鳩が屋根の上に止まる理由|見張り・休憩・営巣を分けて考える

大阪府は、ドバトがベランダなどに降りるとき、いったん手すりなどに止まって安全を確かめる習性があると説明しています。屋根の棟やアンテナ、雨樋は、周囲を見渡せて下の様子も確かめやすい場所です。そこに鳩が並んで見えるときは、下のベランダや庭、近くの餌場を狙っている可能性があります。

ドバトは、雨の降り込まない棚状の場所にねぐらや巣を作り、繁殖期は早春から初冬まで何度も子育てをします。屋根でこれに当たりやすいのは、軒下や瓦のすき間です。日本鳩対策センターの公式ショップは、太陽電池モジュールと屋根面の隙間に鳥が巣を作る事例が報告されていると案内しています。大阪府は、ドバトが糞のある場所を安全と判断するようで、放置するとますます集まるとも説明しています。

神戸市は、ハトが巣を作っている場所や寝泊まりしている場所は、ハトの執着心が高い場所と推測できると案内しています。集合住宅では、住人の一部の餌付けや、空き部屋のベランダへのハトの出入りが、建物全体にハトを呼ぶことがあるとも書かれています。屋根だけを見て原因を決めず、建物の周りの状況も併せて確認します。

見張り・休憩の段階の見分け方

日本鳩対策センターの公式ショップは、被害を休憩・待機・ねぐら・巣作りの4段階に分けています。休憩の段階は、滞在時間が短く、比較的明るい時間帯にしか来ず、糞も少ないとされます。屋根の上で短時間だけ見かけ、日が暮れる前にいなくなるときは、この段階に近いと考えられます。この分類は販売元の整理で、公的な基準ではありません。

ねぐら・営巣の段階の見分け方

夕方から夜も同じ場所にいる、小枝などの巣材を運び込む、軒下や瓦のすき間へ出入りを繰り返すときは、ねぐらや営巣の段階を疑います。巣の初期の見分け方はハトが小枝を運んでいるときの確認にあります。卵やヒナがいる可能性があるときは、近づかず、離れた位置から様子を記録します。

参考:大阪府|ドバトでお困りの方へ

読者の疑問

鳩が屋根の上にいるだけなら、放置してもよいですか?

比較ガイド

短時間の休憩や見張りなら、まず記録を取って様子を見ます。夕方から夜も居る、小枝を運ぶ、軒下やパネル下へ出入りするときは、ねぐらや営巣の段階を疑い、管理者や業者へ相談します。

屋根の上のどこにいるか|棟・アンテナ・雨樋・軒下・太陽光パネルを地上から確認する

確認は、敷地内の安全な地上や、窓、ベランダの内側から行います。双眼鏡やスマートフォンのズームを使い、朝、昼、夕方から夜の時間帯を変えて、2〜3日続けて見てみましょう。羽数、止まっている位置、出入りする場所を写真と日付で残すと、あとで業者や管理者に伝えやすくなります。屋根に上がって確かめる必要はありません。

下の表は、屋根の場所ごとに、地上から見える手がかりと、考えられる鳩の使い方、記録することを並べたものです。ドバトが手すりに止まって安全を確かめることや、雨のかからない棚状の場所に巣を作ることを、屋根に当てはめた当サイトの整理で、公的資料が屋根の場所ごとに示しているものではありません。軒や屋根のすき間の見方は軒や屋根のすき間を地上から確認する方法、パネルの下は太陽光パネルの下に鳥が出入りするときも参考になります。

電線に止まる場合は、相談先が自治体で違います。さいたま市のFAQは、自宅の敷地上の電線への対策は電力会社やNTTなどが対応するため状況に応じて相談すること、道路上の電線や樹木に鳥が止まることによる糞害は道路管理者へ相談することを案内しています。自分の家の屋根の問題と、電線や隣家の問題を分けて考えると、連絡先を間違えにくくなります。

屋根の上のどこにいるか|棟・アンテナ・雨樋・軒下・太陽光パネルを地上から確認する:確認項目
場所地上から見える手がかり考えられる使い方記録すること
棟(屋根の頂部)頂部に鳩が並ぶ。屋根面にフンの筋が流れている見張り・休憩羽数と時間帯、フンが付いている位置
アンテナ・金具などの突起突起の下の壁やベランダ側に、フンが落ちている安全を確かめる止まり木突起の種類と、フンの落ちる位置
雨樋・軒先樋の上に止まる。羽毛や小枝が樋の口からのぞく休憩、巣材の運び込み羽毛・巣材の有無と、雨のときの水のあふれ
軒下・瓦のすき間軒の下へ出入りする。すき間から小枝やフンが見える営巣の疑い出入りする時刻と回数。卵やヒナは近づいて確かめない
太陽光パネルの縁と屋根面の隙間パネルの端から出入りする。下端にフンや羽毛が付く営巣・ねぐら出入りする位置と時間帯。発電量の変化に気づいた日
電線・隣家の屋根電線や隣の屋根に群れる。自宅の敷地に降りてくる見張り・待機場所の持ち主(電力会社、隣家、道路管理者など)

参考:さいたま市FAQ|カラスやハトが自宅敷地上の電線やベランダに止まり困っています。

屋根の鳩で起きる被害|フン・雨樋・鳴き声と健康への注意

大阪府は、ドバトの苦情として、手すりやひさしに群れで来て、糞や羽毛で辺りを汚し、鳴き声がうるさいことを挙げています。巣を作られると、まわりが汚れ、ダニや羽虫が発生することもあります。堺市の案内にも同様の苦情があり、オウム病やクリプトコッカス症(主に乾燥したふんを吸い込むことによる)にならないかという心配も、よくある相談として挙げられています。

雨樋や屋根材への影響について、今回確認した省庁や自治体の資料には、雨樋の詰まりや屋根材の傷みを具体的に示す記述は見つかりませんでした。巣材や羽毛、フンが樋にたまれば、水の流れを妨げるおそれは一般に考えられます。ただ、実際の状態は屋根の形や状態で違います。雨のときに水があふれる、軒先が汚れるといった変化を日付つきの写真で残し、屋根工事会社や防鳥業者に点検を頼んで確かめてください。

健康面では、厚生労働省の動物由来感染症ハンドブックが、免疫力が低下している人は、ハトなど鳥類の糞が堆積している所に近づかないよう書いています。屋根の上や樋の中の糞は、高所作業と粉じんの二つの問題があるため、自分で掃除しません。咳や発熱などが気になるときは、診断を自分で決めず、医療機関や保健所に相談してください。

参考:堺市|カワラバト(ドバト)でお困りの方へ

鳩対策のために屋根に上らない理由|高所作業の危険と見積もりに入れる安全対策

厚生労働省の「職場のあんぜんサイト」には、屋根の作業で起きた労働災害の事例が載っています。鉄骨平屋の工場で、雨漏り箇所の修繕のためにスレート屋根の上で作業していた人が、屋根を踏み抜き、約5メートルの高さから墜落して亡くなった事例です。原因として、踏み抜きを防ぐ措置を取っていなかったことと、保護帽をかぶっていなかったことが挙げられ、対策として歩み板の設置、防網と親綱、安全帯の使用が示されています。

労働安全衛生規則は、事業者が労働者に作業させる場合のルールとして、高さ2メートル以上の場所では足場などの作業床を設けること、設けられないときは防網や墜落制止用器具を使うことを定めています。スレートなどでふいた屋根では、幅30センチメートル以上の歩み板を設け、防網を張るなど踏み抜きの対策も必要です。強風、大雨、大雪などの悪天候で危険が予想されるときは、作業をさせてはならないとも書かれています。この規則は住宅の持ち主が自分で屋根に上る場合の規則ではありません。ただ、専門の事業者にも守るべき基準がある高さの作業だと知っておく目安になります。

自分でできるのは、地上や窓、ベランダの内側から見える範囲の観察と記録までです。はしごで屋根へ上がる、ベランダの手すりの外側へ身を乗り出すといった作業は行いません。自分で対応できる範囲は鳩駆除を自分でする方法で段階別に整理しています。

  • 屋根の上の観察は、地上・窓・ベランダの内側から行う
  • 見積もりに、足場・高所作業車・墜落制止用器具の扱いが書かれているか確かめる
  • 雨・風・雪の日の作業予定や、延期の条件を事前に聞く

参考:厚生労働省|職場のあんぜんサイト 労働災害事例(スレート屋根の踏み抜き・墜落、No.101379)

屋根でできる鳩の防鳥方法と建物への影響

屋根の防鳥は、止まれなくする、入れなくする、においなどで避けさせる、の3つの系統に分けられます。屋根の形で適した施工が変わるため、日本鳩対策センターの公式ショップは、太陽光パネルの鳥害対策セットを平屋根用と瓦屋根用に分けて用意しています。どの方法も、固定の仕方によって建物への影響が変わります。

ダスキンの鳩対策サービス(ベランダ向け)の案内では、ネットを速乾性の接着剤で取り付けて穴を開けない方式や、梁や桟に針状のピン(剣山)を設置する方法が紹介されています。屋根にそのまま当てはまる施工ではありませんが、固定の方法で建物の傷み方が変わる例として参考になります。下の表の「確認すること」は、見積もりや説明で業者に尋ねる質問として使ってください。

屋根でできる鳩の防鳥方法と建物への影響:確認項目
方法屋根で防ぐ仕組み建物への影響として確認すること向く場所の例
剣山(スパイク)止まる面を針状のピンでふさぐ固定が接着か穴あけか。瓦や棟への荷重と、破損の有無。雪の積もる地域での取り付け方棟の上、アンテナ周り、雨樋の縁
ワイヤー・テグス細い線を張り、止まるときの足場をなくす支柱の固定位置。風や雪の負荷。切れた線が落ちないか棟、金具などの突起
防鳥ネット巣を作る隙間や空間を面でふさぐ端の固定と隙間。雨水や落ち葉の流れ。点検口の確保。パネルの下の通気や点検への影響軒下、パネルの縁と屋根面の隙間
忌避剤(ジェルなど)触感やにおいで止まる気を減らす雨で流れないか。塗装面への影響。取り除くときの手間。居ついた場所では効きにくい棟や樋の縁。居ついていない初期の段階

参考:ダスキン|ハト飛来防止サービス(鳩対策)

近所の餌やりなど周辺の要因への対応

大阪府は、ドバトは繁殖力が強く天敵も少ないため、すぐ増えてしまうと説明しています。公園などで餌を与える人と近隣住民とのトラブルが多発していることから、エサを与えることをやめるよう呼びかけています。屋根の鳩の数が減らないときは、自宅の対策だけでなく、周辺に餌場がないかも確認します。

餌やりを条例で規制する自治体もあります。板橋区は、ハト等への給餌による被害防止条例を令和7年4月1日から施行しています。大田区は、令和4年4月1日から、公共の場所でのハト・カラスへの給餌を禁止し、被害を生じさせた場合は指導を行い、従わない場合は過料5,000円を科す場合があると案内しています。こうした条例がある自治体は一部で、窓口や内容はお住まいの市区町村で確認が必要です。

餌やりを見かけたときは、本人へ直接注意すると関係が悪くなりやすいため、日時と場所、様子を記録して、管理者や自治体の窓口へ伝えます。自宅の庭やベランダの置き餌、こぼれ餌、水の使い方の見直しはハトが集まる庭とベランダの見直し、自治体への相談の考え方は鳩の駆除は市役所に頼めるのかにあります。

参考:大田区|大田区ハト・カラスへの給餌による被害防止条例

業者・屋根工事会社へ頼むときの見積もりの確認

屋根の補修が必要なときは屋根工事会社、鳩の習性や巣の扱いは防鳥の専門業者、と相談先が分かれることがあります。どちらに頼む場合も、屋根への固定や高所作業が含まれるため、見積書に作業の中身が書かれているかを確かめます。「一式」とだけ書かれているときは、見積書の内訳の頼み方を参考に、項目ごとの説明を求めましょう。

下の表は、屋根の鳩対策で、見積もりや説明の際に確認したい項目です。出張費や高所作業費が別になるかどうかは出張費・高所作業費の確認メモ、複数社を比べるときは相見積もりの比較手順が役立ちます。

業者・屋根工事会社へ頼むときの見積もりの確認:確認項目
確認項目見積書・説明で確認すること確認する理由
調査の範囲棟・軒下・雨樋・パネル下のどこまでを調べ、写真で報告するか地上から見えない場所の状態を、記録で確かめるため
高所作業の方法足場・高所作業車・墜落制止用器具・歩み板の扱いと、費用に含まれるか屋根の作業は、踏み抜きや墜落の対策が前提になるため
固定の方法接着か穴あけか。屋根材や、屋根・パネルの保証への影響雨漏りや保証の問題を、施工前に避けるため
巣・卵・ヒナの扱い卵やヒナの有無の確認方法と、いた場合に巣立ちまで待つか卵やヒナのいる巣は、許可なく撤去できないため
清掃・消毒の範囲フンの除去の範囲、処分の方法、使う薬剤作業の範囲と費用を、施工と分けて比べるため
保証と再訪保証の範囲と期間、台風や積雪などの免責、鳩が戻ったときの対応施工後に鳩が戻る場合の費用負担を、先に知るため

参考:e-Gov法令検索(デジタル庁)|労働安全衛生規則(第518条・第519条・第522条・第524条ほか)