トコジラミのマットレス・ベッドフレームの点検順|縫い目・タグ・裏面から

マットレスは、寝ている人に最も近く、縫い目やファスナー、タグ、裏面の布の折り目など、薄いすき間が多い品物です。京都市は、ベッドやその周り、寝具の折り目や縫い目、マットレスのファスナーの折り目の中や縫い目にある薄茶色の抜け殻などを例に挙げ、厚生労働省の研修会資料は、マットレスの下やヘッドボードとの間のすき間を潜み場所に挙げています。

点検は、明るいライトを当てながら、寝ている人の頭・手・足に近い場所から外側へ進めます。白っぽいシーツや布の上では黒い血糞が、暗い色の素材では白い卵が見つけやすいと、大阪府は説明しています。見つけた痕跡は触らず、場所と日付を写真に残します。見分け方はトコジラミの卵の見た目と産む場所の表も使えます。虫や血糞を見つけたあとの確認の流れはトコジラミが疑わしいときの確認に整理しています。

トコジラミのマットレス・ベッドフレームの点検順|縫い目・タグ・裏面から:確認項目
順番場所見るもの・探し方
1マットレスの表面・縫い目・ファスナーの折り目・タグ黒い点(血糞)、白い粒(卵)、薄茶色の抜け殻。ファスナーの折り目の中も見る
2マットレスの裏面・側面・床や台との接触面布の折り目、裏地の縫い目、台との間。マットレスの下は潜み場所に挙げられている
3ベッドフレーム・ヘッドボード・脚つなぎ目、板の継ぎ目、裏のホチキス打ち部。ヘッドボードとマットレスのすき間
4枕・シーツ・掛け布団・マットレスパッド縫い目、折り目、ファスナー。寝具類は隠れ場所になりやすいと事業者も解説している
5ベッドの周り(壁際・カーテン・床・電気製品)壁と床のすき間、カーテンの山ひだ、壁掛けの裏、電気製品の下やコンセントまわり

参考:京都市|トコジラミ(ナンキンムシ)の知識(パンフレット・2023年10月更新)

読者の疑問

トコジラミがマットレスの中にいるか、どうやって調べますか?

比較ガイド

縫い目・ファスナー・タグ・裏面と、ベッドフレームのつなぎ目をライトで見て、黒い点や白い粒、薄茶色の抜け殻を探します。ただし内部にいるかの断定は難しいため、写真を撮って保健所や事業者団体に相談してください。

マットレスを捨てても再発する理由|捨てる場合と残す場合の比べ方

米国EPAは、トコジラミが出てもむやみに物を全部捨てないよう勧めています。ほとんどの物は処理して使い続けられ、捨てるのは費用がかかり、他の人の家へ広げるおそれがあり、ストレスも増えるという理由です。京都市のパンフレットも、カーテンに潜んでいたら被害は部屋全体に広がっていると考えるよう述べているように、潜み場所はマットレスだけではありません。

一方で、事業者のアサンテは、ベッドフレーム・マットレス・布団・枕は隠れ場所になりやすいため、思い入れのある品でなければ買い替えを検討するよう解説しています。京都市も、発生が多い備品は処理するより廃棄したほうが経費が安い場合があると述べています。捨てるか残すかは、被害の広がり、費用、運び出しの安全性で決める事柄で、一律の正解はありません。次の表で比べてください。

マットレスを捨てても再発する理由|捨てる場合と残す場合の比べ方:確認項目
比べる点捨てる場合残す場合
再発への影響マットレスは減るが、フレーム・壁際・畳・カーテンなど周囲の潜み場所が残れば再発する周囲の処理と合わせ、確認を続ければ使い続けられる
費用・手間廃棄の手数料や運び出しの手間がかかり、新しい寝具の購入も必要。処理より安い場合もある掃除機・熱・密封カバーなどの手間と購入費。処理が難しい物は、業者の熱処理を頼む場合もある
広げるリスク運び出しの途中で、虫や卵を廊下・階段・車へ広げるおそれがある処理中に別の部屋へ運ばない。袋や密封カバーで封じる
他の人への影響譲る・売る・路上に置くことは、他の家へ広げるおそれがある同居の家族全員の協力が必要。賃貸では備え付けかどうかを確認する
確認の期間新しい寝具に替えても、周囲の処理と点検は続ける密封カバーは1年つけたままにするよう、米国EPAが述べている

参考:米国EPA|Top Ten Tips to Prevent or Control Bed Bugs(熱処理などの注意)

トコジラミのマットレスを捨てる場合の運び出しと粗大ごみの手続き

捨てると決めたら、運び出しで広げないことと、自治体の手続きに沿って出すことを、同時に進めます。次の三つの点を順に確認してください。

運び出しで広げない

京都市は、被害のある部屋の寝具を直接廊下に置かないこと、抱きかかえないことを求めています。事業者のアサンテは、家具や家財を持ち出す・捨てるときは、養生用のビニールシートで覆い、ガムテープで封をしてから持ち出すと解説しています。マットレスが大きく袋に入らない場合も、シートで覆って継ぎ目をテープでふさぐなど、運ぶ途中で虫が落ちない状態にします。

粗大ごみの申込みの流れ(横浜市の例)

粗大ごみの手続きは自治体ごとに違います。横浜市の例では、収集は事前に粗大ごみ受付センターへ申し込み、受付から収集まで2週間程度かかるとされています。マットレスやベッドフレームがどの区分・手数料になるかは、お住まいの自治体の品目表で確認してください。待つ間は、密封した状態で室内に保管し、袋が破れていないかを点検します。

  • 事前に粗大ごみ受付センターへ申し込む(インターネット・チャット・LINE・電話)
  • 確定した手数料を納め、収集シールを受け取る(電子決済の場合は期日までに決済)
  • 収集シールに受付番号と収集日を書き、見やすい場所に貼る
  • 収集日の朝8時までに、申込み時に確認した場所へ出す。申込み前に置いて放置しない

袋に入れるか、袋から出すか|自治体の指示を優先する

横浜市の収集のページには、粗大ごみは箱や袋から出し、一式が分かるようまとめて出すよう書かれています。トコジラミのいる寝具を袋やシートで密封して出す場合、この指示と食い違わないか、申込みのときに受付へ状況を伝えて、出し方を確認してください。リユースを勧める案内も同じページにありますが、トコジラミのいる寝具は、譲る・売る・無料で渡すことはしません。米国EPAは、トコジラミのいる家具を捨てるときは、他の人が持ち帰って広げないよう、使えない状態にして出すことを勧めています。

参考:横浜市|粗大ごみの収集をしてほしい(申込み・手数料・出し方)

トコジラミのマットレスを残す場合の処理|掃除機・スチーム・密封カバーと確認期間

残す場合は、まず潜んでいる虫を減らします。厚生労働省の研修会資料は、薬剤を使わない方法として、熱風や高温の蒸気、掃除機による吸引、すき間の封鎖、潜み場所になる物の整理を挙げています。トコジラミは50℃に30分、60℃に10分程度で死ぬものの、すき間の奥まで温度を届けるのは難しく、補助的な手段と考えるのがよいとしています。マットレスや畳などの単体の対策には、畳・布団乾燥車の利用も考えられ、全面を覆うカバーも市販されているとしています。

密封カバーについて、米国EPAは、マットレスとボックススプリングを覆うカバーを、トコジラミ対応で試験され、1年間破れずに持つ丈夫な製品から選び、1年間つけたままにするよう述べています。カバーは駆除ではなく、潜んでいる虫が出てきにくくするための補助で、周囲の潜み場所の処理と併せて使います。処理後は、寝床まわりを同じ順番で定期的に点検し、血糞や虫、抜け殻が新しく出ないかを見ます。京都市は、冬季を除き1か月たっても駆除が終わらない場合は、対策が不十分としています。熱や掃除機の具体的な手順は、トコジラミは乾燥機で死ぬ?温度の目安とトコジラミ駆除を自分でする手順も参照してください。

トコジラミのマットレスを残す場合の処理|掃除機・スチーム・密封カバーと確認期間:確認項目
方法資料の記載注意
掃除機で吸う潜み場所を重点的に吸い、ごみは袋に入れて密封し、すぐ捨てる(京都市)掃除機を被害のない部屋へ持ち出さない。吸い口のブラシにも付着する(京都市)
スチーム・高温の蒸気50℃に30分、60℃に10分程度が目安。すき間の奥へ届けるのは難しく補助的(厚生労働省)蒸気は吹き出し口から離れると温度が低くなり、虫が吹き飛ぶこともある(京都市)。素材が傷む物には使わない
熱乾燥車・高周波処理寝具類や畳の熱乾燥車による駆除や高周波処理は、防除のプロに依頼する(京都市)大型の処理は専門業者へ。費用は見積もりで確認する
密封カバーマットレスなどを全面的に覆う市販品がある(厚生労働省)。1年つけたままにする(米国EPA)駆除ではなく補助。破れると効果が落ちるため、定期的に点検する
袋に入れて長期間封印使わない物を大きなごみ袋に二重に入れて封印し、夏を含め1年以上保管する方法(京都市)低温では長く生きる。マットレスの大きさでは現実的でない場合が多く、小物向け

参考:厚生労働省|トコジラミとその効果的な防除法(平成26年度生活衛生関係技術担当者研修会資料・2015年2月)

トコジラミは畳・和室・布団にもいる|点検する場所

和室で布団を敷いて寝る場合も、潜み場所の考え方は同じです。大阪府は、和室では畳の目、壁や柱の亀裂、ふすまの四隅に、血糞や卵、トコジラミがいないかを確認し、木材の継ぎ目や割れ目、紙製の物はトコジラミが好むので特に注意するよう述べています。写真の例には、鴨居(長押)のすき間、畳の縁の窪み、布団カバーの縫い目が挙がっています。

京都市は、畳と畳の間(畳ぶちの中や縫い目)、寝ている場所の近くのふすまの四隅や凹み、カーテンの山ひだを例に挙げています。畳や布団そのものの熱処理は、熱乾燥車を使う方法を防除のプロに依頼するよう案内しています。畳の縁や裏を自分で剥がして調べると、虫を広げるおそれがあるため、まず表からの点検と写真記録にとどめ、必要なら専門業者に依頼してください。

トコジラミは畳・和室・布団にもいる|点検する場所:確認項目
場所見るもの見つけやすい素材・見え方
畳の縁・畳の目・畳と畳の間黒い点(血糞)、白い粒(卵)、虫黒っぽい畳の縁では乳白色の卵が目立つ。縁の窪みや畳ぶちの中も見る
ふすまの四隅・柱・鴨居(長押)血糞、虫、抜け殻白いふすまの四隅の黒い点が手がかり。木材の継ぎ目や割れ目は特に注意する
布団・シーツ・布団カバー縫い目の血糞、布団の折り目、シーツの血痕白っぽい布の上では、血糞や血痕が見つけやすい
押入れの段ボール・収納ケース段ボールの構造部の中、本や衣類のすき間被害のある部屋の段ボールは捨てる(京都市)

参考:大阪府|トコジラミについて(2025年9月10日更新)

新しい寝具を入れるタイミング|確認が済んでから

新しいマットレスや布団を入れる時期について、「何日たてば入れてよい」と決めた共通の数字は、今回確認した公的資料には見当たりませんでした。判断の材料は、周囲の潜み場所の処理が済んでいるか、処理後の点検で新しい血糞・虫・抜け殻が出なくなったか、の二つです。京都市は、殺虫剤を使った場合は効果が出ているかを常に確認するよう述べ、冬季を除いて1か月たっても終わらなければ対策が不十分としています。業者に施工を頼んだ場合は、再点検の結果を報告書などで受け取り、確認の根拠にします。

入れる前の備えとして、新しい寝具は未処理の物と別の部屋で保管し、搬入前に縫い目や裏面を点検します。処理した衣類やシーツは、袋に入れて封をし、被害のない部屋で保管して、駆除が終わるまで袋のまま取り出して使うよう、京都市が述べています。再び持ち込まないための経路の見直しはトコジラミはどこから来る?持ち込まれる経路にまとめています。

  • 周囲の潜み場所(フレーム・壁際・畳・カーテン・家具)の点検と処理が済んでいる
  • 処理後の点検で、新しい血糞・虫・抜け殻が見つからない期間が続いている(期間の目安は業者や保健所に確認する)
  • 新しい寝具は、未処理の物と別の場所で保管し、搬入前に点検した
  • 密封カバーを使う場合は、トコジラミ対応の表示と耐久性を確認した

参考:京都市|トコジラミ(ナンキンムシ)の知識(パンフレット・2023年10月更新)

賃貸・集合住宅でマットレスを処分する前に|備え付けの確認と相談先

賃貸住宅のベッドやマットレスが備え付けの場合は、勝手に処分せず、管理会社や貸主に連絡して扱いを確認します。見つけた日・場所・写真を伝えると、貸主の備品か入居者の持ち物か、調査と処理の範囲、費用の負担を話し合いやすくなります。連絡文の書き方は賃貸の害獣被害を管理会社へ報告する文面が参考になります。

集合住宅では、搬出の経路(廊下・エレベーター・階段)で、共用部分へ広げないことも重要です。アサンテは、集合住宅で自力の駆除に失敗して隣室へ拡散させるとトラブルになるおそれがあり、管理会社に相談したうえで業者を入れるのがよいと解説しています。相談先は、厚生労働省のリーフレットが、一般相談は保健所へ、調査・防除の相談はペストコントロール業の事業者団体へと案内しています。

参考:株式会社アサンテ|トコジラミを駆除したい!自力でできる?プロに頼むべき?(事業者の解説コラム)