち合わせるよう案内しています。
- 増築・リフォームで、床下や壁の中を開けた、または閉じた
- 浴室・台所・洗面所の水漏れ、給排水管や雨どいの不具合があった
- 庭にウッドデッキ、薪、木材、鉢などを置くようになった
- 床下の換気口をふさぐなど、通気を変えた
再調査のあとに決めること(再施工・追加工事・他社の意見)
再調査の結果は、口頭だけでなく写真付きの報告書で受け取ります。被害の場所と種類、確認できなかった箇所、保証でまかなう範囲と有料になる範囲が分かれているかを見ます。報告書の読み方はシロアリ調査の写真をどう読む?蟻道・木材の傷み・未確認箇所の見分け方で確認できます。
施工会社の説明に不安が残るときは、別の会社に調査だけを頼む方法もあります。ただし、他社に再施工まで頼むと、元の保証書の扱いが変わる場合があります。保証書に他社による工事の記載があるかを先に見て、調査だけを頼むのか、施工まで頼むのかを分けて考えます。会社の比べ方はシロアリ駆除業者ランキングの前に|協会登録・薬剤・保証・再点検で比べるにまとめています。






