床下点検口の場所と開け方|床下収納・洗面所・和室の畳下

床下点検口は、床にある正方形や長方形の開口で、ふたを外すと床下に出入りできます。住宅性能評価・表示協会が国土交通省のサイトに掲載している長期優良住宅の技術基準の概要は、床下点検口を、区分された床下空間ごとに設ける基準と説明し、脱衣室などに点検口を1か所設けて、基礎の各所に人通孔を設けて対応するのが一般的としています。洗面所や脱衣室の床は、点検口の候補です。

台所の床下収納庫は、点検口を兼ねている家があります。国内メーカーの製品ページには、床下点検口にセットして使う収納庫が案内され、対応する点検口の寸法として450×600、600×600、900×600ミリなどの例が載っています。自宅の点検口が同じ寸法とは限りませんが、人が通れる大きさかを考える目安になります。畳敷きの部屋で、畳や床板を外して床下へ入る家もありますが、床材を傷めたり元に戻せなくなったりするため、自分では外さず、外し方を施工した会社や業者に確認します。

点検口が見つからないときは、無理に床を壊さず、外から床下換気口の周りの点検方法で確認します。点検口の新設は、位置と復旧の仕様を業者と決めます。

床下点検口の場所と開け方|床下収納・洗面所・和室の畳下:確認項目
探す場所特徴開ける前の注意
洗面所・脱衣室の床枠のあるふたが付いていることがある。点検口の候補(技術基準の概要)ふたの上の物をどける。こじ開けて床材や枠を傷めない
台所の床下収納庫収納の容器を外すと、点検口になる家がある容器を取り出してから枠を見る。外し方は取扱説明書や施工した会社に確認
和室・押入れ畳や床板の下に、床下へ出入りする開口がある場合がある畳や床板を自分で外さない。外せるか分からなければ業者へ
見当たらない点検口がない家もある外周の換気口や基礎を確認する。点検口の新設は業者と位置を決める

参考:住宅性能評価・表示協会(国土交通省サイト掲載)|長期優良住宅認定制度の技術基準の概要(新築戸建・木造軸組版、PDF)

読者の疑問

床下点検口はどこにありますか?

比較ガイド

洗面所や脱衣室の床、台所の床下収納庫、和室の畳の下などにあることがあります。長期優良住宅の技術基準の概要では、脱衣室などに設けるのが一般的と説明されています。見当たらない家もあるため、無理に床を外さず、外からの確認や調査を検討してください。

床下の高さは何センチ?布基礎・ベタ基礎の違いと入れるかの判断

「床下 何センチ」で最もよく見かける数字は、建築基準法施行令第22条の45cmです。ただしこれは、最下階の居室の床が木造の場合に、直下の地面から床の上面までの高さを45cm以上とする規定で、床下の空間の高さではありません。床の厚みや根太の分を引くと、人が動ける空間はそれより低くなります。床下をコンクリートなどで覆う場合は、この規定の扱いが異なります。下の数字は、それぞれ別の高さを指します。実際の家は築年数や増改築で違うため、自宅の点検口から測って判断します。

布基礎とベタ基礎で変わること

東京都のねずみ防除指針の注には、布基礎は断面が逆T字型で壁や間仕切りに連続して一体化した基礎、べた基礎は建物の底面全体に厚いコンクリートを敷き、床板全体で建物の荷重を受ける基礎と説明されています。床下の地面がコンクリートか土かは、基礎の種類だけでは決まらないため、点検口からのぞいて確認します。地面が土のときは、湿り具合や掘り跡も確認の対象になります。

入れるかどうかの判断基準

労働災害事例では、床下の高さが47cmの住宅で、倒れた作業者のもとへ向かった班長がほふく前進で進んでいます。それより低ければ、さらに動きにくく、出入りも難しくなります。次の条件に一つでも当てはまれば、入らない判断にします。

  • 点検口の開口が、肩幅と持ち物を持って通れる大きさではない
  • 点検口から見て、床下の空間の高さが体を動かせる範囲ではない
  • 地面が湿っている、または水がたまっている
  • 奥の空間へ行くには人通孔を通る必要があり、体がつかえそうである
床下の高さは何センチ?布基礎・ベタ基礎の違いと入れるかの判断:確認項目
数字何の高さか注意
45cm以上直下の地面から床の上面まで(施行令第22条。木造の最下階の居室)床下の空間の高さではない。床下をコンクリートなどで覆う場合は但し書きがある
330mm以上床下空間の有効高さ(長期優良住宅の追加措置)点検のために確保する基準で、新築の認定基準の説明。すべての家に当てはまらない
400mm以上地面から基礎上端、または土台下端までの高さ(劣化対策等級3相当)基礎の立ち上がりの高さの基準で、人が入る高さではない
47cm労働災害事例で、班長が床下をほふく前進で進んだ住宅の床下の高さ一例であり、家ごとに違う

参考:e-Gov法令検索|建築基準法施行令(第22条 居室の床の高さ及び防湿方法)

床下点検口からのぞいて確認できること|足跡・フン・断熱材・水漏れ

入らなくても、点検口からライトで照らしてスマートフォンで撮影するだけで、多くの情報が得られます。国土交通省の既存住宅インスペクション・ガイドラインは、戸建ての小屋裏や床下の検査の対象を、点検口から目視できる範囲と整理し、進入しての検査は依頼主の意向などに応じて行うものとしています。専門の検査でも、のぞいて見える範囲が基本です。見えなかった範囲は、その理由と一緒に記録しておくと、調査を頼むときに役立ちます。

見つけた痕跡の位置や建物の情報の伝え方は床下周辺の物音や痕跡を調査へ渡す方法、床下の湿り気は床下の湿気と害虫対策で確認できます。フンは触らず写真にとどめ、蟻道のようなものを見たときはシロアリ防除の専門業者に相談します。

床下点検口からのぞいて確認できること|足跡・フン・断熱材・水漏れ:確認項目
見るもの見つけたとき次にすること
足跡・引きずった跡地面や基礎の表面に、細かい跡や筋がある写真に撮る。素手で触らず、位置を図に書く
フン・食べかす点検口の周りや基礎の足元にある触らず写真にとどめる。掃除は方法を確認してから
断熱材の乱れ垂れ下がり、ちぎれ、押しつぶされた跡がある位置を記録する。動物の巣か施工不良かは調査で確認する
配管の濡れ・水の跡配管の継ぎ目、地面の湿り、カビがある漏水の可能性がある。水回りの業者へ連絡する場合もある
蟻道・木くず・もろい木材基礎や束石、土台の表面に、土の筋や粉がある触らず写真に残し、シロアリ調査の専門業者へ相談する

参考:国土交通省|既存住宅インスペクション・ガイドライン(平成25年6月、PDF)

床下に入る場合の服装・マスク・ライトと、外に人を残す理由

入る場合は、準備を省きません。日本しろあり対策協会の安全管理基準は、作業は2人以上で編成すること、作業着は長袖のつなぎとすること、保護メガネとマスクを着け、調査時は防塵マスクを使うこと、通気の悪い場所では換気に十分注意することを示しています。住人が自分で点検する場合も同じ考え方で、長袖・長ズボン、手袋、保護メガネ、防じんマスク、帽子、電池式のヘッドライトを用意します。電動工具は持ち込みません。

外に人を残す理由は、異変に気づいてもらうためです。厚生労働省の労働災害事例では、床下で作業していた作業者に同僚が声をかけても返事がなく、床下の換気扇の外側カバーを外して見て、初めて倒れているのを見つけ、救急車を手配しています。床下では声が届きにくく、倒れても自分では助けを呼べません。外にいる人は、声をかけて返事を確かめる、時間を決めて戻ってもらう、救急要請をする、の役割を持ちます。

床下に入る場合の服装・マスク・ライトと、外に人を残す理由:確認項目
準備床下に入る人外で待つ人
持ち物電池式のヘッドライトと予備のライト、記録用のスマートフォン携帯電話。救急要請をすぐできる状態にしておく
合図決めた間隔で声を出して返事をする。気分が悪ければ戻る返事がないとき、決めた時間を過ぎても戻らないときは声をかける
返事がないとき応答できない状態自分は入らず、救急要請を優先する。点検口から呼びかけ、状況を伝える

参考:厚生労働省|職場のあんぜんサイト 労働災害事例(木造住宅の床下での感電、No.100814)

入ってはいけない条件|薬剤散布直後・換気が悪い・水がたまっている・動物の気配

次の条件のどれかに当てはまるときは、床下に入らず、のぞくだけで終えるか、時期を改めます。下の表に一覧を示し、それぞれの理由を小見出しごとに説明します。

薬剤散布やくん煙の直後

薬剤については、日本しろあり対策協会の安全管理基準が、土壌の表面に薬剤の皮膜をつくる工法の項目で、処理後は換気に努め、直ちに床下内と周辺に立入り禁止の措置をとること、処理後48時間以上たつまで皮膜面への接触を禁止することを定めています。これは業者向けの基準の一例で、工法や薬剤で時間は異なります。くん煙剤や薬剤を使った後に入れる時期は、製品の表示や施工した業者の指示に従ってください。

換気が悪い・水がたまっている床下(酸欠)

換気が悪い床下や、水がたまって長く閉じた空間は、酸素が少なくなるおそれがあります。厚生労働省のリーフレットは、酸素濃度18%を連続換気が必要な安全限界、16%で頭痛・吐き気、12%でめまい・筋力低下としています。酸欠の原因として、物の酸化、有機物の腐敗、密閉された空間での人の呼吸などが挙げられており、暗きょやピットなど汚水が流れ込む場所も例に出ています。住宅の床下そのものを例にした資料ではありませんが、閉じて湿り、水がたまった空間という点は共通します。頭痛やめまい、息苦しさを感じたら、直ちに外へ出てください。

動物の気配がある・浸水の直後

動物の気配があるときは、入らないでください。北九州市はアライグマについて、むやみに近づくと噛みついたり引っかいたりするおそれがあり、感染症の危険もあるため、見かけても絶対に近づかないよう呼びかけています。鳴き声や物音がするときは、のぞくだけにして、調査へ渡す記録の準備を進めます。浸水の後も、床下には汚泥や湿気が残ります。千葉市は、床下の汚泥を取り除き、洗い流して乾かすことを優先し、消毒を行う場合はゴム手袋・マスク・ゴーグルを着け、床下の消毒は原則不要としています。害獣の点検のために急いで入る時期ではありません。

入ってはいけない条件|薬剤散布直後・換気が悪い・水がたまっている・動物の気配:確認項目
条件理由代わりにすること
薬剤散布やくん煙の直後皮膜をつくる工法では、処理後は換気して立入りを避ける基準がある製品の表示と、施工した業者の指示を待つ
換気が悪い、水がたまっている、閉め切っていた酸素が少ないおそれがあり、湿って汚れているのぞくだけにする。頭痛・めまいがあれば直ちに外へ
動物の鳴き声・物音・においがある近づくと噛みついたり引っかいたりするおそれがある近づかず、音の記録をとって相談する
浸水の直後汚泥や湿気が残る。洗浄と乾燥が先自治体の衛生対策の案内に従う

参考:日本しろあり対策協会|しろあり防除施工における安全管理基準(令和8年10月版、PDF)

床下の電気設備と配線に注意する|感電の労働災害から

床下には、換気扇の配線や給排水の配管が通っていることがあります。厚生労働省の職場のあんぜんサイトに載る労働災害事例では、木造住宅のシロアリ駆除中に、床下で電気ドリルを柱に当てた際、電源を切っていない床下換気扇(100V用)の配線に当たって被覆が破れ、漏電して感電したと推定されています。原因として、換気扇の電源を切らずに狭い床下で作業したこと、感電を防ぐ接地をしていなかったことが挙げられ、狭い場所で電動工具を使うときは他の電気機器の電源を遮断するよう、対策が示されています。

この事例は専門の作業者の事故ですが、住人が床下を点検するときの教訓にもなります。電動工具を持ち込まない、配線や換気扇に触れない、汗をかいた体や濡れた手で電気器具に触れない、といった基本を守り、床下の電気設備が気になる場合は入らず、電気設備の専門家に相談してください。配線をかじった形跡を見つけたときは、触らず写真に残し、配線のかじり跡は誰に頼むかの考え方で相談します。

  • 電動工具を床下へ持ち込まない
  • 換気扇や配線に触れず、被覆が傷んだ配線を見つけたら写真に残す
  • 汗をかいた体や濡れた手袋で、電気器具に触れない

参考:厚生労働省|職場のあんぜんサイト 労働災害事例(木造住宅の床下での感電、No.100814)

確認した内容を調査依頼に渡す方法

点検口から確認した内容は、渡し方で価値が変わります。国土交通省の既存住宅インスペクション・ガイドラインは、床下や小屋裏の点検口がない、家具で隠れているなど、検査できなかった箇所は、その箇所と理由を記録し、部分的にしか検査できなかった場合は検査できたおおよその割合も記録すること、劣化事象を指摘する箇所と検査できなかった箇所は写真で記録することを求めています。調査員向けの記録の考え方ですが、住人のメモにも使えます。

写真は、点検口の位置が分かる全景、見つけたものの近接、撮影日時の順にそろえます。依頼前の準備は調査を頼む前に伝えること・用意するものを参考にしてください。賃貸では、管理会社への報告を先に済ませます。

確認した内容を調査依頼に渡す方法:確認項目
渡す情報書き方の例目的
見えた範囲洗面所の点検口から、北側の約半分どこまで確認したかが分かる
見えなかった範囲と理由奥は暗くて見えない。人通孔の先は未確認調査の範囲を決める
見つけたもの足跡・フン・断熱材の乱れ・水の跡を、写真と位置のメモで痕跡の位置と新旧を照らし合わせる
建物の情報築年数、基礎の種類(分かれば)、点検口の寸法、薬剤散布の履歴作業の安全条件を確認する