シロアリ駆除に補助金はある?協会Q&Aの回答と、対象が限られる背景
日本しろあり対策協会のシロアリQ&Aには、「シロアリ駆除に関して補助金などはありますか」という質問があります。回答は、直接の補助金はないが、シロアリ駆除にかかった費用は確定申告で雑損控除でき、所得税の還付を受けられる場合があるので、詳しくは税務署へ相談してほしい、という内容です(2026年10月3日確認)。駆除費用の控除の考え方は、シロアリ駆除の確定申告と雑損控除の対象で整理しています。
自治体の制度をいくつか開くと、背景も見えてきます。新潟県五泉市の令和8年度の案内は、「シロアリ、ネズミ等の駆除」を、リフォーム工事ではないため対象外としています。住宅の改修を対象にした制度では、駆除が工事とは別の扱いになる場合がある、という読み方ができます。ただし、これは確認した例の説明で、全国の制度に当てはまるとはかぎりません。制度ごとに公式ページで確認します。
| 補助・支援の入口 | シロアリ関連の扱い | 確認できたこと(2026年10月3日時点の掲載) |
|---|---|---|
| シロアリ駆除そのものへの補助金 | 全国共通の制度は案内されていない | 協会のQ&Aは、直接の補助金はないと回答している |
| 自治体の住宅リフォーム助成 | 制度ごとに異なる | 五泉市は、駆除は対象外、駆除後の補修・取替は対象としている |
| 自治体の空き家改修助成 | 制度ごとに異なる | 坂井市は維持管理工事に防蟻処理を含め、東かがわ市はシロアリ対策を対象外としている |
| 国の長期優良住宅化リフォーム推進事業 | 床下の防腐・防蟻処理が、劣化対策の工事例に挙げられていた | 令和7年度の交付申請は締め切り済みで、令和8年度は実施しないと事業サイトに掲載されている |
| 確定申告の雑損控除 | 補助金ではなく、税の控除 | 駆除費用と被害部分の修繕費は対象、予防の費用は対象外(国税庁の質疑応答事例) |
参考:公益社団法人日本しろあり対策協会|シロアリQ&A シロアリ駆除に関して補助金などはありますか
シロアリ駆除に補助金は出ますか?
日本しろあり対策協会のQ&Aは、直接の補助金はないと答えています。自治体の住宅リフォーム助成や空き家改修助成で、シロアリ関連の工事が対象になる例はありますが、制度ごとに違うため、市区町村の公式ページと窓口で確認します。費用は確定申告で雑損控除できる場合があります。
自治体の住宅リフォーム助成で防蟻工事が対象になるか|3つの公式ページの読み方
自治体の制度は、名称が「住宅リフォーム補助」でも「空き家改修補助」でも、対象工事の一覧と注意書きの中で、シロアリの扱いが決まります。2026年10月3日に開いた3つの自治体ページを、読み方の例として並べます。特定の制度をすすめるものではなく、受付期間や予算、対象の住宅は制度ごとに違います。
確認1 対象になる住宅は、居住中の自宅か空き家か
五泉市は自分が居住する住宅のリフォームを対象にし、東かがわ市と坂井市は空き家を対象にしています。同じ「防蟻」でも、住んでいる自宅の防蟻が対象になる制度と、空き家の改修経費の一部として防蟻処理が数えられる制度は別のものです。自宅にシロアリの被害がある人は、坂井市の例をそのまま自分に当てはめることはできません。
確認2 「駆除」「補修」「防蟻処理」のどれが対象か
五泉市は駆除を対象外、駆除後の補修・取替を対象とし、坂井市は防蟻処理を維持管理工事に含めています。同じシロアリ関連でも、駆除、予防の防蟻処理、被害部分の補修の3つは、制度の中で別の行として扱われます。見積書もこの3つに行を分けておくと、窓口で話が通りやすくなります。
確認3 注意書きや備考欄に、対象外が書かれていないか
東かがわ市のように、対象工事の一覧ではなく「(注意)」の短い文章に、シロアリ対策等は対象外と書かれる例があります。ページ内の文字検索で「シロアリ」「防蟻」「駆除」を探し、見つからないときは載っていないだけの可能性もあるため、窓口に聞いて確かめます。
| 自治体・制度 | シロアリ・防蟻の扱い(公式ページの表示) | 申請の条件(公式ページの表示) |
|---|---|---|
| 新潟県五泉市 令和8年度住宅リフォーム事業補助金 | 案内の工事一覧で、シロアリ・ネズミ等の駆除は「リフォーム工事ではないため対象外」。駆除後の補修・取替は対象 | 着工前に申請し、交付決定通知書の後に着工する。ページには、今年度は予算額に達したため受付を終了した、とある |
| 香川県東かがわ市 空き家リフォーム補助制度 | 注意書きで、シロアリ対策等は対象外とされている | 空き家バンクに登録した空き家などが対象。補助対象事業費が30万円以上であることが要件 |
| 福井県坂井市 令和8年度空家対策早期決断応援事業 | 改修の補助対象経費に、維持管理工事(点検、防蟻処理等含む)が入る。補助率は3分の1以内、改修の限度額は20万円 | 事前相談を原則とし、事前受付票の提出前に着工・着手または契約をした事業は対象外 |
国の補助で防蟻が扱われた例|長期優良住宅化リフォーム推進事業は令和8年度に実施しない
国の補助事業として実施されていた長期優良住宅化リフォーム推進事業の令和7年度の事業サイトは、構造躯体等の劣化対策の工事例に「床下の防腐・防蟻処理」を挙げていました。ただし、対象は住宅の性能基準に適合させるための工事費のうち特定の性能項目の工事と、その付帯工事で、防蟻処理だけを目的にした補助ではありません。
同じサイトには、令和7年度の交付申請は締め切った、令和8年度は本事業を実施しない、という案内が出ています(2026年10月3日確認)。そのため、「国の補助金で防蟻工事が安くなる」と説明されたら、制度の正式名称、実施年度、申請の窓口を聞き、実施中の制度かどうかを確かめます。この事業では、申請者は施工業者で、補助金は契約代金への充当や現金の形で施主に還元される仕組みでした。業者が手続きを代行する制度でも、制度の実在は公式ページで確認できます。
- 制度の正式名称と、実施している年度
- 申請者は誰か(施主本人か施工業者か)と、申請の窓口
- 補助が受けられなかった場合の費用負担が、見積書や契約書のどこに書かれているか
申請は着工前が原則|交付決定の前に契約・着工しない
確認した2つの自治体は、どちらも工事の前の手続きを求めています。五泉市は、リフォーム工事の着工前に必要書類を付けて申請し、申請前に着工した工事は補助対象外、補助金の交付決定通知書が届いてから着工するよう案内しています。やむを得ない理由で交付決定の前に着手する場合は、事前着手届を出す仕組みもあります。坂井市は、事前受付票の提出前に着工・着手した事業や、契約を結んだ事業を対象外としています。
シロアリの被害は急いで対処したくなる場面が多い工事ですが、補助制度が使えるかもしれないときは、契約の前に窓口へ確認する順番にします。被害が進んでいて待てない場合は、五泉市の事前着手届のような例外の扱いがあるかも、窓口で聞きます。応急の工事を先に進めたことで制度が使えなくなる可能性があるため、判断の前に確認します。
| 順番 | やること | 公式ページに書かれていた根拠・注意 |
|---|---|---|
| 1 制度と受付状況の確認 | 受付期間、予算、対象の住宅、対象工事の一覧を読む | 五泉市は、申請金額が補助予定金額に達した時点で受付を締め切るとし、令和8年度は受付終了と掲載している |
| 2 事前相談 | 対象になるかを窓口に聞く | 坂井市は事前相談を原則としている |
| 3 見積書の取得 | 対象工事とそれ以外を分けた、明細の明確な見積書にする | 五泉市は、契約書または見積書の写しを、対象工事とその他をわけ、明細が明確なものとして求めている |
| 4 申請 | 着工前に必要書類を付けて申請する | 五泉市は、工事前の日付入りの写真、見積書の写し、工事箇所と内容が分かる図面などを求めている |
| 5 交付決定通知を待つ | 通知の後に契約・着工する | 五泉市は、申請前に着工した工事は対象外とし、通知書が届いてから着工するよう案内している |
| 6 工事の完了と報告 | 実績報告書を提出する | 五泉市は、期限までに工事が完了し、かつ実績報告書が提出できることを対象の条件としている |
シロアリ駆除の補助金の探し方と窓口への質問例|検索サイトと自治体ページ
住宅リフォーム推進協議会が運営する「地方公共団体における住宅リフォーム支援制度検索サイト」では、都道府県を選び、市区町村ごとの支援制度を調べられます。支援分類は、耐震化、バリアフリー化、省エネルギー化、環境対策、防災対策、同居対応、その他の7つ、支援方法は、補助、融資、利子補給、専門家等派遣、その他で絞り込めます。サイトは、最新の情報については各地方公共団体にお問い合わせください、と案内しています。
分類に「防蟻」や「シロアリ」という項目はないため、防蟻が含まれるかどうかは、制度名や概要を開き、制度の公式ページで対象工事の一覧と注意書きを読んで確かめます。「その他」や空き家関連の制度も見ておきます。自治体のサイトで探すときは、市区町村名に「住宅リフォーム 補助」「空き家 改修 補助」を組み合わせて検索し、開いたページで「シロアリ」と「防蟻」を文字検索する順番が使えます。窓口へは、次の質問が使えます。
| 窓口への質問 | 聞く理由 |
|---|---|
| 居住中の自宅で、シロアリに関する工事は対象になりますか | 対象の住宅が居住中の自宅か空き家かで、制度が分かれるため |
| 駆除と、駆除後の補修・取替は、別の扱いですか | 五泉市のように、駆除は対象外で補修は対象になる例があるため |
| 防蟻処理は、他のリフォーム工事と同時に行えば対象になりますか | 工事の一部として扱われるかどうかは、制度の対象工事の一覧による |
| 契約や着工は、申請のどの段階から可能ですか | 申請前の着工や契約を対象外とする自治体があるため |
| 見積書は、何を分けて書けばよいですか | 五泉市は、対象工事とその他を分けた明細を求めているため |
| 今年度の受付状況と、残りの予算はどうなっていますか | 予算額に達した時点で受付を終了する自治体があるため |
「補助金が使える」という勧誘に会ったときの確認方法
国民生活センターは、害虫・害獣駆除サービスの相談が全国の消費生活センター等に寄せられていると公表し、相談事例の問題点として、不安をあおって契約を急かす勧誘や、複数の見積もりを比べる時間を与えない対応を挙げています。助言は、複数の見積もりで比較・検討する時間を与えない事業者とは契約しないこと、クーリング・オフ等ができる場合があること、おかしいと思ったらすぐに消費生活センター等に相談することです(2024年4月24日公表)。補助金を理由にした勧誘も、同じ見方で確認できます。
確認する項目は、次のとおりです。消費者ホットライン188は、最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等を案内する全国共通の3桁の電話番号です。無料点検を名目にした訪問については、シロアリ駆除の詐欺と点検商法の確認と断り方で整理しています。
- 制度の正式名称、実施する自治体(または国の事業名)、年度を書面で示してもらう
- 同じ制度を自治体の公式ページで探し、対象工事の一覧にシロアリ関連が入っているか、受付中かを確かめる
- 申請者は誰か、申請の窓口はどこか、結果が出る時期はいつかを聞く
- 補助が受けられなかった場合の費用負担が、見積書や契約書のどこに書かれているかを確かめる
- その日の契約を求められたら、書面を受け取って帰ってもらい、自治体の窓口や消費者ホットライン188で確認する
補助金以外の負担軽減|雑損控除と相見積もり
国税庁の質疑応答事例は、シロアリによる被害を所得税法施行令第9条の「害虫、害獣その他の生物による異常な災害」に当たるとし、被害を受けた部分の修繕費とシロアリを駆除する費用を雑損控除の対象と回答しています。一方、被害を事前に防止するための費用と、駆除とともに行う予防のための費用は、応急的な措置の費用ではないため対象外です。見積書や領収書で駆除と予防が分かれているかが、あとから効いてきます。
もう一つは、見積もりの比べ方です。協会のQ&Aは、施工方法は通常は業者が決める、納得できなければ他の業者を呼んで比べたほうがよい、と答えています。面積の基準や最低施工額をそろえる方法はシロアリの坪単価と平米単価の比べ方、2社の金額が違うときの手順は2社の金額が違うときの相見積もりの比べ方で扱っています。火災保険については、シロアリ駆除は火災保険の対象かで約款の読み方を整理しています。





