ネズミ駆除に個人向けの助成金はある?確認できた自治体の答え
練馬区は、ねずみ対策のページで「区では駆除費用の助成などはおこなっていません」と明記しています。越谷市は、保健所でネズミ等衛生害虫の駆除、駆除費用に対する補助、殺そ剤などの薬剤の配布は行っていないとしています。松本市は、ねずみ・昆虫等の駆除業者を案内するページで、駆除に関する公費負担や補助金交付は行っていないと案内しています。豊田市は私有地の害虫等の駆除や費用補助は行っておらず、所有者や管理者の責任で対応するとし、秋田市は、保健所では駆除や費用の助成、殺虫剤などの薬品の配布をしていないとしています。
一方で、金銭の助成に近い制度が全く無いわけではありません。東京都中央区には、町会・自治会・商店街など団体が地域一体で行うねずみ対策への補助があります。個人宅向けではなく、計画書の提出や事前相談などの条件があるので、後の実例表で詳しく見ます。ここで取り上げていない自治体に制度が無いと言えるわけではないため、最終確認は担当窓口で行ってください。
ネズミ駆除に補助金は出ますか?
確認した自治体のページでは、個人宅のネズミ駆除費用に補助金や助成金を出す制度は見つかりませんでした。練馬区、越谷市、松本市、豊田市のように、費用の助成や補助を行っていないと書く自治体もあります。お住まいの窓口で確認してください。
家ネズミは鳥獣保護管理法の対象外|野生鳥獣の捕獲許可とは別に調べる
環境省の説明によると、鳥獣保護管理法は「鳥獣」を鳥類又は哺乳類に属する野生動物と定義し、平成14年の法改正でネズミ・モグラ類が含まれることになりました。ただし同法第80条により、いえねずみ類3種は対象外とされています。ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミが住宅で問題になる家ネズミにあたり、野ネズミやモグラは法の対象に含まれる点が違います。
野生鳥獣の捕獲や殺傷は、原則として許可が必要だと環境省は説明しています。家ネズミはこの法律の対象外のため、捕獲許可の手続きは要りませんが、それは自治体が費用を助成することを意味しません。確認できた窓口は、保健所や衛生・環境の担当課で、役割は相談と助言、器具の貸出などが中心でした。野生鳥獣向けの補助の探し方は害獣駆除の補助金・助成金の探し方に、ネズミの窓口の役割はネズミ駆除は役所に頼める?市役所・保健所がすること・しないことにまとめています。
ネズミ駆除で使える自治体の支援の種類|配布・貸出・相談・団体向け補助
確認した自治体の支援は、費用を出すものではなく、駆除に使う物や知識を提供するものが中心でした。種類ごとに、誰が対象になりやすいか、何に注意するかを整理すると次の表のとおりです。個人宅の駆除費用の助成は、確認できた範囲では見つかっていません。
配布と貸出は「材料の支援」
船橋市、市川市、徳島市は殺そ剤や駆除薬を配布し、高槻市、横浜市栄区、川崎市、大阪市は捕獲かごを貸し出しています。船橋市は、配布する殺そ剤は屋内で使い、乳幼児やペットが近づける場所では使わないよう案内し、市川市は、クマネズミには市の配布剤に耐性の個体が多く効かないことがあると説明しています。市の資材で足りるかどうかは、ネズミの種類と場所で変わります。
相談・助言・団体向けは「知識と地域単位の支援」
世田谷区は侵入口チェック、大田区は専門業者を自宅へ派遣する助言事業を無料で行い、中央区は個別相談会を開いています。世田谷区と大田区は、駆除そのものは行いません。大田区は、封鎖は自分で行う前提です。町会や集合住宅向けには、世田谷区や中央区が出張の講習会を、大田区が講師の派遣を用意し、中央区には費用の補助もあります。
| 支援の種類 | 確認できた例 | 対象になりやすい人 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 殺そ剤・駆除薬の配布 | 船橋市、市川市、徳島市、練馬区(冬季)、沼津市(状況によって) | 希望者、町会、自分で駆除する家主 | 屋内での使用、子どもやペットの誤食、クマネズミには効きにくいことがある |
| 捕獲かご・粘着板の貸出やサンプル | 大阪市、高槻市、横浜市栄区、川崎市、練馬区(粘着板のサンプル) | ネズミを見かけた個人 | 貸出期間や在庫、事前連絡が必要なことがある |
| 侵入口の確認・助言 | 世田谷区(侵入口チェック)、大田区(専門業者の派遣) | 区内の一般住宅 | 駆除は行わない。大田区は封鎖を自分で行う。対象外の建物がある |
| 相談会・講習会 | 中央区(個別相談会、出張講習会)、世田谷区・大田区(講師派遣など) | 個人、町会、マンション | 定員や申込期間がある |
| 団体向けの費用補助 | 中央区(地域ねずみ防除促進事業) | 町会・自治会・商店街などの団体 | 事前相談が必要で、計画書や環境改善の取り組みが条件 |
| 個人宅の駆除費用の助成 | 確認できた範囲では見つからず、練馬区・越谷市・松本市・豊田市などは行っていないと記載 | (該当なし) | 最新の有無は担当窓口で確認する |
自治体別の実例表|2026年10月3日に確認した掲載内容
次の表は、2026年10月3日に各自治体の公式ページで確認した内容です。ページの更新日の表示も併記しています。表にない自治体や、更新日が古いページは、条件が変わっている場合があります。表で「行っていない」とあるのは、確認したページにそう書かれていたことを指し、現在も制度が無いと断定するものではありません。
| 自治体(出典ページ) | 確認できた支援や方針 | 条件や注意 | 更新日などの表示 |
|---|---|---|---|
| 東京都中央区(地域ねずみ防除促進事業のご案内) | 町会・自治会・商店街など団体向けに、専門業者のコンサルティング支援と補助。補助率3分の2、上限は構成員数に応じて20万円〜100万円。実行委員会を設置しない一斉駆除等は補助率2分の1で1団体1回 | 事前相談が必要。環境改善の取り組み、計画書・報告書の提出などが支援条件 | 掲載日 2024年5月29日 |
| 東京都大田区(自身でネズミ防除を行っても被害が収まらない場合) | 自宅へ専門業者を派遣し、侵入口の探し方や塞ぎ方を助言(無料)。駆除は行わない | 対象は区内の一般家屋(事業所・賃貸の用に供する住居等を除く)で今年度初めての依頼。電話で事前予約。封鎖は自分で行う | 更新日 2026年7月27日 |
| 東京都世田谷区(ネズミの被害でお困りの方へ) | 侵入口チェック(要予約・無料)と出張講習会(無料)。駆除そのものは行わない | 対象はネズミが発生している住居(商店、事業所、空き家、屋外は除く) | 最終更新日 2026年8月12日 |
| 東京都練馬区(ねずみの被害を防ぎましょう) | 冬季に町会を通じて殺そ剤を配布。窓口で殺そ剤(11月から4月)と粘着板のサンプル。駆除費用の助成はない | 殺そ剤や粘着板に忌避・侵入予防の効果はなく、環境面の対策が重要と案内 | 更新日 2026年2月10日 |
| 千葉県船橋市(ねずみ対策) | 殺そ剤を保健所衛生指導課、市内各出張所などで配布。職員による駆除作業は行わない | 屋内で使い、乳幼児・ペットが近づける場所では使わない。駆除を業者に頼むと有料 | 更新日 2024年3月29日 |
| 千葉県市川市(ネズミについて) | 殺そ剤(蓄積毒性)の無料配布とネズミ忌避剤の試験配布。職員による駆除作業は行わない | 申請時に本人確認ができるものが必要。クマネズミには効かないことがある。業者への費用は自己負担 | 更新日 2026年5月26日 |
| 徳島市(蚊、ねずみなどに困るときは) | ねずみの駆除について、駆除薬を無料で配布 | 市役所9階の環境政策課で受け付け | 最終更新日 2026年9月24日 |
| 静岡県沼津市(ねずみの駆除) | 市は駆除を行わず、家主が自分で駆除する場合に、方法を説明のうえ状況によって駆除薬剤を無料で配布 | 自分で駆除できない場合は業者を紹介(有料) | 2026年4月1日更新 |
| 大阪府高槻市(ねずみの駆除相談について) | 捕獲用かごを無料で貸出(貸出期間1か月)。駆除作業と殺そ剤の配布は行わない | 受付は清掃業務課。業者の費用は依頼者の負担 | 更新日 2025年2月6日 |
| 横浜市栄区(ネズミ・害虫の相談) | 駆除の相談と、ネズミの捕獲かご等の貸出(無料)。駆除作業は行わない | 窓口は栄区福祉保健センター生活衛生課 | 最終更新日 2025年6月12日 |
| 川崎市(ねずみなどの衛生害虫駆除について) | 各区役所衛生課で相談を受け付け、捕獲器(ネズミ捕りのカゴなど)を貸出。殺そ剤は平成24年度から配布していない | 貸出中のことがあるため、事前に区の衛生課へ連絡 | 更新日 2025年9月25日 |
| 大阪市(ネズミを防除しましょう) | 捕そかごを各区の保健福祉センターなどで貸出。殺そ剤の配布はしていない(旭区のページ) | 区により窓口名が異なる。市のページの掲載日は2019年と古い | 掲載日 2019年2月14日(市)、2022年4月1日(旭区) |
| 埼玉県越谷市(ネズミ等衛生害虫の駆除について) | 駆除、駆除費用の補助、殺そ剤等の薬剤の配布はいずれも行っていない | 業者探しは県ペストコントロール協会の電話相談を案内 | 更新日 2026年5月25日 |
| 長野県松本市(ねずみ・昆虫・駆除業者) | 駆除に関する公費負担や補助金交付は行っていない。市内の防除事業者の一覧を掲載 | 作業内容や料金は事業者に直接確認 | 更新日 2026年8月6日 |
| 愛知県豊田市(住まいの害虫等について) | 私有地の害虫等の駆除や費用補助は行っていない | 土地や建物の所有者・管理者の責任で対応。相談は保健所感染症予防課など | 更新日 2026年7月28日 |
自分の自治体のネズミ駆除の制度を調べる手順
制度の有無は、自治体の公式ページと担当窓口の2段階で確かめます。担当は自治体によって、保健所、衛生担当課、環境課、清掃業務課など名称が違います。検索するときは、市区町村名に「ねずみ」「相談」「殺そ剤」「貸出」を組み合わせると、実例表にあるような案内ページが見つかります。
大都市では、区ごとに窓口が分かれている場合もあります。船橋市や市川市のように、殺そ剤の配布場所や条件が詳しく書かれている例は船橋市のネズミ駆除|殺そ剤の配布場所と市がしない作業や市川市のネズミ駆除|殺そ剤の無料配布と市が駆除しない範囲で確認できます。
公式ページで見る箇所
ページの冒頭にある更新日、「行っていません」「配布しています」などの文言、対象者と申込方法を順に見ます。補助金という言葉がない場合でも、「貸出」「配布」「派遣」などの言葉が支援を示していることがあります。
- ページの更新日が古くないかを見る
- 市が駆除を行うのか、行わないのかの記載を見る
- 配布・貸出・派遣・補助のどれに当たるかを見る
電話で聞くこと
担当窓口には、自分の住まいが対象かどうか、申込みの時期や予約の有無、在庫や定員、必要な書類を聞きます。賃貸や集合住宅の場合は、管理会社や管理組合を通す必要があるかも併せて確認します。
- 対象になる建物(戸建て、賃貸、事業所、空き家)
- 申込みの時期、予約の有無、定員や在庫
- 本人確認書類など、必要な持ち物
申請前に確認する条件|対象者・時期・事前申請
同じ支援でも、対象者や時期、申込みの方法は自治体ごとに違います。実例表の掲載内容から、申請前に確認したい点を整理しました。補助金型の制度では、工事や購入の前に申請が必要な場合が多いため、業者に頼む前に窓口へ電話するのが安全です。
| 確認点 | ページの記載の例 | 窓口で聞くこと |
|---|---|---|
| 対象者 | 大田区は区内の一般家屋で、事業所や賃貸の用に供する住居等を除く。世田谷区は商店・事業所・空き家・屋外を除く | 自分の住まいが対象か。賃貸は管理会社を通すか |
| 時期 | 練馬区の窓口での殺そ剤は11月から4月。大田区の派遣日は月と日が決まっている。中央区の相談会は日程ごとに定員24組で先着 | いつから受け付けるか。定員や在庫はどうか |
| 事前申請・予約 | 中央区の補助は事前相談が必要。世田谷区は要予約。大田区は電話で事前予約 | 予約の方法、補助の場合は着手前に申請が必要か |
| 回数・期間 | 高槻市の貸出期間は1か月。大田区は今年度初めての依頼が条件。中央区の補助は条件により補助回数が異なる | 貸出期間、1世帯の回数の上限 |
| 本人確認・窓口 | 市川市は殺そ剤配布の申請時に本人確認ができるものが必要。船橋市は配布場所が複数ある | 窓口の場所、持ち物、代理人の受取り |
参考:船橋市|ねずみ対策
助成が無い場合に費用を抑える確認点|環境整備・相見積もり・内訳
東京都のねずみ防除指針は、餌の管理、巣材料の処理、通路の遮断といった環境的防除を、人や環境への影響が最も少なく、日常的に続けることで効果が持続する方法と位置づけています。船橋市も、殺そ剤やねずみ対策用品は環境整備を行った後に使うことではじめて効果が出ると案内しています。費用がかからない部分から先に進めることが、結果として追加の費用を抑えることにつながります。食べ物の置き方はネズミ対策の食品保管にまとめています。
業者に頼む場合の費用は自己負担になり、自治体は特定の業者を紹介できないとする例もあります。大田区や仙台市のように、複数の業者に相談し、費用や作業内容をよく確認してから依頼するよう案内する自治体が多く見られます。内訳を分けて他社と比べる手順は2社の金額が違うときの比較手順で確認できます。
- 食べ物・ごみ・ペットフードの置き方を見直し、ネズミが食べられる物を減らす
- 見える範囲のすき間は、自治体の案内にある材料で自分でふさげる箇所から進める
- 自治体が配布や貸出をしている場合は、配布剤の使い方や貸出期間を窓口で確認する
- 業者に頼む場合は、封鎖・駆除・清掃・保証の内訳を分けてもらい、2〜3社で比べる
助成金ではないが確認したい制度|雑損控除
国税庁のタックスアンサーは、災害または盗難もしくは横領によって、一定の資産に損害を受けた場合に所得控除を受けられる雑損控除を紹介しています。損害の原因には、自然現象の異変による災害、人為による異常な災害のほか、害虫などの生物による異常な災害が挙げられています。
ネズミの被害や駆除費用がこの制度に当たるかどうかは、被害の内容や金額、控除額の計算によって変わるため、この記事では判断しません。控除は所得税の確定申告で受けるもので、助成金のように支給されるものでもありません。使えるかどうかは、領収書や被害の記録を用意して、所轄の税務署に確認してください。被害の写真や領収書は、日付とともに残しておきます。






