蛇に噛まれたら最初にすること|離れて、安静にして、連絡する
ジャパン・スネークセンター(日本蛇族学術研究所)は、日本の身近な毒ヘビに咬まれて即死することはまずないとしたうえで、誤った対処や放置は重症化につながるおそれがあると述べています。まずは落ち着いて状況を見極めること、庭や道ばた、田畑など市街地で連絡手段があり、すぐ病院へ行けるならそれを第一にすることが示されています。
山中など、市街地へ行くまでに時間がかかる場所では、安静にしながら次の段階へ進むとされています。携帯電話や電波がない場合も、体の血液をなるべく循環させないよう安静を保ち、必要最小限の動きで人や連絡手段を探すよう案内されています。「急ぐ」は時間のことで、「走る」という意味ではないとも明記されています。
| 順番 | 行動 | 資料の記載 |
|---|---|---|
| 1 | ヘビから離れ、咬まれた部分を動かさず安静にする | 東京都・神戸市は、動かさず安静にして速やかに医療機関へ。スネークセンターは、落ち着いて安静にすることを第一に挙げている |
| 2 | ヘビの姿や特徴を、可能な範囲で記録する | スネークセンターは写真が最も有効で、難しければ特徴をメモするよう案内。北区は、特徴が治療の判断に役立つとしている |
| 3 | 病院や救急へ連絡する | スネークセンターは、救急に連絡すれば救急車が必要かどうか判断してもらえると案内。北区は救急要請(119番)を挙げている |
| 4 | 速やかに医療機関を受診し、ヘビの情報を伝える | 東京都・神戸市は、どのようなヘビに咬まれたか情報を正確に伝えるよう案内している |
参考:ジャパン・スネークセンター(日本蛇族学術研究所)|もし咬まれたら ヘビの判別
蛇に噛まれたら救急車を呼んだほうがいいですか?
毒蛇の疑いがある、種類が分からない、体に症状が出ている場合は、119番を考えます。スネークセンターは、救急に連絡すれば救急車が必要かどうか判断してもらえると案内しています。迷うときは、実施地域であれば救急安心センター(#7119)にも相談できます。
119番を考える場面と、#7119・中毒110番との使い分け
どこへ連絡するか迷うのが、この場面の最大の悩みです。公的な案内を並べると、119番は緊急、#7119は迷うとき、医療機関は診察、中毒110番は毒物の情報提供というように、役割が分かれています。
東京都北区は、マムシやヤマカガシに咬まれたとき、救急要請(119番)をするなどして速やかに医療機関を受診するよう案内しています。スネークセンターも、毒蛇の可能性があれば病院へ連絡し、救急へ連絡すれば救急車が必要かどうか判断してもらえるとしています。資料の記載を整理すると、毒蛇の疑いがある、種類が分からない、体に症状が出ている、のいずれかなら、119番を考える場面にあたります。
救急安心センター(#7119)は実施地域だけで使える
消防庁によると、#7119は、救急車を呼んだほうがよいか、今すぐ病院へ行ったほうがよいかなど判断に迷ったときの相談窓口です。医師・看護師・救急救命士などが電話でアドバイスし、緊急性が高いと判断された場合は119番通報への転送などを行います。実施は全国42地域とされ(2026年10月3日確認)、実施していない地域では使えません。地域ごとに定められた番号がある場合もあるため、お住まいの地域の案内を消防庁のページで確認しておくと安心です。
中毒110番と日本蛇族学術研究所の使いどころ
日本中毒情報センターの中毒110番は、化学物質や動植物の毒などによる急性中毒について、実際に事故が起きている場合に情報提供する窓口で、一般専用電話は365日24時間・無料です。自然毒の例としてマムシ咬傷が挙がっていますが、ヘビ咬傷の受診先の判断は、救急や医療機関が優先になります。
ジャパン・スネークセンターのお問い合わせ窓口は、毒蛇に咬まれた緊急の場合などの電話番号を営業日の9時から17時に案内し、夜間の毒蛇咬傷については自動音声案内に従うよう案内しています。
| 窓口 | 向く場面 | 確認できた公式情報(2026年10月3日時点) | 注意 |
|---|---|---|---|
| 119番 | 毒蛇の疑い・種類不明・症状あり | 救急に連絡すれば、救急車が必要かどうかを判断してもらえる(スネークセンター) | 迷って時間を使うより、状況を伝えて指示を受ける |
| 救急安心センター(#7119) | 救急車を呼ぶか迷うとき。受診できる医療機関を知りたいとき | 医師・看護師・救急救命士などが相談に応じ、緊急性が高い場合は119番へ転送。全国42地域で実施(消防庁) | 未実施の地域では使えない。東京都・神戸市は#7119を案内 |
| 医療機関 | 咬まれたあとの診察 | どのようなヘビに咬まれたか、情報を正確に伝える(東京都・神戸市) | 血清は、どの病院にもあるわけではないと研究所が説明している |
| 中毒110番 | 動植物の毒などによる急性中毒の情報提供 | 一般専用は365日24時間・無料。大阪072-727-2499、つくば029-852-9999。留守番電話での対応はない | 事故が実際に起きている場合に限る。受診先の判断は救急・医療機関が優先 |
| ジャパン・スネークセンター | ヘビの判別の相談、咬傷の緊急連絡 | 電話0277-78-5193(営業日9:00〜17:00)。夜間の毒蛇咬傷は同番号にかけ続けて自動音声案内に従う | 写真が必要な相談はメールで画像を添付する案内 |
受診までに残しておく情報|写真・模様・大きさ・場所と時刻
スネークセンターは、毒ヘビかどうかを判断する材料として一番有効なのは写真で、体の一部が写っているだけでも専門家なら判別できる場合があると述べています。ただし、無理をせず、可能な場合のみ撮影するとされ、難しいときは特徴をメモして記録するよう案内されています。咬まれたあとにヘビへ近づく必要はありません。
同センターはまた、ヘビの種類を正確に、すぐに判別するのは一般の方にはほぼ無理で、分からなければ必ず病院・専門機関へ連絡するよう求めています。夜間や草むらで咬まれ、ヘビそのものを確認できない場合は、小さな刺し傷が虫刺されと誤診されて治療が遅れる例があると説明しています。「ヘビかもしれない」と最初に伝えることが、判断の助けになります。
家の周りに出る種類の特徴は、蛇の種類を見分ける|家の周りに出る主な種類と毒蛇の特徴早見表で確認できます。ただし、受診前の自己判定には使わず、医療機関に写真やメモを渡すときの補助として使ってください。
| 伝える項目 | 書き方の例 | 資料での位置づけ |
|---|---|---|
| ヘビの写真 | 全身が無理なら、頭・胴・模様の一部だけでもよい | スネークセンター:体の一部でも専門家なら判別できる場合がある。無理はしない |
| 模様・色・大きさ | 「茶色で丸い斑紋が並んでいた」「緑がかって赤い点が少し」「腕の長さくらい」 | 北区:かまれたヘビの特徴を確認できれば、治療の際の判断に役立つ |
| 咬まれた場所と状況 | 水辺・草むら・庭、昼か夜か、ヘビを見たか見ていないか | スネークセンター:夜間や草むらではヘビを確認できない例が多い |
| 咬まれた時刻・傷の位置 | 「午後3時ごろ」「右手の甲に傷が2つ」 | 資料が列挙している項目ではない。経過を伝えるための当サイトの整理 |
| 種類が分からない旨 | 「毒蛇か分からない」「虫刺されかと思ったが、ヘビかもしれない」 | スネークセンター:判別は難しく、分からなければ病院・専門機関へ連絡する |
資料が避けるよう示している行動と、資料で記載が分かれる点
スネークセンターは、止血や毒を吸い出す、救急用器具(ポイズンリムーバー)等の使用は、適切な指導を受けた熟練の方のみが行うものとし、よく知らずに器具を使ったり安易にまねたりすると、かえって状況を悪くすると述べています。小樽市は、マムシについて応急処置は難しいため救急車を呼ぶなどして早急に受診するよう案内し、パニックになって走ることが一番危険だとしています。北区は、激しく動くと毒が体内で早くまわるので危険だとしています。
一方で、資料によって書き方が違う点もあります。たとえば咬まれた部分の姿勢について、北区は「心臓より下に」としますが、東京都と神戸市は「動かさず安静に」という表現にとどめています。当サイトはどちらかを推奨せず、救急隊や医師から指示があればそちらを優先してください。
資料で記載が分かれる点(どちらも推奨しません)
次の点は、確認した資料の間で書き方が違うか、片方にしか記載がありません。自己判断で選ぶのではなく、119番や#7119で状況を伝え、指示を受けてください。
- 咬まれた部分の姿勢:北区は「心臓より下」、東京都・神戸市は「動かさず安静」と記載。
- 傷の洗浄・消毒:小樽市は、毒のないヘビ(アオダイショウ・シマヘビ)に咬まれた場合に傷の消毒や洗浄を案内。毒ヘビについて、スネークセンター・東京都・神戸市・北区の資料には同様の記載が見当たらない。
- 救急車の呼び方:北区は救急要請(119番)、東京都・神戸市は迷えば#7119、緊急時は119番と記載。
| 避けたい行動 | 資料の記載 | 出典 |
|---|---|---|
| 走る・慌てて動く | パニックになって走ることが一番危険。「急ぐ」は時間のことで、走る意味ではない。激しく動くと毒が早くまわる | 小樽市・スネークセンター・北区 |
| 止血・毒の吸い出し・器具の使用 | 適切な指導を受けた熟練者のみ。よく知らずに使うとかえって状況を悪くする | スネークセンター |
| ヘビを探す・捕まえる・追う | 撮影は無理をせず可能な場合のみ。むやみに近づかず、素手で触らない | スネークセンター・大田区・北区 |
| 様子を見るだけで放置する | 誤った対処や、放置を続けると、重症化する可能性が少なくない | スネークセンター |
毒のないヘビに咬まれた場合も受診を考える理由
毒のないヘビでも、咬まれたら終わりと考えない資料があります。小樽市は、アオダイショウに咬まれた場合は雑菌などの心配があるので傷の消毒などの処置をしてほしいとし、シマヘビについてはまれに破傷風菌が見つかる場合があるため、傷を流水でよく洗い、消毒して医療機関で処置を受けるよう案内しています。
もう一つの理由は、種類を取り違えやすいことです。スネークセンターは、アオダイショウの子ヘビは親と模様が異なり、頭を三角にして威嚇して咬みつくこともあるため、マムシと間違われやすいと説明しています。草むらで咬まれるとヘビそのものを確認できないことも多く、現場で毒の有無を確かめることはできません。毒がないと思い込んで受診しないことは避け、「種類が分からないヘビに咬まれた」として医療機関に相談します。
咬まれたあとにヘビを追い払いたい、駆除したいという場合の連絡先は、蛇の駆除は市役所や警察に頼める?家や庭に出たときの連絡先の選び方に整理しています。受診が先で、駆除や追い払いは落ち着いてからで構いません。
犬や猫が咬まれたとき
小樽市は、好奇心旺盛な犬や猫などのペットにも注意が必要で、前足で相手を探る猫は前足を、鼻を近づけてにおいを嗅ぐ犬は顔を、ヘビに咬まれる確率が高いと案内しています。そのうえで、慌てずに適切な治療を受けるよう述べています。
ペットの受診先は動物病院です。咬まれた様子や、ヘビの特徴の写真・メモは、人の場合と同じく伝える材料になります。夜間や休日に診てもらえる動物病院は地域で異なるため、普段から連絡先を控えておくと、慌てずに動けます。
庭でヘビ用の薬剤などを使うときは、犬や猫が触れる場所かどうかを製品表示で確認します。確認の視点は、ペットがいる家の害虫駆除。犬猫・小鳥・水槽を含めて施工前に伝えることが参考になります。
咬傷を減らすために|服装・場所・家の周りの見直し
神戸市と北区は、水辺(河川、池沼など)や草むら、山林など、毒ヘビがいる可能性のある場所に入るときは、長袖・長ズボンの服装で、長靴や手袋を着用するよう案内しています。毒ヘビを見かけた場合は決して近づかないこと、土地の管理者へ報告することも挙げられています(北区)。
家の周りでは、ネズミなど餌となるものを駆除する、ヘビの隠れ場所になる草むらを刈る、穴やすき間を埋めて塀などで侵入を防ぐ、といった方法を大田区や長久手市が挙げています。薬剤(忌避剤)については、使える製品の表示を確認する必要があるため、蛇の駆除スプレーや忌避剤は効く?製品表示で確かめる使い方と限界で整理しています。毒蛇の特徴と地域差は、ヤマカガシの毒と見分け方|地域で違う体色と咬まれやすい場面にまとめています。
- 水辺・草むら・山林に入るときは、長袖・長ズボン・長靴・手袋を身につける。
- ヘビを見かけたら近づかず、素手で触らず、そっと離れる。
- 見つけた場所の管理者(公園・河川・学校など)へ連絡する。






