ネズミは夜行性か|活動が増える時間帯

東京都の「行政担当者のためのねずみについてよくある質問&回答集」は、ねずみは一般的に夜行性であるが夜間を通して活動しているわけではない、と説明しています。屋内に生息するねずみは人に依存して生活しているため、人の生活パターンに左右され、人が寝静まった夜間や、留守で人が不在の時間帯などに活動することが多いとされています。目黒区も、基本的に夜行性で、家屋内では人が寝静まる頃に活動を始めると案内しています。

活動の時間帯が人のいない夜中なので、ネズミ本体を確認することは難しく、音、かじり跡、フン、足跡、体のこすり跡といったラットサインから場所を探す、と東京都の「都民のためのねずみ防除読本」は説明しています。「夜に音がするからネズミだ」と決めつけず、時間帯と場所を記録して、フンや痕跡と合わせて判断します。音の聞き分けはネズミの鳴き声はどんな音か、時間帯とフンで見分ける記事も参考になります。

ネズミは夜行性か|活動が増える時間帯:確認項目
観点資料の記載読み方
一日の行動一般に夜行性だが、夜間を通して活動しているわけではない(東京都)一晩中走り回っているとは限らない
屋内の個体の動き人の生活パターンに左右され、人が寝静まった夜間や留守の時間帯に活動することが多い(東京都)家族の就寝後や、外出中に音が出やすい
昼間の活動安全だと判断した場所では、昼間でも活動する場合がある(中野区・目黒区)昼の目撃だけで、大量にいるとは決められない
季節寒くなる10〜11月ごろに暖かい民家へ侵入し、相談件数が多くなる(東京都)秋から冬は、音や痕跡の変化に注意する

参考:東京都保健医療局|行政担当者のためのねずみについてよくある質問&回答集(PDF)

読者の疑問

ネズミは夜行性ですか?

比較ガイド

基本的に夜行性とされますが、夜通し動くわけではありません。東京都の資料は、屋内の個体は人の生活パターンに左右され、人が寝静まった夜間や人が不在の時間帯に活動することが多いと説明しています。

昼間のネズミはどこにいる?巣と通り道

昼間のネズミは、巣や隠れ場所で休んでいると考えられます。東京都の資料は、ネズミは人目に付きにくく暖かい場所に布切れや紙くずを集めて巣を作り、クマネズミは天井裏、あまり使わない押入、壁の中、冷蔵庫やテレビの後ろなどに巣を作るとしています。ドブネズミは地中に穴を掘って巣を作る傾向があり、公園やビルの緑地、歩道脇の植え込みが営巣場所になると説明されています。

目黒区は、住み付いてずっと家の中で生活すると思いがちだが、ほとんどの場合は屋内と屋外の出入りを繰り返し、行動範囲は半径10数メートル(隣の2〜3軒程度)と言われると案内しています。東京都の資料は、クマネズミの行動範囲を半径約30mぐらい、ドブネズミはもっと広いと言われると書いています。同じ家の中だけでなく、近隣や屋外の状況も確認の対象になります。

巣のある場所と、餌を食べる場所は別のことがある

東京都の資料は、ネズミは営巣場所と採餌場所を分けて生活できると説明しています。食べ物をしまっているのに入られる家は、専ら営巣場所として使われている可能性があるとされています。人がいなくて静かで、巣材になる衣類や紙が残っている空き家は、繁殖に向く場所になるとも書かれています。

昼間に見かけたときの考え方

昼間の目撃は、安全だと判断した場所での活動や、巣が近い可能性を示すことがありますが、頭数は目撃だけでは分かりません。目撃の時間と頭数を分けて考える方法は昼間にネズミを見たら大量発生かを判断する記事にあります。クマネズミとドブネズミでは、行動する高さや場所が違うと中野区が整理しています。

参考:目黒区|ネズミの被害を防ぐために!

電気をつけっぱなしにするとネズミは来なくなる?

「ネズミは明るい場所を避ける」と言われるため、電気をつけたままにすれば来ないのでは、と考える人がいます。京都府畜産技術センターの2018年の試験研究成績は、明るい環境を避ける習性を利用した侵入防止の可能性を、養鶏場の開口部対策のためにLED光源で調べています。実験は、遮光して3つをつなげた箱にクマネズミの成獣(雄)を入れ、LEDを照射して行動をビデオで観察する方法でした。

結果は、紫、青、緑に変えた点滅LEDでは照射による忌避効果は確認されず、光源の下で毛づくろいをしたり動き回ったりしていました。高照度の白色の点滅LEDでは、最初は光源に近づかない、うずくまって動かないなどの忌避行動が見られましたが、照射を10分以上続けると別の箱へ移り、光源側の箱へ一時的に入る個体もありました。報告は、高照度の照射は最初は忌避効果があっても、長時間では慣れが起こり弱まると考えられるとまとめています。

この試験は養鶏場の開口部を想定した箱の実験で、住宅の天井裏や台所で同じ結果になるとは限りません。報告の農場調査では、8農場中7農場が、対策はしているが完全に侵入を防止することは困難と答えています。明るさだけで侵入や住みつきが止まるとは、これらの資料からは言えません。電気をつけたままにするより、餌を断ち、侵入口をふさぐ対策を優先します。

電気をつけっぱなしにするとネズミは来なくなる?:確認項目
実験や調査の条件観察された行動・回答家庭での読み方
紫・青・緑の点滅LED忌避効果は確認されず、光源の下で毛づくろいや動き回りも見られた光の色を変えることは、決め手にならない
高照度の白色の点滅LED(照射の直後)光源に近づかない、うずくまって動かないなどの忌避行動一時的に反応することはある
高照度LEDを10分以上照射別の箱へ移動し、光源側の箱へ一時的に入る個体もあった慣れが起こり、忌避効果は弱まると考えられている
京都府内8農場の聞き取り7農場が、対策はしているが完全に侵入を防止することは困難と回答一つの対策だけで防ぐことは難しい

参考:京都府畜産技術センター|LED光源を用いたネズミの鶏舎の侵入防止対策について(試験研究成績第13号、2018年、PDF)

ライトや光を使った対策の位置づけ|ネズミ駆除 ライト

ライトや光は、ネズミ対策の中心にはなりにくく、補助や調査の道具として位置づけるのが現実的です。上の実験のように、高照度の光に最初は反応しても、慣れが起こる可能性があります。光を出す機器を買う場合は、効果の根拠と使用場所の表示を確認し、餌や侵入口の対策の代わりにしないでください。超音波などの機器についてはネズミ用の超音波などの機器を買う前に効果を確かめる記事で扱っています。

ライトは、痕跡を探す点検の道具としては役に立ちます。ただ、天井裏や高所の確認には転落などの危険があります。東京都の資料は、防そ修繕のうち天井裏や高所などの危険な場所は、専門業者に依頼する方がよい場合もあると説明しています。ライトで確認するのは、床や壁際、点検口から見える範囲までにとどめ、無理に入り込まないでください。

  • 壁際や配管の周りを斜めから照らし、黒いこすり跡やフンを探す
  • 点検口から見える範囲だけを確認し、天井裏や床下には入り込まない
  • 見つけた場所を写真に撮り、日付を付けて残す

参考:東京都福祉保健局|都民のためのねずみ防除読本(平成24年4月発行、PDF)

夜の物音を記録する方法|時間帯・場所・音の種類

夜の物音は、記録を取ると、ネズミの出入りの時間帯や通り道を絞り込めます。東京都の防除読本は、音、かじり跡、フン、足跡、体のこすり跡をラットサインとし、足跡やこすり跡はネズミの体の脂分と汚れが通り道に付着してできる黒光りした跡だと説明しています。新宿区は、床に小麦粉を薄くまいて足跡から侵入経路を確かめる方法も紹介しています。

中野区は、木をかじるカリカリ、ガリガリという音、天井裏で走り回るドドド、バタバタという音、断熱材のある屋根裏を走り回るカサカサという音、チューチュー、キーキーという鳴き声を、ネズミがいる可能性が高い音として挙げています。記録は数日続けます。一晩だけでは、たまたまの音か、習慣的な動きかが分かりません。一晩のメモの作り方は夜間の天井の音を記録する方法に詳しくまとめています。

夜の物音を記録する方法|時間帯・場所・音の種類:確認項目
記録する項目書き方の例相談時に伝わること
日付・時刻・長さ10月3日 午前2時ごろ、約10分活動の時間帯と頻度
音のする場所寝室の真上の天井、台所の壁の中通り道や巣の候補
音の種類走る、かじる、引きずる、キーキーと鳴くネズミ以外の動物との区別の手がかり
そのときの状況食品を出したまま寝た、暖房をつけた、雨だった餌や気温との関係
痕跡壁際の黒い汚れ、フン、かじり跡の位置と写真侵入口と餌場の候補

参考:中野区|ネズミの被害にご注意を

夜の活動を減らすための餌・侵入口の対策

夜の活動を減らす近道は、夜に出てくる理由をなくすことです。日本ペストコントロール協会は、エサを与えないことを一番重要な対策とし、特に夜間は屋内外の食品やごみ箱を片付け、ペットのエサも夜間はきちんと収納するよう案内しています。東京都の防除読本も、仏壇のお供えや花は夜には片付ける、野鳥の餌台の餌は夜間に片付けると例を挙げています。

夜になる前に片づける物

就寝前の数分で片づけられる物が、夜の餌場を減らします。家族の間で、片づける物と担当を決めておくと続けやすくなります。

  • 食品は、ふた付き容器や戸棚、冷蔵庫へ。ビニール袋やダンボールはかじられる
  • 生ごみは、ふた付きの容器に入れてふたを閉める
  • ペットの餌は食べきれる量にし、残りを放置しない
  • お供え物や、野鳥の餌台の餌は夜に片付ける

侵入口と巣の材料

京都市は、1cm以上の穴やすき間がないか点検し、モルタルやパテ、金属板、目の細かい金網、金属たわしでふさぐよう案内しています。東京都の資料は、クマネズミは1.25cmのすき間があれば通り抜けられると説明しています。巣の材料になる紙や布は、収納ケースに入れるか、不要なものを処分します。ふさぐ順番や寸法、固定の方法は防鼠金網ですき間を直す前の確認で、相談の前に確認できます。

参考:公益社団法人日本ペストコントロール協会|有害生物情報 ネズミ駆除

夜の物音が続くときの相談先と目安

対策をしても夜の物音が続くときは、原因を調べる段階です。自治体の保健所や衛生担当がネズミの相談を受ける例があり、新宿区は、区では駆除を行わず、駆除方法の相談を受け、業者の団体である東京都ペストコントロール協会を案内しています。日本ペストコントロール協会のページには、都道府県協会のページから相談できる案内があります。業者に頼むと何をしてもらえるのかと、再発しやすい契約の見分け方は、ネズミ駆除業者に頼むときに確認したい作業範囲で整理しています。

音の記録、フンや黒い汚れの写真、食品や薬剤の使用状況を渡すと、調査の範囲を相談しやすくなります。天井裏の調査を頼むときの伝え方は天井裏のネズミを疑ったときの調査の頼み方にまとめています。調査から経過確認までの流れと、期間が延びる条件は、ネズミ駆除にかかる日数と流れで確認できます。

参考:新宿区保健所|ねずみにお困りの方へ