トコジラミのマップは公的にある?確認できた資料と範囲
「トコジラミ マップ」で探されるのは、泊まる宿や住んでいる地域に発生があるかどうかを、地図で見たいという場面が多いようです。今回、東京都、大阪府、厚生労働省の公式資料と、横浜市・千葉市の案内ページを確認した範囲では、トコジラミの発生地点を地図で示した公的な資料は見つかりませんでした。
公表されているのは、保健所などへの相談件数の推移と、旅行・帰省時の注意、見つけたときの相談先です。資料には、地図がない理由は書かれていないため、ここでは公表されている形だけを整理します。確認した内容は2026年10月3日時点の掲載で、すべての自治体を確認したわけではありません。お住まいの地域の数字は、所管の保健所に問い合わせてください。
| 公表主体 | 公表されている形 | 数字の単位・範囲 |
|---|---|---|
| 東京都保健医療局 | リーフレット「知っていますか?トコジラミ」(令和7年12月発行)に、東京都におけるトコジラミ相談件数の棒グラフ | 年度別。都内の保健所などに寄せられた相談(リーフレットの説明) |
| 大阪府 | 「トコジラミについて」のページに、大阪府域の相談件数のグラフと、内訳のExcelファイル | 暦年別で1982年から。被害が出ていない人からの相談も含む(大阪府の注記) |
| 厚生労働省 | リーフレット「旅行・帰省時にはトコジラミに注意!」で、特徴、持ち込まれ方、相談窓口を説明 | 件数の記載は確認できず。注意喚起と相談先が中心 |
| 横浜市・千葉市 | トコジラミの案内ページで、相談が増えていることと、考えられる原因を説明 | 件数の表は確認できず |
参考:東京都保健医療局|知っていますか?トコジラミ(令和7年12月発行・PDF)
トコジラミの発生マップは、公的にありますか?
今回確認した東京都、大阪府、厚生労働省の資料には、発生地点を示す地図は見つかりませんでした。公表されているのは、相談件数の推移と、旅行・帰省時の注意、相談先です。お住まいの地域の状況は、所管の保健所に問い合わせてください。
トコジラミの相談件数(東京都)|平成21年度から令和6年度の推移
東京都のリーフレットは、トコジラミは戦後しばらくよく見られた害虫で、生活環境の改善や殺虫剤の使用により被害は減少したが、近年、都内の保健所などに寄せられるトコジラミに関する相談が増えていると説明しています。グラフに数値が書かれた年度のうち、一部を表にします。
| 年度 | 東京都のトコジラミ相談件数(件) |
|---|---|
| 平成21年度 | 165 |
| 平成24年度 | 342 |
| 平成27年度 | 360 |
| 平成30年度 | 354 |
| 平成31(令和元)年度 | 458 |
| 令和2年度 | 320 |
| 令和3年度 | 281 |
| 令和4年度 | 405 |
| 令和5年度 | 537 |
| 令和6年度 | 486 |
- グラフは平成21年度から令和6年度まで、年度で区切られている
- リーフレットには、増減の理由は書かれていない
トコジラミの相談件数(大阪府域)と、大阪府が付けている注記
大阪府のページは、日本には江戸時代以前から生息していたと考えられ、戦後、殺虫剤の普及や生活環境の改善で昭和後期にはほとんど目にすることがなくなったが、平成後期から徐々に相談件数の増加が報告されていると説明しています。大阪府域の相談件数(暦年)は、府が公開するExcelの内訳で確認でき、1994年と1995年の15件から、2019年の328件、2020年の195件、2023年の529件へと推移しています。
| 年(暦年) | 大阪府域のトコジラミ相談件数(件) |
|---|---|
| 1994年 | 15 |
| 2011年 | 86 |
| 2014年 | 264 |
| 2018年 | 263 |
| 2019年 | 328 |
| 2020年 | 195 |
| 2021年 | 225 |
| 2022年 | 271 |
| 2023年 | 529 |
- 大阪府は、相談件数には被害が出ていない人からの相談も含まれると注記している
- 大阪府は、2023年は海外での大流行が複数のメディアで報道された影響もあり、一般家庭からの相談を含めて相談件数が増加していると説明している
トコジラミの相談件数の推移から言えること・言えないこと
東京都と大阪府の数字から、言えることと言えないことを分けます。相談件数は、保健所などに寄せられた相談の件数で、実際に発生した住宅や施設の数をそのまま表すものではありません。大阪府が、被害が出ていない人からの相談も含まれ、報道の影響で増えた面もあると示していることが、その根拠になります。
トコジラミが家庭に持ち込まれる要因について、東京都は、荷物等と共に外から持ち込まれることと考えられていると説明しています。外から持ち込まれるものなので、地域の件数よりも、自分が泊まった部屋や荷物の経路のほうが、自宅への持ち込みを考える手がかりになりやすいといえます。
| 論点 | 言えること | 言えないこと |
|---|---|---|
| 件数の水準 | 東京都では平成21年度に165件、令和6年度に486件、大阪府域では1994年に15件、2023年に529件など、過去より多い水準で相談が寄せられている | 実際に発生した住宅や施設の数。相談には被害が出ていない人の相談も含まれる |
| 「最近聞かない」という印象 | 東京都では令和6年度も486件で、平成21〜30年度の各年(165〜360件)より多い | 報道の量や周りの話題と、実際の発生が同じ動きをしているかどうか |
| 東京都と大阪府の比較 | どちらの公表資料も、近年の相談の増加を説明していること | 都と府で、どちらが多いか。年度と暦年、都内と府域など、集計の単位や範囲が違うため |
| 地域内の場所 | 保健所などに相談が寄せられていること | どの区や市、どの施設で多いか。公表資料に地点の情報はない |
| 宿泊施設の安全性 | 公表資料には、宿泊施設ごとの情報はない | 情報が少ないことが、その宿に発生がないことを意味すること |
トコジラミの発生マップや口コミなど、投稿型の情報を読むときの注意
利用者の投稿で作られる地図や口コミ情報は、公的な統計とは作り方が違います。便利な面もありますが、数字の意味を取り違えないよう、読むときの確認点を決めておくと迷いません。ここでは特定のサービスの評価はせず、確認点だけを挙げます。
公的な相談件数と、投稿型の情報は、集計の仕組みが異なるため、同じ物差しで比べないでください。気になる情報があったときは、投稿そのものを判断材料にするより、宿や地域の保健所への確認、自分の荷物の確認という行動に変えるほうが、確実に役立ちます。荷物の確認の具体例は、旅行・出張後の荷物にトコジラミ?スーツケースを広げる前の確認と対処に整理しています。
- 投稿日はいつか。古い投稿が、今の状態を表しているとは限らない
- 場所はどこまで特定されているか(施設名か、地域名だけか)
- 投稿者が虫を確認したか(写真や同定があるか)。かゆみだけでは、ほかの虫との区別が難しい
- 投稿のあとに駆除や対応がされたかが分かるか
- 投稿が少ない場所を、安全と読んでいないか。投稿の数は、訪れた人の数や関心の高さにも左右される
- 誰でも書き込めるサービスでは、同じ場所への重複や誤りが混ざる可能性がある
国内外の旅行先でトコジラミを確認する方法|マップより役立つこと
厚生労働省のリーフレットは、トコジラミの卵や幼虫が荷物や衣服の裏、ポケットなどに付着して、室内に持ち込まれることがあると説明しています。韓国や台湾など国別の状況を知りたい場合も、今回確認した日本の公的資料には、国別・地域別の発生状況は掲載されていませんでした。国名で判断するより、泊まる部屋と荷物の確認を習慣にするほうが、行き先に関係なく使えます。
宿の部屋に入ったときに見る場所
厚生労働省のリーフレットは、トコジラミが潜みやすい場所として、ベッドや布団の周辺、ソファの隙間や裏、引き出しの裏、衣装ケース、壁と床の隙間、カーテン、壁にかけた絵の裏などを挙げています。東京都のリーフレットは、生息している場所に血糞という黒いしみが見られると説明しています。宿泊施設側の対応は、宿泊施設の客室で害虫を発見。寝具・清掃カート・次の販売をどう管理する?で整理しています。
移動中・公共の場所で気をつけること
大阪府のページは、海外の事例として電車やバスなどの座席の隙間に潜んでいたこと、国内の事例として図書館の本に生息していたことを示しています。映画館やプラネタリウム、サウナなど、一年中暖かくて暗い場所をトコジラミが好むため、注意するよう案内しています。
帰宅したときの確認
大阪府のページは、旅行先などから帰宅するときに、鞄や衣服の縫い目にトコジラミが潜んでいないかをチェックするよう案内しています。荷物を広げる前の具体的な確認手順は、旅行・出張後の荷物にトコジラミ?スーツケースを広げる前の確認と対処にまとめています。
| 場面 | 確認すること | 根拠にした資料 |
|---|---|---|
| 宿の部屋に入ったとき | ベッドや布団の周辺、ソファの隙間・裏、引き出しの裏、衣装ケース、壁と床の隙間、カーテン、壁にかけた絵の裏などの潜みやすい場所を見る。黒いしみ(血糞)がないか確かめる | 厚生労働省リーフレット、東京都リーフレット |
| 移動中・公共の場所 | 座席の隙間や本の綴じ目など、暖かくて暗い場所に注意する | 大阪府のページ |
| 帰宅したとき | 鞄や衣服の縫い目に、虫が潜んでいないか確認する | 大阪府のページ |
| 国内外を問わず | 国名や地域名より、泊まる部屋と荷物の経路を確認する。国別の発生状況を示す公的資料は、今回は確認できなかった | 確認した資料の範囲 |
自宅でトコジラミを疑うときの最初の確認と相談先
自宅で疑うときは、東京都のリーフレットが示す手がかりが目安になります。夜間に寝ている人の手や足、首など露出している部分が吸血され、強いかゆみが出ること、寝室・布団・ベッドの周りに生息すること、生息している場所に血糞という黒いしみが見られること、成虫は5〜8mmで褐色、丸く扁平なことです。かゆみがあり、血糞やトコジラミの特徴を持った虫が見つかった場合は、早急に専門業者に見てもらうよう案内されています。刺し跡の見方はトコジラミの噛み跡の特徴|ダニ・蚊との違いと受診・確認の進め方も参考になります。
くん煙剤や殺虫剤を使う前に
同じ東京都は、一般的な殺虫剤はトコジラミに効果がない場合もあり、くん煙殺虫剤を使うとかえって生息範囲が広がることもあり、家庭での対策だけで駆除することは困難だと述べています。使う前に、トコジラミにくん煙剤を使う前に。成分・潜み場所・その後の確認を整理も確認してください。
保健所と事業者団体の使い分け
厚生労働省のリーフレットは、被害への対応に関する一般相談は保健所、調査や防除に関する相談はペストコントロール業の事業者団体としています。日本ペストコントロール協会によると、全国47都道府県に地区協会があり、各協会に電話などで相談を無料で受け付ける「害虫相談所」が設けられています。現場調査や防除施工が必要な場合は、原則有料です。大阪府のページには、府による駆除は行っていないと書かれています。まず、所管の保健所の案内を確認してください。最初の確認の全体は、トコジラミが疑わしいとき。寝具の黒い点と虫を確認して相談するにまとめています。
- 寝具の縫い目、マットレスのへり、ベッド周りの隙間を、明るい場所で見る
- 黒いしみ(血糞)や虫を見つけたら、写真に残す
- くん煙剤や殺虫剤を使う前に、保健所や事業者団体に相談する



