自分で鳩駆除を始める前に確認すること|巣・卵・ヒナ・建物のルール・体調

最初に確認するのは、鳩がどこにいるかではなく、巣に卵やヒナがないかです。大阪府は、鳥の巣を撤去する場合は必ず巣の中を確認し、卵やヒナがいる場合は撤去できず、巣立ちまで見守って巣立ち後に撤去するよう案内しています。巣に近づきすぎず、離れた位置から目で確認し、見えにくいときは作業を止めて相談に切り替えます。

次に、建物のルールを確認します。分譲マンションのバルコニーは専用使用権のある共用部分で、賃貸は貸主の建物です。テグスやネットでも、外壁や手すりへの固定、外観の変更に承諾が要ることがあります。ネットを付ける場合の承諾の取り方は、後の項目でも触れます。

体調の面では、大阪市のページが、健康被害の心配として、乾燥した糞を吸い込むことによるクリプトコッカス症、鳥類との接触によるオウム病、アレルギーを挙げています。厚生労働省のハンドブックには、免疫力の低下している人は鳥の糞が堆積している場所に近づかないよう書かれています。糞が大量にある場所の掃除や、体調が気になるときは、自己判断せず医療機関や保健所に相談してください。

  • 巣があるか、中に卵やヒナがいるかを、離れた位置から確認する
  • 分譲・賃貸の場合は、管理規約や貸主の承諾が必要かを確認する
  • 糞の量が多い場所や、屋根の上・高所にある場所は、自分で作業しない
  • 免疫力が低下している人や、体調に不安がある人は、作業を家族や業者に任せる

参考:大阪府|野鳥が巣を作ったときの対応

読者の疑問

鳩駆除は自分でできますか?

比較ガイド

清掃、手すりのテグス、餌や巣になる場所を減らす工夫、承諾を得たうえでの防鳥ネットなど、寄せつけない対策は自分でできます。鳩を捕まえる、毒餌を使う、卵やヒナのいる巣を撤去する、高所で作業することは自分ではできません。

被害の段階別フロー|フンが少しある段階から卵・ヒナがある段階まで

鳩の被害は、フンが少しある段階から、巣・卵・ヒナがある段階へ進みます。大阪府と大阪市は、ドバトが群れで行動し、雨の降り込まない棚状の場所にねぐらや巣を作り、繁殖期が早春から初冬までと長いと説明しています。段階を見極めるほど、自分でできる範囲と任せる範囲を分けやすくなります。

段階は一方向に進むとは限りません。毎日来る場所に巣材が足されたり、清掃後に別の場所へ移ったりするため、変化を見つけたら写真と日付を残して段階を見直します。初期の巣作りの見分け方は、ハトが小枝を運んでいるときの確認で整理しています。

被害の段階別フロー|フンが少しある段階から卵・ヒナがある段階まで:確認項目
段階見える状態の目安自分でできること自分でしないこと・切り替え
1 フンが少しある手すりやひさしにフンが数か所。鳩は見かける程度フンの清掃、手すりのテグス、置き餌やこぼれ餌の見直しフンを残したまま様子を見ない。近隣の餌やりが疑われるときは管理者へ
2 毎日来る決まった時間に同じ場所へ来て、フンが毎日増える清掃を続け、止まる場所への対策を足す。ネットは承諾を確認してから検討追い払いだけを続けない。高所や広い面積は業者に見積もりを依頼
3 夜もいる夜や早朝にも同じ場所に留まり、鳴き声や羽音がする清掃と、室外機の裏や隅など棚状の場所を空ける。時間・場所・写真を記録ねぐらに近づく作業や、夜間の高所作業はしない。管理者や業者に調査を依頼
4 巣材がある小枝などが集まり、巣作りが始まっている。卵はまだ見えない卵やヒナがいないことを確認できれば、巣作りの初期に巣材を除く(自治体の案内)確認できないときは触らない。許可が必要な行為や高所は任せる
5 卵・ヒナがある巣に卵やヒナがいて、親鳥が出入りする触らず、近づきすぎない。巣立ち後に巣材を除く。管理者に連絡巣の撤去、卵の採取、追い払いはしない。許可が絡むときは自治体へ相談

参考:大阪府|ドバトでお困りの方へ

清掃→止まれなくする→入れなくする|自分でできる順序

自分で行う対策は、清掃、止まれなくする工夫、入れなくする工夫の順に進めると無理がありません。大阪市と大阪府は、ドバトが糞のある場所を安全と判断するようで、糞を放置するとますます集まるため、こまめな掃除でベランダを清潔に保つよう案内しています。

1 清掃:糞を放置しない

乾いた糞は吸い込まないことが基本です。厚生労働省のハンドブックは、オウム病がドバトなどの糞に含まれる菌を吸い込むことでも感染すると説明し、鳥のケージを掃除するときはマスクや手袋を着けるよう書いています。ベランダでもマスクと手袋を着け、乾いた糞を舞い上げないように気をつけて回収し、自治体のごみの出し方に従って処分します。消毒薬などを使う場合は、製品の表示に従います。量が多い場所、屋根や高所、巣材の多い場所は、自分で片づけず業者に任せます。位置の記録はベランダにフンらしきものを見つけたときの記録と相談が参考になります。

2 止まれなくする:テグス法

大阪府は、ドバトがベランダに降りる前に、手すりへいったん止まって安全を確かめる習性に着目し、手すりの上にテグスやワイヤーを張って止まれなくする方法を紹介しています。同ページの例では、釣り用テグス3号から8号、またはステンレスワイヤー20番程度を、手すり上面から5〜6cmの位置にたるまないよう張り、幅の広い手すりでは約5cm間隔で並べます。広いベランダでは鳥が直接降りる場合もあり、これだけで足りるとは限りません。

3 入れなくする:防鳥ネットと隙間

横浜市は、ベランダなどには防鳥ネットを隙間なく張ると効果的だと案内しています。端の隙間や配管まわりが残ると、そこから出入りされます。承諾が取れていない場合、足場が必要な高さ、鳥が中にいる状態での閉じ込めは、自分でしないでください。工事に進む前の確認は、防鳥ネットを付けたいときの承諾と隙間の確認で整理できます。

参考:大阪市|ドバトについて

巣材や卵・ヒナがあるときの考え方|巣立ちを待って巣材を除く

巣作りを始めたばかりで卵がなければ、自治体は早めに取り除くよう案内しています。大阪市は、巣を作り始めたらすぐ取り除くこと、すでにヒナや卵があるときは巣立ってから巣材を取り除くことを案内しています。大阪府は、卵は16日から18日でかえり、ヒナは約30日で巣立つと説明し、横浜市は、孵化から巣立ちまでを約30日から40日程度としています。

巣立つまでの間と、巣立ち後にすること

巣立つまでの間は、巣やヒナに触らず、近づく回数を減らします。ベランダに出る用事があるときは、巣から離れた動線を決めます。巣立ち後に巣材を取り除いたら、同じ場所に再び作られないよう、清掃と、棚状の隙間や室外機の裏を空ける工夫を行います。日数は目安なので、いつ巣を除けるかの判断に迷うときは、管理者や自治体の窓口に確認してください。

卵やヒナのいる巣を撤去してはいけない理由

卵やヒナのいる巣を、迷惑だからと撤去したり、卵を捨てたりすることは、鳥獣保護管理法で原則禁止されています。大阪府は、捕獲や卵の採取には捕獲場所の市町村長の許可が必要と案内しています。管理者と自治体へ確認する点は、巣に卵やヒナがあるときの確認にまとめています。

参考:横浜市|カラス・ハトによる被害について

自分でしてはいけないこと|捕獲・毒餌・卵やヒナのいる巣の撤去・高所作業

鳥獣保護管理法の第8条は、鳥獣と鳥類の卵を、捕獲等や採取等(採取または損傷)してはならないと定め、許可を受けた場合などを例外にしています。違反には罰則の定めもあります。環境省は、被害が生じている場合などに、環境大臣または都道府県知事の許可を受けて捕獲できる仕組みだと説明し、多くの都道府県で権限の一部が市町村長に移されています。横浜市は、単に怖い、うるさいという理由では駆除できないとしています。

毒を使うことも、法律で制限されています。第36条は、爆発物、劇薬、毒薬を使用する猟法その他環境省令で定める猟法により、鳥獣の捕獲等をしてはならないと定め、許可を受けた場合などだけを例外とします。毒の入った餌を置く方法は、自分では行えません。

高所作業は、法律ではなく安全上の理由で、自分では行わない作業です。脚立の上や手すりの外側に身を乗り出す作業は転落につながるため、手の届く範囲を超える場所は、地上から写真を撮って業者や管理者に任せます。

自分でしてはいけないこと|捕獲・毒餌・卵やヒナのいる巣の撤去・高所作業:確認項目
してはいけないこと理由代わりにできること
手づかみ・網・かごなどで鳩を捕まえる許可のない捕獲等は法律で禁止されている手すりのテグス、ネット、清掃で寄せつけない
毒の入った餌や薬剤で殺す毒薬を使う猟法による捕獲等は法律で制限されている製品の表示の範囲で忌避剤を使うか、業者に相談する
卵やヒナのいる巣の撤去、卵を捨てること卵の採取・損傷は許可が必要な行為巣立ちまで見守り、巣立ち後に巣材を除く
屋根・梁・外壁など高所での作業転落の危険があり、足場や作業車が要ることがある地上から写真を撮り、業者や管理者に位置を伝える
他人の敷地や共用部分への無断の対策場所の所有者や管理者の判断になる管理会社や所有者に状況を伝え、承諾を得る

参考:e-Gov法令検索|鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律

効果が出ないときに見直す点

清掃も止まれなくする工夫もしているのに戻ってくるときは、集まる理由が残っていないかを見直します。大阪市は、ドバトが糞のある場所を安全と判断し、人の出入りが少ないベランダの隅やエアコン室外機の下・裏を好むと説明しています。その場所の清掃が不十分、棚状の空間が空いたままといった原因は見落とされやすいところです。

大阪府と大阪市は、巣を作りそうな場所に、動物忌避剤や木酢液などの臭いのする薬品を置く方法も紹介しています。薬剤は、製品の表示に従って使い、濃度の調整や混ぜ合わせを自己流で行わないでください。近隣の餌やりが原因のときは、個人で注意するより、管理会社や自治体に伝える方が角が立ちません。ハトが集まる庭とベランダの置き餌を見直す方法に、状況の整理の仕方があります。

  • 清掃が手すりの上だけで、隅・室外機の裏・排水口まわりのフンが残っている
  • テグスが、鳥の重さでたるんでいる(大阪府は、たるむと効果がないとしている)
  • ネットの端や配管まわりに、鳥が通れる隙間がある
  • 近隣の置き餌や、公園などでの餌やりが続いている
  • 室外機の裏や物置の隅など、人が入らない棚状の場所が空いたままになっている

参考:大阪市|ドバトについて

業者や窓口へ切り替える目安

自分で続けるか、任せるかの境目は、作業の安全、法律、建物のルール、効果の4点で考えます。高所や広い面積、巣・卵・ヒナ、承諾の取れない共用部分は、自分で解決しようとせず、先に窓口へ連絡します。業者を探すときは、鳩駆除業者の選び方で契約相手や保証の確認点を整理できます。見積書の単位や内訳の読み方は、費用の記事で扱っています。

大阪市は、どうしても被害の軽減が図れないときは、動物管理センター分室に有害鳥獣の捕獲許可を相談するよう案内しています。申請は土地の所有者か管理者、または依頼を受けた業者が行い、申請者が捕獲するとしています。横浜市は私有地での野鳥の駆除は行っておらず、自分の所有地以外で被害があるときは、その場所の所有者または管理者に相談するよう案内しています。窓口の対応は自治体で違うため、住んでいる市区町村に確認してください。

業者や窓口へ切り替える目安:確認項目
状況相談先渡す情報
分譲・賃貸のベランダで被害が続く管理会社、管理組合、貸主場所、頻度、写真、希望する対応
高所・屋根・外壁・太陽光パネルの下防鳥工事を扱う業者(高所作業の可否を確認)地上から撮った写真、建物の種類、フンの範囲
巣や卵、ヒナがある、または判断できない市区町村の野生鳥獣の担当、都道府県の担当部署巣の場所、見える状態、写真
被害が大きく、捕獲許可が必要かもしれない市区町村・都道府県の窓口(許可の制度と申請者を確認)被害の内容、場所、土地の所有者、これまでの対策
体調が気になる、免疫力が低い家族がいる医療機関、保健所糞の掃除の有無、症状と時期

参考:環境省|捕獲許可制度の概要