スズメバチとアシナガバチの違いは3点|体つき・飛び方・巣の形
神戸市の2つのページは、虫体の特徴・巣の特徴・巣ができたときの対応を、スズメバチとアシナガバチで書き分けています。スズメバチは「ずんどう体型」、アシナガバチは「スリム体型」。体色はどちらも黄色と黒で、色だけでは決め手になりません。見分けの材料を、体つき・飛び方・巣の形を中心に表にしました。
| 見るところ | スズメバチ | アシナガバチ |
|---|---|---|
| 体つき | 胴が太く、ずんぐりした体型(神戸市)。体長は種類により約1.7〜4.5cm(船橋市) | 細身(スリム)な体型で、後ろ脚が長い。体長は約1〜3cm(船橋市) |
| 飛び方 | 直線的に飛ぶ(神戸市)。動きがスピーディー(アース製薬の解説) | 長めの後ろ脚をだらりと下げて飛ぶ(神戸市)。ゆっくり飛ぶ(アース製薬の解説) |
| 巣の形 | 外皮に覆われた球形で、出入口は1か所。外側にマーブル状の縞模様がある(神戸市・秋田市) | 外皮がなく、育房(六角形の巣穴)が露出して見える。ハスの花托やレンコンを切った形、お椀形など(神戸市・船橋市・アース製薬) |
| 巣の場所 | 軒下、天井裏、木の枝、土の中、壁の間など。種類による | 軒下、植え込み、庭木、換気扇フード、室外機の中など |
| 攻撃性の説明 | 一般に攻撃性が強く、巣を守るために人を襲うことがある(神戸市) | 基本的におとなしく、巣を刺激しなければ攻撃しない(神戸市)。ただし巣やハチを刺激すると攻撃してくる(船橋市) |
スズメバチとアシナガバチの一番簡単な見分け方は何ですか?
神戸市の資料では、スズメバチはずんどう体型で直線的に飛び、アシナガバチはスリムな体型で長めの後ろ脚をだらりと下げて飛びます。巣は、スズメバチが外皮のある球形、アシナガバチが巣穴の見える形です。
飛んでいる1匹を見たとき|体つきと飛び方で見分ける
巣が見えず、飛んでいる1匹だけを見た段階では、体つきと飛び方が手がかりになります。遠くから見える範囲で、次の点を確認します。
胴の太さと体の細さを見る
函館市は、アシナガバチを、スズメバチより細く、手足が長く、飛んでいるときは垂れ下がっていると説明しています。胴が太く、がっしりして見えれば、スズメバチの可能性が高くなります。
ただし、体の細さだけでは決められません。函館市は、クロスズメバチは体が細く、黒に白い線があると説明しています。豊田市も、アシナガバチより小さくても攻撃性の高いスズメバチがいるため、小さいという理由でアシナガバチと判断するのは危険と注意しています。
脚の垂れ方と飛ぶ速さを見る
アシナガバチは、長めの後ろ脚をだらりと下げて、ゆっくり飛びます。アース製薬の解説は、脚をたらして優雅にゆっくり飛ぶアシナガバチに対し、スズメバチは動きがスピーディーだと説明しています。直線的に速く飛ぶハチを見たときは、スズメバチを疑います。
- 胴は太いか、細いか
- 後ろ脚が垂れ下がっているか
- 直線的に速く飛ぶか、ゆっくり漂うように飛ぶか
- 同じ方向へ、繰り返し出入りしていないか
巣の形で見分ける|外皮の有無と巣穴
巣が見えているときは、体つきよりも確実な手がかりになります。ただし、巣の形を確かめるために近づく必要はなく、離れた位置から見える範囲で十分です。詳しい見分け方は蜂の巣の種類を形で見分けるで扱っています。
スズメバチの巣|球形・外皮・出入口が1つ
秋田市は、スズメバチの巣の外形を、特有の縞模様のある球形で、表面に出入口が1個あると説明しています。神戸市は、外側がきれいなマーブル模様であることを特徴に挙げています。作り始めは形が違い、女王バチだけのコガタスズメバチの初期の巣は、徳利を逆さにしたような形です。
例外もあります。川口市は、モンスズメバチの巣は鐘状で底が抜けており、ボール状の巣とは違うと説明しています。「丸くないからスズメバチではない」とは言えない点に注意が必要です。初期の巣は蜂の巣の作り始めの見分け方も参考になります。
アシナガバチの巣|外皮がなく、巣穴が見える
アシナガバチの巣には外皮がなく、六角形の巣穴が見えます。船橋市は、シャワーヘッドやハスの花托に似た形で、下面に六角形の育房の口が複数見えると説明しています。神戸市は、レンコンを切ってお椀形にしたような形で、軒先や植え込みにぶら下がっていると説明しています。
函館市は、活動中のアシナガバチの巣には、いつもハチが群がっていると説明しています。穴が開いて見えて、ハチが巣の上にとまっているなら、アシナガバチの巣の特徴に近くなります。
アシナガバチの主な種類と特徴
日本に生息するアシナガバチ類は11種で、人家やその周辺ではよく見かける4種があると秋田市は説明しています。神戸市は、市内でよく見かける3種(セグロ・キアシ・フタモン)を挙げ、アース製薬は、山間部に多いヤマトアシナガバチ(体長15〜22mm)も紹介しています。人家で見かける主な4種を表にしました。
| 種類 | 体長 | 体の特徴 | 巣の場所と形 |
|---|---|---|---|
| フタモンアシナガバチ | 14〜18mm | 黒色に鮮やかな黄色の斑紋。羽の後ろ側に縦の2本線がある(神戸市・秋田市) | 軒下、庭木、窓枠、草むらなど。巣は横向きか下向きの細長い長円形(秋田市) |
| セグロアシナガバチ | 21〜26mm | 黒色に黄褐色の斑紋。胸部の背面が黒く、足の先が黄色(神戸市・秋田市) | 軒下、木の枝、室外機の中など。灰褐色で平らな円形か不整円形(秋田市・神戸市) |
| キアシナガバチ | 21〜26mm | 黒色に鮮やかな黄色の斑紋があり、全体が黄色く見える(秋田市) | 軒下、庭木、換気扇フード内など。灰色から灰褐色の釣り鐘状(秋田市・神戸市) |
| コアシナガバチ | 11〜17mm | 黒色に赤褐色の斑紋(秋田市) | 日当たりのよい軒下や低木。灰褐色で、舟形に反ったような形(秋田市) |
参考:秋田市|衛生害虫(ハチ)
攻撃性と刺傷事故について公的資料が説明していること
いわき市は、人を攻撃したり刺したりするハチは主にスズメバチやアシナガバチの仲間で、被害はアシナガバチが7月から8月ごろ、スズメバチが7月から11月ごろに増えると説明しています。刺されると場合によっては命にかかわること、過去に刺された経験がある人は2回目以降に重いアレルギー反応を起こして短時間で死に至ることがあることも、注意として書かれています。
ハチが刺すのは、巣や身を守るとき
秋田市は、ハチと偶然出くわしても、人がハチの飛行ルート(餌場と巣の間)に入ってしまっただけで、まず刺すことはないと説明しています。誤って巣に近づいて刺激すると、巣を守るために攻撃するため注意が必要で、特に9月と10月は巣が最大になり、餌が少ないうえに新女王やオスの発生で危険な状態だとしています。
アシナガバチだから安全とは言えません。アース製薬は、水やり、庭木の剪定、洗濯物の取り込みなどで、意図せずアシナガバチに近づいてしまうことがあると説明しています。刺されると、痛みのほか、アナフィラキシーショックによる全身症状が現れることがあるとも説明しています。刺されたあとの手当ては、自治体の案内や医療機関の指示に従ってください。
巣からの距離の目安と、警戒の段階
函館市は、軒下や樹木・植え込みにある巣のおおよその危険範囲を、キイロスズメバチ・コガタスズメバチ等で約3m、アシナガバチ類で約2mとしています。巣の大きさや時期、騒音やにおいなどの刺激で変わる目安です。秋田市は、ハチの警戒レベルを次のように整理しています。
- 警戒:巣へ近づくと、ハチが巣の表に群がる
- 威嚇:さらに近づくと、人の周りを飛び回る
- 攻撃:間接的に刺激したり、威嚇を無視したりすると、興奮して刺す
- 攻撃(強):直接刺激を与えると、狂乱して乱舞する
ミツバチ・クマバチ・アブとの違い
黄色と黒の虫を見ると、すべてスズメバチに見えてしまうことがあります。川口市は、クマバチを、よくスズメバチに間違われるが、スズメバチではないと説明しています。アース製薬は、黄色と黒の縞模様のアブも、ハチと間違われやすいとしています。ミツバチの塊を見つけたときの考え方はミツバチの塊は分蜂か巣かにあります。
| 虫 | 見た目・飛び方 | 巣・暮らし | 刺す・咬むときの特徴 |
|---|---|---|---|
| ミツバチ | 体長約1.2cmで、全身が毛に覆われた黄色と黒の縞(船橋市) | 屋根裏や壁のすき間、樹洞などの閉じた場所に営巣し、同じ巣を数年使うことがある。春に群れで移動する分蜂をする(川口市・船橋市) | 性格は穏やかだが、巣を刺激すると集団で攻撃されることがある。刺すと針がちぎれて死ぬ(アース製薬) |
| クマバチ | 胸部が黄色い毛に覆われた、黒くて大きなハチ。羽音が重々しい(川口市) | 単独性。枯れ枝や木造の家の梁に丸い穴をあけて巣を作り、床にオガクズのようなものが落ちる(川口市) | 危害を加えない限り攻撃してこないと説明される(川口市) |
| ドロバチ | 体長1〜2cmで、腹部に黄色い帯状の線がある(船橋市) | 泥をこねて、鈴のような巣や、竹筒・外壁の仕切りを作る(船橋市) | 温厚で、身の危険を感じない限り刺さないとされる(船橋市) |
| アブ | ハエの仲間。脚を折り曲げて速く飛び、羽音が大きい(アース製薬) | 川・水田・沼などの湿地が主な発生源(アース製薬) | ハチはおしりの毒針で刺し、アブは口器で皮膚を咬み切って血を吸う(アース製薬) |
どちらか分からないときはスズメバチとして扱う|安全側の判断と相談先
豊田市は、アシナガバチより小さくても攻撃性の高いスズメバチがいて、大きさが小さいという理由でアシナガバチと判断してしまうのは危険だと注意しています。種類が決められないときは、スズメバチと同じ距離感で扱うのが安全側の判断です。
自治体の資料には、アシナガバチの小さな巣は自分で除去できると書いているものもあります。しかし、種類が確定しないうちは、その対象になるかどうかも決められません。駆除は自分で試さず、相談を先に考えてください。
どちらか分からないときに、巣やハチに近づかずにできることを、優先度の高い順に並べると次のようになります。
- 巣、出入口、飛んでいるハチに近づかない。撮影も離れた位置から行う
- 手や物で払わず、静かにその場を離れる
- 巣の場所(高さ、屋根裏・壁・植え込み・土の中)、日付、時間帯を記録する
- 玄関・通路・物干しなど、生活の動線に近いかどうかを書き出す
- 保健所、ペストコントロール協会、専門業者のいずれかに、写真と場所を添えて相談する



