カメムシが大量発生する原因として、公的機関が挙げる要因

農林水産省によると、果樹に被害を出すカメムシ類は全国で三十数種おり、発生が多いのはチャバネアオカメムシ、ツヤアオカメムシ、クサギカメムシです。これらは、スギやヒノキなどの針葉樹林で球果の中の種子を餌に繁殖し、餌が足りなくなると山林を離れて果樹園に飛来します。名古屋市衛生研究所の資料は、チャバネアオカメムシが灯火によく集まって室内に入ること、クサギカメムシが越冬のため家屋に集団で侵入することも説明しており、同じ種類が秋には住宅にも現れます。

餌になるスギ・ヒノキの球果の量

農林水産省は、発生量は主要な餌であるヒノキ・スギの球果の量に左右され、年による変動が非常に大きいと説明しています。山の餌が枯れると果樹園へ移るため、スギ林やヒノキ林などの山林に隣接した園地は被害が多い傾向があるとも述べています。球果の量を家庭で調べる手段は一般的でなく、「今年は多い年か」を自分で予測するのは難しいのが実情です。

越冬した数と、春以降の気温

農林水産省の2026年3月の資料は、果樹カメムシ類の春の被害は越冬した個体数が大きく影響し、4〜6月の気温が高いと越冬個体が早く活動を始めるおそれがあると説明しています。夏以降については、大阪府が2026年9月の注意報で、7月上旬以降に誘殺数が平年値を大きく上回ったことと、向こう1か月の気温が高いという予報を根拠に挙げています。

夜の暖かさ・風・台風

愛知県農業総合試験場は2026年9月の情報で、果樹カメムシ類は夜温が高く風の弱い夜に果樹園へ飛来することが多く、台風などの強風で突然多数が飛来する可能性があると注意しています。飛来には天候の影響もあるため、同じ地域でも日によって数が大きく変わります。

カメムシが大量発生する原因として、公的機関が挙げる要因:確認項目
要因公的資料での説明家の対策での受け止め方
餌(スギ・ヒノキの球果)発生量は球果の量に左右され、年による変動が非常に大きい家庭で予測しにくいため、毎年の時期に合わせて点検する
越冬した個体数春の被害は越冬個体数が大きく影響する秋だけでなく、春(4〜6月ごろ)の飛来にも備える
春以降の気温春の気温が高いと越冬個体が早く動く。大阪府は8月末の1か月予報で気温が高いことも注意報の根拠に挙げた例年より早い時期から、窓や洗濯物を意識する
夜の暖かさ・風・台風夜温が高く風の弱い夜に飛来が多く、強風で突然多数が飛来する可能性がある天候の変わり目の夜は、玄関灯や窓の開閉に気を付ける

参考:農林水産省|果樹カメムシ類とは(PDF)

読者の疑問

カメムシが大量発生するのはなぜですか?

比較ガイド

農林水産省は、果樹を加害するカメムシ類がスギ・ヒノキの球果を餌に山林で繁殖し、餌が足りなくなると果樹園へ飛来すると説明しています。発生量は餌の量に左右され、年による変動が非常に大きいとされます。越冬数、気温、風や台風などの天候も、数や飛来に関わる要因として公的資料に挙げられています。

住宅に来る時期は秋の越冬前と春の2回|月別の目安

千葉市は、カメムシが一斉に飛ぶ時期として、越冬したカメムシが餌になる植物を求めて飛び立つ4〜6月ごろと、交尾を終えたカメムシが越冬場所を求めて集団移動する9〜11月ごろを挙げています。堺市も、10〜11月ごろに越冬場所を探して屋内に侵入することがあると説明しており、住宅への飛来は「秋の越冬前」と「春」の2つの山で考えると整理しやすくなります。

真夏にまったくいないわけではありません。アース製薬は、真冬の越冬時期を除いてほぼ1年中見られるが、家屋に大量に出て困らせる季節は秋だと説明しています。夏や冬の行は、住宅への大量飛来よりも、繁殖や越冬の時期にあたります。年や地域で前後するため、表は目安として使ってください。

住宅に来る時期は秋の越冬前と春の2回|月別の目安:確認項目
時期(目安)カメムシの動き資料での記載家で意識すること
4〜6月ごろ越冬した成虫が、餌になる植物を求めて飛び立つ千葉市は、越冬したカメムシが4〜6月ごろに餌を求めて飛び立つと説明洗濯物や壁への付着、窓からの飛び込みに注意する。越冬していた個体が室内で動くこともある
5〜8月ごろ繁殖と成長の時期。果樹では夏以降の被害に注意が呼びかけられる農林水産省は、果樹カメムシ類の被害は春と秋が中心で、秋は繁殖した個体による被害と説明。大阪府は2026年5月22日にも果樹カメムシ類の注意報を発表していた洗濯物や夜の照明に個体が来ることはあるが、住宅への大量飛来は秋が中心とされる
9〜11月ごろ越冬場所を求めて集団で移動する千葉市は9〜11月ごろ、堺市は10〜11月ごろに屋内への侵入があると説明洗濯物、窓・網戸のすき間、夜の照明を点検する
12〜2月ごろ落ち葉の下や建物のすき間などで越冬する農林水産省は、広葉樹の落ち葉の下などで越冬すると説明冬の間に家の中へ入っていた個体が、窓際や収納に残っていないか確認する

参考:千葉市|カメムシ(住居衛生相談)

自分の県のカメムシ注意報・警報を調べる手順

農林水産省は、国が都道府県の協力のもとで植物防疫法に基づき発生予察情報を提供していると説明しています。国のまとめは都道府県が出す情報を集めたもので、地域ごとの詳細は都道府県の病害虫防除所のページを見るよう案内しています。同じページに都道府県別のリンクが並んでいるため、自分の県のページへそこから進めます。

農林水産省が2026年9月24日現在でまとめた果樹カメムシ類の発表状況では、注意報が47件(31府県)で、警報は0件でした。これは2026年の例であり、毎年この数になるわけではありません。見るときは件数よりも、自分の県の発表日、対象地域、発生量の書き方に注目します。

これらは果樹などを守るための情報で、住宅への飛来量を予測するものではありません。ただ、前の節で触れたように、果樹の害虫として知られる種類が秋に住宅にも来るため、同じ種類の発生量を知ることは、洗濯物や窓まわりを早めに見直す判断材料になります。

調べる手順

県のページは構成が異なるため、探す言葉を変えながら、次の順に見ていきます。最初から細かい数字を読み込む必要はなく、まず発表の有無と日付、発生量の表現を確認します。

  • 農林水産省の「病害虫発生予察情報」のページを開き、「都道府県の発生予察情報」から自分の県を選ぶ
  • 県の防除所のページで、「注意報」「予報」「果樹カメムシ類」といった項目を探す
  • 発表日、対象作物と地域、発生量の表現(多い・やや多いなど)を読む
  • 根拠として、トラップや予察灯の誘殺数が平年と比べてどうかを確認する
  • 注意報が出ていない年でも、県の臨時情報や越冬量の調査結果が載っていないか見る

愛知県・大阪府・和歌山県の掲載例(2026年10月時点)

愛知県は、県農業総合試験場の病害虫防除室がまとめた「果樹カメムシ類情報」を公開しています。第3号(2026年9月2日)は、新城市の予察灯でチャバネアオカメムシとツヤアオカメムシの誘殺数が過去10年で最も多かったことなどを、平年や前年の数と並べて伝えています。大阪府は2026年9月2日付の注意報第4号で、果樹全般について発生量が「多い」、発生地域は府内全域と発表しました。

和歌山県は「果樹カメムシ情報」のページで、県の病害虫防除所と地域協議会が行うトラップや予察灯の調査結果、チャバネアオカメムシの越冬量調査の結果を集めて公開しています。どの県も、数字を平年や前年と比べる形で多い少ないを示す点が共通しています。

自分の県のカメムシ注意報・警報を調べる手順:確認項目
資料意味読むときの注意
注意報警報を発表するほどではないが多発が予測され、早めの防除が必要な場合に、都道府県の判断で発表される農作物(果樹など)向けの情報。住宅への飛来を示すものではない
警報重要な病害虫の大発生が予測され、早急な防除が必要な場合に発表される発表のない年もある。2026年9月24日現在の農林水産省のまとめでは、果樹カメムシ類の警報は0件
予報・臨時情報トラップや予察灯の誘殺数などの調査結果と、今後の見通しをまとめたもの調査地点が限られ、自宅周辺と同じ数とは限らない
越冬量の調査冬を越した個体の数を調べた結果で、春の発生の見通しに使われる農林水産省が調査結果を公開しており、和歌山県のページにも越冬量の調査結果がある

参考:農林水産省|病害虫発生予察情報

家でまず行うカメムシ対策の優先順位

発生予察情報が出ていても、家でできることは大きく変わりません。堺市は、10〜11月は外干しをやめて室内干しにすること、夜間の照明を最低限にすること、2〜3mmのすき間を隙間テープなどでふさぐことを案内しています。優先順位は、「被害に直結する洗濯物」「入口になるすき間」「誘引する光」の順に考えると、手を付けやすくなります。

薬剤を使う場合は、順番の最後に置きます。堺市は、見つけた個体を潰さずに捕まえるか、市販のカメムシ殺虫剤を使う方法を案内していますが、殺虫剤は製品ごとに使用場所や対象が違います。個体の退治はカメムシの退治方法、部位ごとのすき間の点検はカメムシを寄せ付けない家の対策で詳しく扱っています。

家でまず行うカメムシ対策の優先順位:確認項目
優先対策根拠として確認した資料ポイント
1洗濯物を外に干さない(特に10〜11月)堺市の案内。アース製薬は、白っぽい洗濯物に集まる習性を説明外干しの日は、取り込む前に表と裏を確認する
2窓・網戸・サッシのすき間を点検する堺市は、2〜3mm程度のすき間があれば侵入すると説明開閉や換気に支障のない範囲で、隙間テープなどを使う
3夜の照明を減らす・見直す堺市は、必要最低限の明るさと、紫外線をカットした防虫ランプへの交換を案内点灯する場所と時間を決める
4家のまわりの雑草を刈る千葉市は、雑草を刈り取って餌になる物を減らすことを案内雑草が茂った面の窓は閉めきるか、防虫網をつける
5入った個体をそっと外に出す堺市は、潰さないように紙やテープで捕獲する方法を案内素手でつかまない
6薬剤は表示を確認して補助的に使う堺市は、市販のカメムシ殺虫剤や、窓周辺への塗布を案内屋外専用かどうか、かけてはいけない物は何かを表示で確認する

参考:堺市|相談の多いくらしの虫たち カメムシ

カメムシ対策の基本|洗濯物・照明・窓まわり

ここでは、秋の飛来が増える前に確認したい基本を3つに絞ります。部位別の点検表や薬剤表示の読み方は別の記事で扱い、この節では、いつ何をするかを決める材料にします。

洗濯物の干し方

堺市は、10〜11月に外干しをやめて室内干しにすると、カメムシの付着を防ぐ効果があると説明しています。外干しを続ける日は、取り込む前に白っぽい布の表と裏、ハンガーやピンチの周りを見る習慣をつけます。付いていたら、刺激を与えないよう静かに取り除きます。

夜の照明の見直し

堺市は、夜間は最低限の明かりにし、必要な照明は虫が好む紫外線をカットした防虫ランプに交換すると、飛来を防ぐ効果があると案内しています。照明の位置と入口が重なっていないかを確認する考え方は、夜の照明に虫が集まるときの見直し方にまとめています。

窓・網戸まわりの確認

堺市は、カメムシは2〜3mm程度のすき間があれば屋内に入るとして、網戸や窓のすき間を隙間テープでふさぐことを勧めています。千葉市は、雑草が茂った面の窓を閉めきるか、防虫網をつけることも案内しています。どこまでを自分で行い、どこから設備の担当者に任せるかは、害虫の侵入予防の線引きが参考になります。

参考:堺市|相談の多いくらしの虫たち カメムシ

カメムシ大量発生はいつまで続くかの考え方

アース製薬は、カメムシの寿命を1年ほどと説明しています。春先に見られるのは前年に生まれて越冬した成虫、秋から冬に見られるのはその年に生まれた個体が中心で、産卵期の夏前後には両方の世代がいるため、条件が整うと数が増えます。

秋の飛来は、千葉市が9〜11月ごろ、堺市が10〜11月ごろと説明しており、この間は数の多い年だと、毎日のように見かける日が続くことがあります。その後は越冬に入り、千葉市の説明では、越冬したカメムシが4〜6月ごろに再び動き出します。「いつ終わるか」は年と地域で違うため、期間の予想より、侵入口と誘因を減らす作業を優先します。

季節の点検を年間の予定にしたい場合は、建物の害獣・害虫点検を年間計画にする方法が使えます。秋の前(8〜9月)と春の前(2〜3月)に、窓・網戸・照明・洗濯物の見直しを予定に入れておくと、慌てずに済みます。

参考:アース製薬|害虫なるほど知恵袋 カメムシが洗濯物につくのはなぜ?

カメムシで自治体や業者に相談できること・できないこと

千葉市は保健所の住居衛生相談、堺市はくらしの虫相談係で、カメムシを含む虫の相談を受けています。一方で、札幌市は、市ではねずみ・害虫の駆除を行っておらず、業者は自分で選ぶ必要があると案内し、対処方法の助言は保健センターや保健所で受け付けているとしています。駆除の作業まで行うかどうかは自治体で違うため、まずは相談窓口で「何を教えてもらえるか」を確認します。

相談する前に、発生した場所(どの窓・外壁か)、始まった時期、洗濯物や照明の見直しの有無、使った薬剤を記録しておくと、状況が伝わります。外壁の薬剤処理や、すき間の補修を業者に頼むときの確認点は、カメムシを寄せ付けない家の対策の中でまとめています。

カメムシで自治体や業者に相談できること・できないこと:確認項目
相談先相談できることできないこと・注意
市区町村の保健所・衛生担当(千葉市の住居衛生相談、堺市のくらしの虫相談など)虫の種類の確認と、家庭での対処方法の助言個別の駆除作業を行わない自治体がある(札幌市は市での駆除は行わず、助言は保健センターなどで行うと案内)
都道府県の病害虫防除所果樹・稲・野菜などの発生予察情報の確認公開されている情報は農作物向け。住宅の虫の相談先は、お住まいの自治体の案内を確認する
駆除業者・施工業者外壁やサッシ周辺の薬剤処理、すき間の補修の見積もり作業範囲、使う薬剤、効果の見方を事前に確認する。札幌市は業者の指定はなく、自分で選ぶと案内
賃貸の管理会社・オーナー共用部や外壁の点検、修繕外壁や共用部は、入居者が無断で作業しない

参考:札幌市コールセンター|よくある質問「ねずみや害虫などを駆除してほしい」