スズメバチの種類|住宅地で問題になりやすい種類と山林に多い種類
日本に生息するスズメバチ類は、秋田市のページでは16種、神戸市のページでは17種と記載されています。数え方に違いはありますが、住宅やその周辺に多い種類として、秋田市はキイロスズメバチとコガタスズメバチを挙げています。神戸市も、住宅街からの相談が最も多い種類としてコガタスズメバチ、被害が最も多い種類としてキイロスズメバチを紹介しています。
住宅地で遭遇しやすい種類|コガタスズメバチとキイロスズメバチ
コガタスズメバチは、庭木などの低木や軒下に巣を作ります。川口市は、5月中旬から6月ごろは徳利を逆さにしたような形の巣で、7月以降に働きバチが増えると、ほぼ球形で縞模様のある巣になると説明しています。
キイロスズメバチは、軒下や木の枝のほか、屋根裏や壁の中にも巣を作ります。川口市は、活動の最盛期の8月以降は働きバチが大変多くなり、人家では屋根裏の通気孔から多数のハチが出入りして気づくことがあると説明しています。
山林・土の中に多い種類|オオスズメバチとクロスズメバチ
オオスズメバチは、川口市の説明では、大きな木の洞や木の根などを利用した土の中に営巣し、普通は人家に営巣しません。10月以降は餌が少なくなって遠くまで飛ぶため、街中で単独や数匹の個体を見かけることがあると同市は説明しています。札幌市も、オオスズメバチは市内ではあまり見られないが、攻撃性が極めて強い種類だとしています。
クロスズメバチは体長1cmほどの小さな種類で、札幌市は、草刈りのときなどに巣に気づかず刺されることがあると説明しています。土の中が主な営巣場所ですが、屋根裏や床下換気口にも作ることがあります。
地域で変わる種類|札幌市と川口市の例
身近な種類は地域でも違います。札幌市は、ケブカスズメバチとコガタスズメバチが市内でよく見られる種類で、ケブカスズメバチは軒下・屋根裏・壁の中などにボール状の大きな巣を作ると説明しています。川口市は、市内にいる主なスズメバチとしてコガタ・キイロ・オオ・モン・ヒメを挙げ、最も多く見られるのはコガタスズメバチだとしています。お住まいの自治体のページで、地元でよく見られる種類を確認してください。
参考:秋田市|衛生害虫(ハチ)
スズメバチは日本に何種類いますか?
自治体のページでは、日本のスズメバチ類を秋田市が16種、神戸市が17種と記載しています。お住まいの地域で見かける種類は、神戸市が4種、川口市が5種を挙げるなど、数種類に絞られます。
スズメバチの大きさ(体長)と巣の場所を種類別に比べる
体長は、豊田市の資料にある女王バチと働きバチ・雄バチの数値を中心に並べました。同じ種類でも女王バチは働きバチより大きく、資料によって数ミリの違いがあります。「巣の場所」と「資料に書かれている特徴」は、神戸市・川口市・札幌市・函館市・環境省の記載を種類ごとにまとめたものです。順位ではなく、見分けの材料として並べています。
| 種類 | 体長(女王/働きバチ・雄バチ) | 主な巣の場所 | 資料に書かれている特徴 |
|---|---|---|---|
| オオスズメバチ | 40〜45mm/27〜40mm | 土の中(小動物の廃坑など)、木の根もと、木の洞。普通は人家に営巣しないとする資料がある | 巣は地中のためほとんど見えない(川口市)。攻撃性が非常に強い種類として説明される(秋田市・豊田市) |
| キイロスズメバチ | 25〜28mm/17〜24mm | 軒下、木の枝、屋根裏・天井裏、壁の間、崖など幅広い | 日本のスズメバチで体長は最小だが巣は最大。夏に手狭になると巣を作り直して引っ越す(秋田市) |
| コガタスズメバチ | 25〜29mm/21〜27mm | 庭木などの低木、軒下。まれに崖 | 初期は徳利を逆さにした形で、のちに球形。出入口は横に1つで、直径25〜30cmほどになる(川口市) |
| ヒメスズメバチ | 35〜37mm/24〜37mm | 床下、壁の間、物置の中など閉じた空間 | 大型だが、スズメバチの中ではおとなしいと説明される(神戸市) |
| モンスズメバチ | 26〜30mm/20〜28mm | 樹洞、天井裏、壁の間、戸袋など閉じた場所。まれに軒下 | 巣は鐘状で底が抜けている。天井にシミができて見つかることがある。日没後も数時間活動する(川口市) |
| クロスズメバチ | 約15mm/10〜14mm | 土の中。建物の基礎の換気口、屋根裏、床下換気口にも作る | 体が細く、黒に白い線がある(函館市)。草刈りで巣に気づかず刺されることがある(札幌市) |
| ツマアカスズメバチ | 30mm/約20mm(オスは24mm) | 樹木の高い位置に営巣することが多い | 特定外来生物。全体に黒っぽく、腹部の先端がオレンジ色。巣は長径1mに達することもある(環境省) |
屋根裏・壁の中・土の中に巣を作るスズメバチはどれか
「スズメバチ 屋根裏」と検索する人の多くは、天井から羽音がする、通気孔からハチが出入りしているといった状況にいると考えられます。川口市のページは、スズメバチの仲間が巣を作る場所として、天井裏・軒下・戸袋・生垣の中・床下・土の中・木の枝を挙げています。場所ごとに、資料に書かれた候補の種類を、下の表に整理しました。
屋根裏では、キイロスズメバチとモンスズメバチが候補になります。モンスズメバチは夜間もしばらく活動するため、灯りに集まったり室内に入ったりすることがあると川口市は説明しています。屋根裏の出入口の確認や、塞ぐ順序の注意は蜂の巣が屋根裏にあるときで詳しく扱っています。
壁の中や床下、土の中の巣は、巣の形を目で確かめにくく、種類を断定しにくい場所です。函館市は、土の中に巣を作るオオスズメバチや、建物の基礎の換気口から出入りするクロスズメバチに気づいたら、すぐに離れてハチの飛行ルートを観察し、出入り場所を確認したあとは近づかないよう案内しています。
| 巣の場所 | 候補になる種類(資料の記載) | 気づくきっかけ(資料の記載) |
|---|---|---|
| 屋根裏・天井裏 | キイロスズメバチ、モンスズメバチ。クロスズメバチも屋根裏に作ることがある | 屋根裏の通気孔から多数の働きバチが出入りする(キイロ)。天井にシミができる(モン) |
| 壁の中・戸袋・床下・物置 | ヒメスズメバチ、モンスズメバチ、キイロスズメバチ | 換気口やすき間を出入りするハチの様子。巣の中は見えない |
| 土の中・木の根もと | オオスズメバチ、クロスズメバチ | 巣そのものはほとんど見えない。草刈りや林の中で、気づかず近づいて刺される例がある |
| 庭木・軒下など開けた場所 | コガタスズメバチ、キイロスズメバチ | 縞模様のある丸い巣。初期は徳利を逆さにした形 |
スズメバチが真っ黒に見えるとき|黒っぽいハチの候補
「スズメバチ 真っ黒」という検索は、スズメバチらしいのに黄色い縞があまり見えない、全体が黒っぽいという状況から出ていると考えられます。距離や光の当たり方で色の見え方は変わりますが、資料には、体色を黒っぽく記載している種類がいくつかあります。候補を表にしました。
色は決め手になりにくいため、体つき・飛び方・巣の形もあわせて見ます。細身でスズメバチより脚が長いハチはアシナガバチ、胸部が黄色い毛に覆われた黒くて大きなハチはクマバチの可能性があります。巣の形の見分けは蜂の巣の種類を形で見分ける、アシナガバチとの比較はスズメバチとアシナガバチの違いで扱っています。
| ハチ | 資料に書かれた色の記載 | 違いの手がかり |
|---|---|---|
| コガタスズメバチ | 体は黒褐色で、腹部に黄色い帯(秋田市) | 住宅地に多い。ボール状の巣で、初期は徳利を逆さにした形 |
| クロスズメバチ | 体が細く、黒に白い線(函館市) | 体長1cmほど(札幌市)。土の中や床下換気口に営巣 |
| ツマアカスズメバチ | 全体的に黒っぽく、腹部の先端がオレンジ色(環境省) | 外来種。樹木の高い位置に大きな巣を作ることが多い |
| セグロアシナガバチ(アシナガバチの一種) | 胸部の背面が黒色で、足の先端が黄色(神戸市) | 細身で、長い後ろ脚を垂らして飛ぶ |
| クマバチ(スズメバチの仲間ではない) | 胸部が黄色い毛に覆われた、黒くて大きなハチ(川口市) | 単独性で、危害を加えない限り攻撃してこないと説明される |
ツマアカスズメバチの特徴と見つけたときの連絡先
ツマアカスズメバチは、2012年に長崎県対馬市で国内で初めて確認された外来のスズメバチで、2015年1月に外来生物法に基づく特定外来生物に指定されました。環境省のページには、対馬市のほか、福岡県北九州市(2015年)、宮崎県日南市(2016年)、大分県大分市(2018年)での確認が経緯として載っています。現在の確認状況は、環境省や自治体の最新の案内で確認してください。
見た目と巣の特徴
環境省の注意喚起チラシによると、ツマアカスズメバチは全体が黒っぽく、腹部の先端が鮮やかなオレンジ色です。ミツバチを含む昆虫類を主に捕食し、樹木の高い位置に、在来のスズメバチより大きな巣を作ることが多いとされています。人への影響としては、在来のスズメバチと同様に刺傷被害があるとされています。
- 体は全体に黒っぽく、腹部の先端が鮮やかなオレンジ色
- あごのあたりと、脚の先が黄色
- 働きバチは20mm前後、女王は30mm、オスは24mm
- 巣は長径1mに達することがあり、高い位置にあることが多い
見つけたときの連絡先と、してはいけないこと
環境省は、本土への拡大を防ぐため、見つけたら連絡するよう呼びかけています。野外で見つけた外来生物等に関する問い合わせは、環境省の地方環境局等へとされ、ページに連絡先一覧があります。自治体や駆除業者がスズメバチの巣を駆除した際に、ツマアカスズメバチと思われるものが捕獲された場合も、管轄の地方環境局へ連絡するよう求められています。
外来生物法では、特定外来生物の飼育・保管・運搬が原則として禁止され、野外で捕まえて持ち帰ることも運搬に当たると環境省は説明しています。生きたままの捕獲や持ち込みは避け、巣やハチに近づかない位置から、場所・日時・写真を記録して連絡してください。巣を見つけたときの一般的な相談の進め方は、スズメバチらしいハチが出入りするときにあります。
危険度を順位づけしない理由|資料の「攻撃性」の書き方を並べる
「スズメバチ ランキング」と検索されることがありますが、今回開いた公的資料は危険度の順位を示しておらず、種類ごとの特徴の一部として攻撃性を説明しています。この記事でも順位はつけず、各資料の表現を種類ごとに並べます。
- オオスズメバチ:神戸市はハチの中で最も攻撃性が高いと説明し、秋田市は、巣へ近づいただけで追いかけて刺すことがあると説明しています。
- キイロスズメバチ:秋田市は攻撃性がかなり強く、巣の中の働きバチが多いため、巣を刺激すると集団で攻撃されることがあると説明しています。巣を離れて餌を集める働きバチは攻撃性が弱いとも書かれています。
- コガタスズメバチ:秋田市は比較的温厚な性質と説明していますが、巣を刺激しないことが前提です。
- ヒメスズメバチ:神戸市は、スズメバチの中ではおとなしいが大型の種類と説明しています。
- モンスズメバチ:川口市は攻撃性・威嚇性ともに強いと説明しています。豊田市は、オオ・キイロ・モンを、大きさに関わらず非常に攻撃性が強い種類として挙げています。
- クロスズメバチ:札幌市は、小さな種類だが、草刈りなどで巣に気づかず刺されることがあると説明しています。
種類が分からなくても共通する安全行動
種類によって攻撃性の説明は違いますが、巣やハチを刺激しないという対応は共通しています。函館市は、巣を見つけたら近づかず、物や手でハチを払ったりせず、静かにその場を離れるよう案内しています。一匹が刺すと攻撃的になるフェロモンを出し、他のハチもつられて集団で襲いかかる習性があるためです。
豊田市は、活動が最大になる夏から秋は、餌の昆虫が減るうえ、巣の中が新しい女王の誕生などで興奮状態にあり、攻撃性が強くなるため、個人での駆除は大変危険と説明しています。時期ごとの流れはスズメバチの活動時期にまとめています。
種類が分からない段階でも、次の行動は、どの種類にも共通する安全側の対応として整理できます。
- 巣に近づかない。ハチが顎をカチカチ鳴らしたり、まとわりついたりするのは警告とされ、静かに離れる(川口市)
- 手や物でハチを払わない。走ったり騒いだりしない
- 黒っぽい服装や、香水・整髪料など強いにおいを避ける。函館市は、ハチがこれらに敏感とも言われると説明している
- 巣の危険範囲の目安として、函館市はキイロ・コガタスズメバチで約3m、アシナガバチで約2mを示す。巣の大きさ、時期、音やにおいで変わるため、目安にとどまる
- 刺されたあとの対応は自治体の案内や医療機関の指示に従う。函館市は、すぐに病院へ行くこと、意識がもうろうとする・血圧が下がる・発疹や腫れが出るなどの症状があれば救急車を要請することを案内している
種類を調べたいときの相談先と、写真の残し方
種類を確かめるために巣へ近づく必要はありません。離れた位置から、ズーム機能で巣の全体、出入口、飛んでいるハチを分けて撮影し、場所(高さ、屋根裏・壁・土の中・樹木)、日付、時間帯をメモしておくと、相談の材料になります。撮影のために近づけない場合は、場所の説明だけでも相談できます。
相談先は、自治体の保健所や衛生担当、都道府県のペストコントロール協会です。日本ペストコントロール協会は、各都道府県の害虫相談所で電話などによる相談を無料で受け付け、現場調査や防除施工が必要な場合は原則有料になると説明しています。写真で種類を見てもらえるかは窓口で違うため、電話で確認してください。費用の見方はハチの巣駆除の費用を比べるにまとめています。



