羽アリが飛ぶ時期の早見表|シロアリ3種とクロアリ類を月・時間帯で比べる
羽アリは新しい巣をつくる王と女王の候補で、巣から一斉に飛び出す月や時間帯は種類ごとにほぼ決まっています。本稿では、シロアリ以外の一般的なアリを「クロアリ類」と呼びます(実際の体色は黒に限りません)。日本しろあり対策協会は、群飛の時期や時刻に注意しておくと、シロアリの種類の判別にも役立つと案内しています。下の表は、協会、東京都、横浜市、川崎市などの公開資料に書かれた月と時間帯を、1枚にまとめたものです。
資料によって月の表記が少し違う種類もあります。たとえばアメリカカンザイシロアリは、協会が6〜9月、東京都が5〜9月としています。表では幅の広い方を書いていますので、地域や年ごとの天候で前後することがある目安として使ってください。表の内容は2026年10月時点で公開されている資料の記載です。
| 種類 | 飛ぶ月の目安 | 時間帯 | 灯りへの反応・特徴 |
|---|---|---|---|
| ヤマトシロアリ | 4〜5月(沖縄は2月ごろ、東北・北海道は6月ごろ) | 昼間。雨上がりで晴れて風のある日に多い | 明かりに集まる習性はない |
| イエシロアリ | 6〜7月 | 夕方から夜。夜間にも飛ぶ | 電灯の明かりに集まる |
| アメリカカンザイシロアリ | 5〜9月(協会の表記は6〜9月) | 昼間。数回ずつ何度も飛ぶ | 外来種。乾いた木材の内部で生活する |
| ダイコクシロアリ | 5〜8月 | 夜。少数ずつ飛ぶ | 電灯に集まる。分布は奄美大島以南 |
| クロアリ類(ふつうのアリ) | 5〜10月ごろが中心。名古屋市の例では11月までの種類もある | 種類により異なる。川崎市は蒸し暑い夕方の例を挙げている | 灯りに集まって屋内に入ることがある |
参考:日本しろあり対策協会|羽アリが飛ぶ時期はいつごろですか?
羽アリは何月ごろに出ますか?
シロアリの羽アリは、ヤマトシロアリが4〜5月の昼、イエシロアリが6〜7月の夕方から夜、アメリカカンザイシロアリが6〜9月の昼が目安です(日本しろあり対策協会)。クロアリ類の羽アリは5〜10月ごろを中心に、種類ごとに別の月に飛びます。
昼に飛ぶ羽アリと、夕方から夜に灯りへ来る羽アリの違い
時間帯でまず分かれるのは、昼間に飛ぶ種類と、夕方から夜に飛んで明かりへ集まる種類です。協会の案内では、ヤマトシロアリとアメリカカンザイシロアリは昼間、イエシロアリとダイコクシロアリは夜に飛ぶとされています。横浜市衛生研究所は、ヤマトシロアリには明かりに集まる習性がなく、イエシロアリには明かりに集まる性質があると説明しています。
昼に見る羽アリ|春はヤマトシロアリ、夏はアメリカカンザイシロアリも
5〜6月に洗面所や風呂場の窓際へ羽のある虫が群がる場面は、横浜市も例に挙げています。この時期はヤマトシロアリの群飛と、クロアリ類の結婚飛行が重なるため、見た目の似た虫が同時に出ることがあります。横浜市は、最初に疑われるのはシロアリでも羽アリの可能性もあるとして、慌てずに特徴を確かめるよう案内しています。湿気の多い場所と木材の傷みをあわせて見る考え方はヤマトシロアリが疑われるときにあります。
夏の昼間(6〜9月ごろ)の羽アリは、アメリカカンザイシロアリの可能性も残します。東京都は、この種類が地面から入るのではなく、羽アリが住宅へ直接入り込み、屋根裏や壁の中、家具などで繁殖すると説明しています。窓枠や家具の下に砂粒のような粒が落ちていないかを、あわせて見てください。詳しくはアメリカカンザイシロアリを疑う粒に整理しています。
夕方から夜に見る羽アリ|灯りに集まる種類が多い
夕方から夜の羽アリは、玄関灯、窓の明かり、室内の照明に集まる形で見つかります。東京都はイエシロアリの羽アリを、6〜7月ごろの夕方に多く、夜間にも飛ぶとしています。協会は、イエシロアリが乾いた木材にも水を運んで加害し、被害が建物全体に及ぶと説明しています。分布する地域では、見つけた一室だけで考えず、調査の範囲を決める必要があります。考え方はイエシロアリの相談で確認したいことで扱っています。
クロアリ類にも夕方に飛ぶ種類があります。川崎市は、6月下旬から9月ごろの蒸し暑い夕方に結婚飛行が行われ、多くの羽アリが家の灯りに集まって屋内にも入ると案内しています。夕方から夜に灯りへ来たという情報だけでは、イエシロアリかクロアリ類かは分かれません。
秋に出る羽アリは何か|9〜11月に見たときの考え方
秋に見る羽アリについて、今回確認した資料では、協会が示すシロアリ4種の群飛期は9月までで、10月以降の群飛期が書かれたシロアリはありませんでした。このため秋の羽アリは、クロアリ類である可能性が高まる時期と考えられます。ただし9月はアメリカカンザイシロアリの時期と重なるため、断定はしません。
名古屋市衛生研究所の「アリ類」のページには、種類ごとの羽アリの月が書かれています。この節の最後の表は、その中から春から秋にかけての例を抜き出したものです。名古屋市の資料に基づく例で、全国どこでも同じ月とは限りません。
9月まで|アメリカカンザイシロアリの可能性を残す
協会はアメリカカンザイシロアリを6〜9月の昼間、東京都は5〜9月の日中に飛ぶと案内しています。9月の昼間に羽アリを見て、窓枠や軒下、家具の下に砂粒状の粒が落ちている場合は、この種類を疑う材料になります。協会によれば、乾材シロアリは特別に水を必要とせず、乾燥した木材や家具の中で生活し、食べた穴から乾いた砂粒状の糞を出します。中野区は、アメリカカンザイシロアリに対応していない業者もあると案内しています。
9〜11月|クロアリ類の羽アリが目立つ例
名古屋市の資料では、キイロシリアゲアリの羽アリは9〜10月に出て灯火によく飛来し、サクラアリの羽アリは9〜11月に出て、近年は屋内で見つかることが増えていると書かれています。KINCHOも、アリは種類によって飛び立つ時期が違うため、真冬を除く一年中、何らかの種類の羽アリが出ていると説明しています。秋だから安心、春だから危ない、とは言い切れないということです。
- 秋の羽アリを見たら、まず羽が前後で同じ大きさか、胴にくびれがあるかを確かめる
- 9月の昼間なら、窓枠や家具の下の砂粒状の粒の有無もあわせて見る
- 月で決めず、写真と日時、場所を残して相談する
| クロアリ類の例(名古屋市の資料) | 羽アリが出る月 | 資料にある補足 |
|---|---|---|
| クロオオアリ | 5〜6月 | 住宅地や公園など開けた場所の地中に営巣する |
| クロヤマアリ | 6〜7月 | 働きアリは屋内にはあまり侵入しない |
| トビイロケアリ | 7〜8月 | 灯火によく集まるので家屋に入ることがある |
| キイロシリアゲアリ | 9〜10月 | 灯火によく飛来する |
| サクラアリ | 9〜11月 | 近年、羽アリが屋内で見つかることが増えている |
地域で時期がずれる理由|沖縄・九州から東北・北海道まで
協会はヤマトシロアリの群飛を4〜5月としたうえで、沖縄は2月、東北と北海道は6月ごろと補足しています。北海道立総合研究機構の林産試験場は、北海道では5月末から6月にかけて、特に雨上がりの温暖な午前中に見られると説明しています。並べると、南ほど早く、北ほど遅いことが分かります。
資料は時期がずれる理由までは説明していませんが、暖かい地域ほど早いという並びから、気温の違いが関係していると考えられます。雨上がりなど天候にも左右されるため、同じ地域でも年によって前後すると考えておくと安心です。
| 地域 | ヤマトシロアリの群飛の目安 | 資料に書かれていること |
|---|---|---|
| 沖縄 | 2月ごろ | 協会のQ&Aが、沖縄は2月と補足している |
| 関東・関西(本州) | 4〜5月 | 東京都、横浜市、川崎市が4〜5月と案内している。大阪市の資料は4〜6月としている |
| 九州・四国 | 確認した資料に個別の月の記載なし | 地元の協会団体や保健所で確認する |
| 東北 | 6月ごろ | 協会のQ&Aが、東北・北海道は6月ごろと補足している |
| 北海道 | 5月末〜6月 | 林産試験場が、雨上がりの温暖な午前中に見られると説明している |
- ヤマトシロアリは北海道北部を除く日本全土に分布する
- イエシロアリは神奈川県以西の海岸線に沿った温暖な地域、千葉県の一部、南西諸島などに分布する
- ダイコクシロアリは奄美大島以南に分布する
- 東京都は、イエシロアリは比較的低温に弱く、島しょ部を除く都内では稀としている
時期だけで種類を決めない|羽・胴・触角の3点で確かめる
春の4〜5月はシロアリの羽アリとアリの羽アリが同時に出るため、月だけでは決められません。協会は、触角、翅、腰の3点で簡単に見分けられると案内しています。大阪市西区は、シロアリの羽アリは黒っぽい色をしているため普通のアリと間違われやすいと説明しており、体の色だけで判断しないようにします。
| 確認する部分 | シロアリの羽アリ | アリの羽アリ |
|---|---|---|
| 触角 | 真珠のネックレスのように連なる数珠状で、まっすぐ | 「く」の字に曲がる |
| 翅(羽) | 4枚ともほぼ同じ大きさ・同じ形 | 前の羽が後ろの羽より大きい |
| 胴 | くびれがなく寸胴 | 腰の部分が細くくびれている |
| 体の色 | 黒っぽい(白くはない) | 濃い黒から赤褐色まで多様で、色だけでは区別しにくい |
羽アリを見た月ごとの次の行動|記録と調査の相談
協会のQ&Aには、毎年5月ごろに羽アリが出る家について、シロアリの羽アリにほぼ間違いないので専門業者に見てもらうよう勧める回答があります。ゴールデンウィーク中に玄関前へ羽アリの死骸が数匹落ちていた例では、念のため建物を点検してもらうよう案内しています。月ごとの行動は、この考え方に沿って整理できます。
触角は小さく、肉眼では確かめにくいものです。羽が取れた虫やつぶれた虫では比べられないため、その場合は「比較できなかった」とそのまま書き、写真と一緒に相談します。シロアリと分かったあとの種類は、協会によれば被害箇所の兵アリの頭の形で判定するのが最も確実とされ、羽アリの月や時間帯は補助の情報として扱います。写真の残し方は羽アリが出たら何を残す?にまとめています。
| 見た時期 | まず考える候補 | 残す記録 | 次の行動 |
|---|---|---|---|
| 2月ごろ(沖縄)・4〜5月の昼 | ヤマトシロアリ。同じ時期に飛ぶクロアリ類 | 場所、天気、窓際か水回りか。羽・胴・触角の写真 | シロアリの可能性があれば点検を相談。判断できなければ写真つきで保健所や協会窓口へ |
| 6〜7月の夕方から夜 | イエシロアリ。灯りに集まるクロアリ類 | 灯りの位置、窓や網戸の状態、室内へ入った経路 | 床や木枠の近くで見つかった場合は調査を相談 |
| 6〜9月の昼 | アメリカカンザイシロアリ。クロアリ類 | 窓枠、軒下、家具の下の砂粒状の粒の有無 | 粒が続くときは、この種類を扱える業者かを確かめて相談 |
| 9〜11月 | クロアリ類の例が挙がる時期 | 羽・胴・触角の写真、出た場所 | シロアリの特徴がなければ屋内への侵入経路を確認。判断できなければ写真を添えて相談 |
- 大量に出たときの切り分けは羽アリが大量発生したらで整理している
- 殺虫剤を使う前の確認は羽アリの駆除は自分でできる?で整理している




