カメムシはマンションの何階まで来る?確認できた範囲の答え

カメムシが何階まで来るのかについて、階数の上限を示した公的資料やメーカー資料は、今回確認した範囲では見つかりませんでした。したがって、高層階なら来ない、何階以上なら安全とは言えません。資料から確認できるのは、カメムシが何に引き寄せられ、どこから入るかという性質です。それを手がかりに、階数に関係なく点検する場所を決めます。

KINCHOの解説では、秋の大発生には2つのタイプがあります。9月末から10月ごろ、夕方から夜に、黄緑色のツヤアオカメムシやチャバネアオカメムシが白っぽい光に大量に寄せられて外壁や窓に集まるタイプと、10月以降に山間の地域で、黒〜茶色のクサギカメムシなどが越冬のために家の中へ入るタイプです。都市部でも、夜に壁を埋め、翌朝に死骸を掃き集めるほど飛んでくることがあるとされています。

周辺の環境も関係します。札幌市は、森林を背にした白壁の家が侵入被害を受けやすいと説明し、YKK APは、建物の周辺が自然環境に恵まれているほど昆虫の発生率が高いとしています。マンションでも、近くに山林や緑地がある、夜に白い光が外へ漏れる、洗濯物を外に干すといった条件が重なると出会いやすくなると考え、階数にかかわらず点検します。

カメムシはマンションの何階まで来る?確認できた範囲の答え:確認項目
手がかり資料の記載点検の考え方
夜の白っぽい光白い光に大量に寄せられ、外壁や窓に集まる(KINCHO)共用廊下・階段・玄関灯・ベランダの照明の点灯時間と明るさを見る
洗濯物の色白っぽい洗濯物やシーツに付きやすい(KENSOマガジン)外干しした白いシーツやシャツは、取り込む前に確認する
2〜3mmのすき間わずかなすき間から屋内に入る(堺市)サッシ、網戸の合わせ目、換気口を点検する
周辺の緑・山林森林を背にした白壁の家が被害を受けやすい(札幌市)近くに緑地や山林がある側の窓・ベランダを重点的に見る

参考:KINCHO公式note|カメムシ大量発生 ~当たり年の秋は、壁や廊下がカメムシだらけ

読者の疑問

カメムシはマンションの何階まで来ますか?

比較ガイド

階数の上限を示した公的資料やメーカー資料は、確認できた範囲では見つかりませんでした。資料に書かれている光・洗濯物・2〜3mmのすき間という入り口を、階数に関係なく点検します。

ベランダ・サッシ・換気口・室外機まわりの点検

LIXILの案内では、カメムシやアリは樹脂のすき間に入って越冬する性質があり、這って進む虫は気密ゴムを押しのけて室内に入るため、引違い窓からの侵入は完全には防げないとされています。気密ピースの位置を調整してサッシ枠とのすき間を小さくすることや、サッシ上枠のすき間に市販のスポンジなどを貼ることで、侵入をできるだけ抑えられると説明されています。

YKK APは、網戸と窓の間にもすき間があり、ガラス戸を半開きにするとすき間ふさぎ材が密着しない部分が生じて虫が入りやすくなるため、開放するガラス戸は全開にするよう案内しています。KENSOマガジンも、換気扇や網戸など2mmほどのすき間があれば入ると述べ、ベランダの雑草や落ち葉はカメムシが好む環境になるため、こまめに取り除くよう勧めています。

エアコンの配管穴や室外機まわりのすき間は、室内側と室外側の両方から写真を撮っておくと、管理会社へ補修を相談するときに役立ちます。見方はエアコン配管周りのすき間の確認と補修の相談にまとめています。ただし、窓枠や窓ガラスは標準管理規約では共用部分にあたるため、サッシに手を加える前に、あとの「ベランダは誰のもの」の節を確認してください。

ベランダ・サッシ・換気口・室外機まわりの点検:確認項目
場所見るもの自分でできること(資料の範囲)先に確認すること
引違い窓のサッシ上枠のすき間、気密ピースの位置(LIXIL)気密ピースの調整、すき間への市販スポンジの貼り付け窓枠・窓ガラスは共用部分。外観を変える作業の可否
網戸と窓の合わせ目窓と網戸の間のすき間、半開きの窓(YKK AP)窓を使うときは、開放するガラス戸を全開にする網戸の破れや建て付けの不具合は、管理会社へ
換気扇・換気口2mmほどのすき間(KENSOマガジン)外側のカバーまわりのすき間を写真に残す専有部分か共用部分かを、管理規約で確認する
ベランダの隅・物置・鉢植え雑草、落ち葉、置いた物の裏(KENSOマガジン)雑草・落ち葉を取り、置いた物を整理する物の置き方や避難経路についての使用細則

参考:LIXIL|サッシの引違い窓からのカメムシ・アリが侵入する

洗濯物と室内干しの判断

堺市は、カメムシが越冬場所を探して屋内に入ることがある10〜11月は、外干しをやめて室内干しにすると、カメムシの付着を防ぐ効果があると案内しています。KENSOマガジンは、カメムシが白いシーツなどに付きやすいこと、家の近くでカメムシを見かけたら外干しを避けること、取り込むときに表面と内側をよく確認することを挙げています。

ベランダで取り込む前に洗濯物を軽く揺らす方法は、KENSOマガジンが紹介していますが、激しく振ったり叩いたりすると臭いを出すため避けます。春から夏には、成虫だけでなく卵が付いていることもあります。見分け方と取り方はカメムシの卵が網戸や洗濯物に付いたときの対処で整理しています。

洗濯物と室内干しの判断:確認項目
時期・状況資料の記載洗濯物の判断の目安
5〜8月(産卵期)カメムシの産卵時期で、洗濯物に卵が付くことがある(KENSOマガジン)取り込む前に表面と内側を確認し、卵があれば取り除く
9〜11月(越冬前)越冬場所を探して屋内に入る。10〜11月は室内干しが付着の防止に効果(堺市)外干しをやめて、室内干しにする
家の近くでカメムシを見かけた日洗濯物の外干しを避ける(KENSOマガジン)その日は室内干しにする

参考:堺市|相談の多いくらしの虫たち カメムシ

共用廊下の照明や外壁に多いとき|管理会社への連絡

共用廊下の電灯や外壁にカメムシが集まるときは、個人の対策だけでは減らせません。KINCHOは、特にツヤアオカメムシは白っぽい光であればLEDでも蛍光灯でも寄ってくるとしています。一方、KENSOマガジンは紫外線量が蛍光灯より少ないLEDへの交換が有効だと述べ、堺市は、夜間の照明を最低限にし、紫外線をカットした防虫ランプに交換することが飛来を防ぐ効果があるとしています。照明の種類は資料で見方が分かれるため、減光や点灯時間の見直しを含めて、管理会社に相談する形が現実的です。

KENSOマガジンは、網戸や共用部の照明の改修は、大規模修繕の計画にのせることも効果があると説明しています。照明の交換や外壁の洗浄は管理組合の決定事項になるため、居住者が電灯を覆ったり消したりするのは避けます。標準管理規約も、共用部分の保存行為には理事長の承認が必要だとしています(第21条)。共用部で被害を見つけたときの伝え方は、マンション共用部で被害を見つけたときの連絡方法に詳しくあります。

管理会社へ伝える情報

管理会社には、事実を具体的に伝えると、清掃や照明の見直しを判断してもらいやすくなります。次の項目を、写真と一緒にまとめておくと便利です。

  • 発見した日時と、集まっている場所(○階の共用廊下の北側、○号室前の外壁など)
  • 数の目安と、翌朝の死骸の有無
  • 集まっている照明の位置と、点灯している時間帯
  • 洗濯物や窓まわりへの影響(室内に入った数など)
  • 場所が分かる全景と、近くで撮った写真

管理会社への連絡文の例

「○階共用廊下の東側の電灯と外壁に、夜間にカメムシが多数集まっています。写真を添付します。清掃と、照明の点灯時間や明るさの見直しが可能かを、管理組合に相談していただけますか。住戸内にも入っているため、網戸まわりの確認方法も教えてください。」このように、事実、希望、確認したいことの順に書くと、返信を得やすくなります。

参考:KENSOマガジン|大量発生するカメムシ。刺激は厳禁! マンションにおけるカメムシ対策〜駆除と予防〜(改定版)

ベランダは誰のもの?標準管理規約でのバルコニーと窓の扱い

国土交通省の令和7年改正マンション標準管理規約(単棟型)は、バルコニー、玄関扉、窓枠、窓ガラス、一階に面する庭、屋上テラスについて、区分所有者が専用使用権を持つと定めています(第14条)。専用で使えても、建物の共用部分の一部であり、窓枠と窓ガラスは専有部分に含まれないとされています(第7条)。標準管理規約はひな型であり、実際の取り扱いは、各マンションの管理規約と使用細則で決まります。

同規約のコメントでは、専用使用権には、通常の用法に従うことや、管理のために必要な範囲で他の人が立ち入る場合があることといった制限が伴うとされ、工作物の設置や外観の変更の禁止などは、使用細則で物件ごとに定めるとされています。また、バルコニーの清掃など通常の使用に伴う保存行為は専用使用権者が行い、計画修繕などは管理組合が行うと整理されています(第21条とそのコメント)。

今回確認した標準管理規約の本文に、殺虫剤の散布を直接定めた条文は見当たりませんでした。散布の可否は、通常の用法の規定や使用細則、他の住戸への配慮として判断されます。ネットや物を固定する場合は、ベランダへの防鳥ネットと管理者の承諾でも、承諾の取り方を整理しています。

ベランダは誰のもの?標準管理規約でのバルコニーと窓の扱い:確認項目
やりたいこと標準管理規約からの読み方先に確認する先
ベランダの清掃、雑草・落ち葉の除去通常の使用に伴う保存行為は専用使用権者が行う(第21条のコメント)使用細則(清掃や物の置き方)
サッシや網戸まわりのすき間ふさぎ窓枠・窓ガラスは共用部分で専用使用権がある。工作物の設置や外観の変更の禁止は使用細則で定める管理会社・理事会。賃貸は貸主
ベランダに防虫ネットを張る工作物の設置や外観の変更の禁止は、使用細則で物件ごとに定める使用細則と、管理者の承諾
殺虫剤・忌避剤を散布する本文に直接の条文は確認できず、通常の用法と他住戸への配慮で判断される管理規約・使用細則と、製品の使用上の注意
共用廊下の照明を暗くする・交換する共用部分の管理は管理組合が行う。個人の保存行為は理事長の承認が必要(第21条)管理会社へ依頼

参考:国土交通省|マンション標準管理規約(令和7年改正・単棟型)(PDF)

ベランダで殺虫剤や忌避剤を使う前に|製品の使用場所の表示

アース製薬のカメムシコロリ ジェットは、製品ページで屋外専用とされ、屋内で使用しないことが注意書きに挙がっています。フマキラーのカメムシ凍殺ジェットは、屋内でも屋外でも使え、アミ戸、サッシ、壁・天井などに使えるとされ、屋内に使用方法どおり処理した場合は最大2か月、屋外の直射日光・降雨の当たらない場所では最大1か月の持続が表示されています。製品によって使える場所と持続の考え方が違うため、ベランダだから屋外用、と決めずに表示を読みます。

アース製薬のページは、人体に向けて噴射しないこと、使用前に表示をよく読むことを注意に挙げています。フマキラーのページでは確認できなかったため、使う製品の実物の表示で使用上の注意を確認してください。洗濯物、布団、鉢植え、ペット、隣のベランダへの飛散に注意し、散布してよいかは管理規約や使用細則でも確認します。薬剤の使用量や希釈の目安は、製品の表示に従うものとし、ここでは独自に示しません。

  • 製品の使用場所が、屋外専用か、屋内外兼用かを確認する
  • 洗濯物、布団、植物、ペットの近くで使えるかを確認する
  • 隣の住戸や共用部分へ飛ばないよう、風向きと時間帯に気をつける
  • 散布してよいかを、管理規約や使用細則で確認する
  • 効果の持続は、製品が示す条件と期間を超えて期待しない

参考:アース製薬|カメムシコロリ ジェット 350mL 製品情報・使用上の注意

賃貸で費用負担を相談する順序

賃貸住宅では、国土交通省の賃貸住宅標準契約書(平成30年3月版)の第9条が参考になります。貸主は、借主が物件を使用するために必要な修繕を行い、費用は、借主の責めに帰すべき事由によるものは借主、その他は貸主が負担するとされています。借主は、修繕が必要な箇所を見つけたら貸主に通知して、必要性を協議します。標準契約書はひな型で、実際の契約書の条項と特約が優先されます。

網戸・サッシの不具合は、通知と協議から

網戸の破れ、サッシのすき間、換気口の破損などは、設備の不具合として通知・協議の対象になる場合があります。自分で業者や施工を手配する前に、貸主・管理会社に連絡して、承諾と費用負担を確認してください。連絡文の作り方は賃貸の害獣被害を管理会社へ報告する連絡文、賃貸で先に伝えることは賃貸で害獣被害が起きたときにまとめています。

自分で害虫駆除の業者に頼むとき

どうしても自分で害虫駆除の業者に頼むときは、国民生活センターが、作業内容や料金は状況で変わり、広告の最低料金で依頼できるとは限らないこと、複数社から見積もりを取って比較すること、不安をあおって比較の機会を奪う事業者とは契約しないことを助言しています。困ったときは、消費者ホットライン188が相談窓口です。

  • 写真と日付を記録する(発生場所、時間帯、数)
  • 管理会社・貸主へ、事実と希望(点検、照明、すき間の補修)を連絡する
  • 網戸やサッシの不具合は、修繕の通知と協議として伝える
  • 自分で業者や資材を手配する前に、承諾と費用負担を確認する
  • 業者に頼むなら、複数社の見積もりで作業内容を比べる

参考:国土交通省|賃貸住宅標準契約書(平成30年3月版・連帯保証人型)(PDF)