ネズミの死骸を見つけたら最初にすること(触らない・換気・手袋)
ネズミの死骸を見つけても、慌てて素手で拾わないことが最初の線引きです。厚生労働省の動物由来感染症ハンドブックは、ネズミ類が保菌する可能性のある感染症としてレプトスピラ症や鼠咬症を挙げ、感染の可能性のある動物と接触するときは手袋やマスク等を着用するよう案内しています。触る前に、使い捨て手袋、ビニール袋、新聞紙、スコップなどの道具をそろえてから近づきます。
死骸のある部屋は、道具を取りに行く間に窓や戸を開けて空気を入れ替えておきます。粘着シートやかごに入っている個体は、まだ生きていることがあります。同ハンドブックには、ネズミ獲りを処理中にかかったラットに咬まれて鼠咬症にかかった例が載っているため、動かないことを確かめるまで手を出さないでください。
先にそろえる物
片付けの途中で道具を探しに離れると、死骸の周りを歩き回ることになります。必要な物は、作業を始める前に一か所へ集めておきます。
- 使い捨て手袋(手首まで覆えるもの)
- ビニール袋2枚と、包むための新聞紙やキッチンペーパー
- スコップ、トング、割りばしなど、手の代わりに使う道具
- 清掃用の消毒用アルコールと、使い終えた道具を入れる袋
避けたいこと
手順より先に、やってはいけないことを押さえておくと、感染や二次的な汚れを避けやすくなります。
- 素手で拾う、顔を近づけて確かめる
- フンや巣材が近くにあるのに、ほうきで掃いたり掃除機で吸ったりする
- 他人の敷地や公共の場所に埋めたり、捨てたりする(東京都の資料は、他人の敷地や公共の場所での無断の埋設は不可としています)
- 咬まれた、傷口に触れた、体調に不安があるのに、自分だけで作業を続ける
参考:厚生労働省|動物由来感染症ハンドブック2026(PDF)
ネズミの死骸は燃えるごみで捨てられますか?
札幌市、藤沢市、武蔵野市などは、袋に入れて可燃ごみ(燃やせるごみ)として出す方法を公式ページで案内しています。ただし区分や袋、出し方は自治体で違うため、住んでいる自治体の分別案内か清掃担当で確認してから出してください。
ネズミの死骸の片付け手順と消毒の考え方
片付けは、換気と準備、周囲の処理、回収と袋詰め、場所の清掃、手洗いの順に進めます。ネズミの体や巣にはイエダニやノミが付いており、死んだ後に離れて人を刺すことがあるため、新宿区は死骸とその付近に殺虫剤を使うよう案内し、東京都の資料も死骸や巣を探して撤去し、周辺に殺虫剤を散布するとしています。殺虫剤は製品の対象や使用場所の表示に従い、食品や食器にかからないようにします。
消毒の対象は、死骸があった場所と、触れた道具や手です。フンや巣材が近くにある場合は、掃いたり掃除機で吸ったりすると粉じんが舞うため、先にネズミのフンを掃除機で吸う前の準備を読んでください。東京都の資料は、ネズミのフンが落ちていた場所の消毒について、あまり神経質になる必要はなく消毒用アルコールでの清拭程度でよいとしつつ、調理台や食器、調理器具など食品に触れる場所や器具は、よく洗浄して消毒するよう案内しています。
| 順番 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 1 準備 | 窓や戸を開けて換気し、手袋と道具をそろえる | 素手で触らない。家族やペットを近づけない |
| 2 周囲の処理 | 死骸のまわりにイエダニなどが散らないよう、殺虫剤を使う | 製品の対象と使用場所の表示に従い、食品や食器にかけない |
| 3 回収と袋詰め | 新聞紙などで包み、道具でビニール袋に入れて口を縛る | 自治体が密閉を求める例がある |
| 4 場所の清掃 | 死骸があった場所と道具を清掃し、アルコールなどで消毒する | 食品に触れる場所や器具は、洗浄してから消毒する |
| 5 手洗い | 手袋を外す前に手袋の上から洗い、外した後は手洗いとうがいをする | 武蔵野市は作業後の手洗い・うがいを案内している |
| 6 ごみに出す | 自治体の区分と出し方に従う | 次の章の表で実例を確認する |
ネズミの死骸のごみの出し方は自治体で違う|調べ方と実例表
ごみとして出せるかどうかと出し方は、自治体ごとに決まっています。札幌市は、駆除後のネズミの死体を市指定の有料ごみ袋に入れて燃やせるごみと一緒に出せると案内し、藤沢市は、新聞紙などで包んで可燃ごみとして処分するよう案内しています。ごみ区分の名前も「燃やせるごみ」「燃やすごみ」「可燃ごみ」など自治体で違うため、実例をそのまま当てはめず、住んでいる自治体の案内で確かめてください。
下の表は、2026年10月時点で各自治体の公式ページに掲載されていた内容の例です。ネズミと明記している自治体と、動物の死体として案内していて種類は例示にとどまる自治体が混在します。ネズミが対象に含まれるか迷うときは、清掃担当へ電話で確認するのが確実です。練馬区は、私有地内の死体は敷地の所有者または占有者が処理するとしたうえで、処理できない場合は清掃事務所へ連絡する案内で、縁の下や屋根の上など収集に困難な場所は引き受けられない場合があるとしています。大阪市の窓口の分け方は動物の死骸を見つけたときの連絡先を大阪で整理した記事で確認できます。
ごみ区分と出し方の調べ方
調べるときは、自治体名に「ごみ分別」「動物の死体」「ネズミ」を組み合わせて検索するか、自治体のごみ分別辞典やアプリでネズミを引きます。載っていなければ、清掃事務所や環境事業所などのごみ担当へ電話します。賃貸住宅や集合住宅では、管理会社のごみ出しルールも合わせて確認します。
- 指定袋の有無(札幌市は市指定の有料ごみ袋)
- 包み方や密閉の指定(新聞紙で包む、袋を密閉するなど)
- 出せる日と場所(可燃ごみの日、ごみ集積所)
- 店舗や事業所の敷地内で見つけた場合の扱い(横浜市は市の収集対象外で、管理する事業者が処理)
| 自治体(掲載ページ) | 自宅・私有地で見つけた場合 | 道路や公共の場所で見つけた場合 | ネズミの記載 |
|---|---|---|---|
| 札幌市(ネズミ類) | 駆除後の死体は、市指定の有料ごみ袋に入れて燃やせるごみと一緒に出せる | このページには記載なし | あり |
| 藤沢市(ネズミに関すること) | 新聞紙などで包んで可燃ごみに。手袋を着け、道具と場所を清掃・消毒する | 動物の死骸の処理全般は環境事業センターへ相談(ページの案内) | あり |
| 新宿区(ねずみにお困りの方へ) | 敷地の所有者・管理者が対応。死骸は最寄りの清掃事務所・清掃センターへ相談 | 国道は国道事務所、都道とごみ集積所は清掃事務所、区道と区立公園は区の事務所 | あり |
| 武蔵野市(飼い主のいない動物の死体処理) | 回収はしない。使い捨て手袋とスコップで袋に入れて密閉し、可燃ごみの日に出す | 環境政策課に連絡すると現場まで回収に伺う | あり(ねずみ・鳥等) |
| 横浜市(動物の死体) | 自宅敷地の記載なし。事業者の敷地は市の収集対象外で、管理者が処理 | 無料で収集。見つけた区の資源循環局事務所へ。国道上は国道事務所 | 動物の死体として案内 |
| 名古屋市(動物の死体処理) | 私有地の敷地内に立ち入っての回収はしていない。敷地外で引き渡す | 路上や空き地は各区の環境事業所へ(土曜は受付センター) | 犬・猫などの例示 |
道路や公共の場所でネズミの死骸を見つけたときの連絡先
道路、公園、河川など公共の場所の死骸は、その場所を管理する窓口が分かれています。横浜市は、路上等の動物の死体を無料で収集し、見つけた区の資源循環局事務所へ連絡するよう案内しています。国道上は国道事務所(出張所)が窓口で、市の管理区間かどうかで連絡先が変わります。新宿区のように、国道、都道、区道、区立公園、ごみ集積所ごとに窓口を分けている例もあります。
連絡するときは、場所が分かる目印、動物の種類と大きさ、見つけた時刻を伝えると回収の手配が進みます。横浜市は、見つけた場所を特定するために周辺の目印を詳しく尋ねる場合があると案内しています。受付は平日の日中に限られる自治体もあるため、時間外の窓口は各ページで確認してください。まだ息がある動物は別の窓口の扱いになります。
- 道路の種類(国道、都道・県道、区道・市道)を確かめる
- 公園、河川、ごみ集積所は、道路とは管理者が別のことがある
- 目印、動物の種類と大きさ、見つけた時刻を伝える
- 息のある動物は、死体の窓口ではなく動物の担当に連絡する
壁の中・天井裏で回収できないネズミの死骸|臭いとハエへの考え方
殺そ剤を食べたネズミがどこで死ぬかは、自治体の資料でも特定できないとされています。東京都の資料は、明るい所で死ぬという説に根拠はなく、死ぬ場所は限定されないと説明し、目黒区も、明るいところや水場で死ぬという根拠はないとしています。壁の中や天井裏で死ねば回収できず、時間がたつと腐敗による臭いやウジ、イエダニの問題が起こりえます。
新宿区のリーフレットは、ネズミが回収できない場所で死ぬと死骸が腐敗することがあるため、毒餌よりも粘着シートを勧めており、死骸を放置すると腐敗による悪臭やウジ、イエダニが発生することがあるとしています。京都市は、死骸による悪臭やウジの被害を防ぐため、殺そ剤は冬場の寒い時期に使うよう案内しています。家の中で死なれたくない場合は殺そ剤以外の方法を選ぶ、という考え方が、複数の資料に共通しています。
臭いやハエが出たときに確認すること
臭いが強くなる場所と時間帯、ハエが集まる窓や天井の位置、天井や壁のしみを記録します。点検口から見える範囲に死骸があれば手順どおりに回収できますが、壁や天井を開けると復旧工事が必要になり、配線や断熱材にも関わるため、自分で開けることはおすすめしません。東京都の資料は、壁の中のネズミは壁の一部を外して取り除くのが基本としつつ、実際にはかなり難しい対策のため専門業者に依頼する方がよいとしています。ハエが増えたときは家でハエが大量発生したときの発生源の探し方も参考になります。
- 臭いが強い場所と、強くなる時間帯や天気
- ハエやウジを見た場所と日付
- 天井や壁のしみ、変色の位置
- 殺そ剤や粘着シートを置いた場所と日付
| 状況 | 自分で確認できる範囲 | 相談先の例 |
|---|---|---|
| 点検口やすき間から見え、手が届く | 手袋と道具で回収し、袋に入れて自治体の区分で出す | 自治体のごみ担当(出し方の確認) |
| 壁の中・天井裏・床下にあるらしい | 点検口から見える範囲まで。壁や天井は開けない | 専門業者の調査、保健所、地域のペストコントロール協会 |
| 臭いが続き、ウジやハエが出ている | 場所の記録と、窓の開閉などの換気 | 業者(回収・消毒・消臭の範囲を見積もりで確認)、賃貸は管理会社 |
殺そ剤や粘着シートを使ったあとの死骸回収の注意
殺そ剤は、数日後に死骸が出ることを前提に、設置場所と日付を記録しておきます。アース製薬のデスモアプロの表示は、人や動物にも有害なため子どもやペットが容易に近づける場所では使わないこと、土間や台所など人が往来する場所では就寝前に設置して翌朝回収すること、数日たっても食べないときは回収するか場所を移すことを示しています。誤って食べたときは、医師や獣医師の診療を受けるよう表示されています。
死骸を回収するときは、素手で触らず、前の章の手順で袋に入れます。ペットや野生動物が死骸を口にしないよう、早めに片付けます。殺そ剤は有効成分も表示も製品ごとに違うため、使った製品の説明書で、誤食したときの対応と死骸の扱いを確認してください。殺そ剤と捕獲器の違いは殺鼠剤と捕獲器の選び方と死骸回収の比較で整理しています。
粘着シートにかかった場合について、新宿区は、そのままにせず速やかに回収して処分すること、屋外では雨風で粘着力が弱まり野鳥等が誤ってかかる恐れがあるため屋内で使うことを案内しています。使わなくなった殺そ剤は、新宿区が新聞紙等で包んでビニール袋に入れ、可燃ごみとして出すよう案内しています。
ネズミの死骸の回収と消毒を業者に頼む範囲
自分で片付けられるのは、手が届く場所にある少量の死骸と、その周辺の清掃までが目安です。壁の中や天井裏、床下に入る作業、広い範囲の汚れ、ウジや臭いが続く状況は、専門業者の調査や作業を検討する場面です。静岡市は、自宅や事業所の敷地内の小動物の死体を市で収集できないとし、自分で処理できない場合は静岡県ペストコントロール協会への相談を案内しています。
業者に頼むときは、回収、清掃、消毒、消臭、侵入口の封鎖のどこまでが含まれるかを、見積もりの内訳で確認します。範囲の考え方は害獣清掃の見積書を比べるときの確認票と害獣駆除の消毒と消臭を分けて確認する方法で整理しています。賃貸住宅では、作業の前に管理会社や大家へ連絡します。
- 回収・清掃・消毒・消臭・封鎖が、見積書の内訳で分かれているか
- 壁や天井を開ける場合の復旧が含まれるか
- 再発を防ぐ侵入口の調査があるか
- 作業の前後の写真や報告が出るか






