ネズミの寿命は何年?家ネズミ3種の目安
大阪府の「ねずみの駆除について」のページは、衛生上有害な家ネズミ3種の寿命と繁殖を、最適な条件下の目安として表にしています。クマネズミとドブネズミは寿命が約3年、ハツカネズミは1〜1.5年です。同じ資料は、自然界ではこの表ほど長生きではなく、1年以上生きるものは約5%程度だと言われている、とも書いています。ページの更新日は2009年で、数値は目安として読みます。
野外と飼育下の違いを数値で示した資料は、今回確認できませんでした。この記事で言う「最適な条件下」は、餌や巣などの条件がそろった状態の目安です。ペットとして飼われるマウスやラットの寿命は、この資料の対象ではありません。
東京都の質問集は、生後3か月から出産し、条件が良ければ年に6〜7回分娩し、1回に6〜10匹程度の仔を生む、と別の数字を示しています。資料によって幅があるため、数字は「だいたいこのくらい」と読み、細かな差で判断しないようにします。
| 種類 | 寿命(最適条件下の目安) | 繁殖可能期間 | 妊娠期間 | 年間分娩回数 | 1回の出産数 |
|---|---|---|---|---|---|
| クマネズミ | 約3年 | 生後約3か月から2年 | 約21日 | 5〜6回 | 約6匹 |
| ドブネズミ | 約3年 | 生後約3か月から2年 | 約21日 | 5〜6回 | 約8匹 |
| ハツカネズミ | 1〜1.5年 | 生後約35日から | 約20日 | 6〜10回 | 約6匹 |
ネズミの寿命は何年ですか?
大阪府の資料では、最適な条件下でクマネズミとドブネズミが約3年、ハツカネズミが1〜1.5年です。自然界では長生きではなく、1年以上生きるのは約5%程度と言われています。数値は2009年更新の目安として読みます。
寿命より先に世代交代が進む仕組み|放置するとどう増えるか
ネズミが居続ける理由は、1匹ごとの寿命ではなく、繁殖の速さにあります。大阪府の表では、クマネズミとドブネズミは生後約3か月で繁殖が始まり、妊娠期間は約21日、年に5〜6回出産します。仔が育って次の世代を生む間隔が、約3年の寿命よりずっと短いため、古い個体が死んでも、新しい個体が入れ替わります。
「ねずみ算」で、ひとつがいが1年で9,434匹になるという計算があります。大阪府の資料も東京都の質問集も紹介していますが、東京都は、実際には餌の量、巣の場所、仲間同士の争いなどの制限要因があるので、そこまで増えることはない、と説明しています。この数字が示しているのは、増える速さの目安であって、実際の頭数ではありません。
繁殖には、条件が必要です。ネズミは、人の目に付きにくく暖かい場所に、布切れや紙くずなどを集めて巣を作ります。東京都の質問集は、クマネズミの場合、天井裏、あまり使わない押入れ、壁の中、冷蔵庫やテレビの後ろなどを挙げています。餌、巣材、安全な場所がそろうほど、繁殖しやすくなります。巣材になりうるものの見分けは、細かく裂かれた紙や布はネズミの巣?で確認できます。
ネズミが自然にいなくなるのはどんな場合か|餌・巣・侵入口の3条件
結論から言うと、今回開いた公的資料の中に、ネズミが何もしなくても自然にいなくなると説明するものは見つかりませんでした。東京都の質問集は、部屋に侵入したネズミは、そこが営巣に適した環境であれば居続けて繁殖し、食べ物が得やすいと分かれば餌場に使う、と説明しています。
いなくなる、または減る可能性があるのは、条件が変わったときです。東京都の質問集は、すき間をふさいだ場合、屋内の餌の保管方法が完全ならネズミは餓死するが、すき間は侵入にも使われるため、家の中の状況がそのままなら従来どおり生息し続ける、と書いています。餓死までの日数は温度で異なり、寒いと1日以内、暖かいと4〜5日と説明されています。
ただし、ネズミは営巣場所と採餌場所を分けて暮らせます。食べ物をしまっていても、巣として使われていれば入られます。空き家のように、静かで巣材が残っている家は絶好の繁殖場所で、餌がなくても他の家の台所やペットの餌場などに通って採餌できる、という説明もあります。また、屋内のネズミは人の生活パターンに左右され、人が寝静まった夜間や留守の時間帯に活動することが多いとされます。昼間に姿を見なくなっても、いなくなったとは限りません。
| 条件 | 続いているとき | 変わったとき(資料の記載) |
|---|---|---|
| 餌 | 台所の食材、生ごみ、ペットフードなどが餌場になる | 容器に入れて管理する。屋内の餌の保管が完全で、すき間もふさがれていれば、ネズミは餓死することがある(東京都) |
| 巣材・巣の場所 | 暖かく人目につかない場所に、紙や布、ビニールを集めて巣を作る | 巣材になる布、紙、ビニールを片付け、巣を取り除く(東京都) |
| 侵入口・通り道 | すき間があれば出入りでき、歯がかりがあれば齧って通路にする | クマネズミは1.25cmのすき間があれば通れる。見つけた侵入口をふさぐ(東京都) |
放置した場合に広がる被害|食品・配線・断熱材・衛生
ネズミを放置すると、被害は食品だけでなく、住まいの設備や衛生に広がります。東京都の質問集は、ほとんどの建材は齧られ、金属でもアルミニウム程度なら齧られると説明しています。家電製品の電気コードを齧ってショートさせたときに、巣に引火して火災を起こすことがある、という説明もあります。
製品評価技術基盤機構(NITE)は、平成24年度から28年度の5年間に、ペットや小動物・害虫による製品事故が78件あり、そのうち小動物や害虫の事故が52件、78件の約72%(56件)が火災に至ったと紹介しています。小動物や害虫がエアコンやガスふろがまなどの内部に入り込み、基板に触れてショートしたり、内部配線を齧ってショートさせたりした例です。この数字は2012〜2016年度の事故情報で、ネズミ以外の小動物や害虫も含みます。
壁の中や天井裏では、断熱材が巣の材料に使われることがあります。東京都の指針の資料は、天井裏の断熱材が巣材に使われている場合は、住まいの侵入口をふさぐ以外に方法はないとしています。衛生面では、東京都の資料が、日本の家ねずみ類からの感染が報告されている、または危惧される感染症として、鼠咬症、レプトスピラ症、サルモネラ症、腎症候性出血熱などを一覧にしています。ネズミの駆除後に死骸や巣からイエダニが離れて人を刺すこともあるため、ダニに毎日刺されるときはイエダニも確認も参考にしてください。
| 被害 | 公的資料の記載 | 放置で起きやすいこと |
|---|---|---|
| 食品 | 食品は齧られる。段ボール箱は容易に齧られるため、缶やプラスチックなどのふた付き容器か、すき間のない戸棚にしまう(東京都) | 食品の廃棄が続き、餌場として定着する |
| 配線・設備 | 電気コードの齧りでショートし、巣に引火して火災になることがある(東京都)。ペットや小動物・害虫による製品事故は、約72%が火災に至った(NITE) | 漏電、停電、火災のおそれが続く |
| 建材・断熱材 | 金属でもアルミニウム程度なら齧られる(東京都)。天井裏の断熱材は巣材に使われる(東京都) | 侵入口が広がり、巣が壁の中や天井裏に定着する |
| 衛生 | 家ねずみ類からの感染が報告または危惧される感染症がある(東京都)。ダニやノミが人を刺す二次的な被害もある(大阪府) | フン尿とノミ・ダニの問題が続き、不衛生な状態が広がる |
参考:製品評価技術基盤機構(NITE)|身近な動物が思わぬ火災事故を引き起こします(記者説明会のご案内、平成29年8月、PDF)
ネズミがいなくなったかを確かめる方法|新しい痕跡の記録
姿を見なくなっても、いなくなったとは限らないため、痕跡で確かめます。東京都のねずみ防除指針の資料にある「ねずみ被害チェック表」は、姿、音、声、糞、食害、齧害、ラットサイン、痒みを項目にして、場所と時間を記録する形になっています。糞は、新しいものは生息の可能性、古いものは迷入の可能性と読み、大きさの違う糞が同じ場所にあれば繁殖している可能性がある、と注記されています。
記録を日付つきで続けると、対策の前後を比べられます。新宿区保健所のリーフレットが紹介するように、床に小麦粉を薄くまいて足跡の有無を見る方法もあります。足跡の見方はネズミの足跡の特徴で別に整理しています。東京都の指針は、防除作業のあとに効果判定を行う考え方を、総合防除の一部として示しています。
- 新しいフンが増えていないか(同じ場所の写真を日付つきで比べる)
- 夜の天井裏や壁の中の音が続いていないか(時間帯と場所を記録する)
- 食品、配線、建材に新しい齧り跡がないか
- 壁際の黒い汚れや足跡が増えていないか
- 粉をまいた場合は、新しい足跡が付いていないか
対策を始める時期と相談の目安|10〜11月に増える相談
東京都の質問集は、一般に、寒くなる10〜11月ごろに暖かい民家へ侵入するため苦情相談が多くなり、外が暖かくなる3月ごろから少なくなると言われている、と説明しています。平成11〜15年度の東京都の月別平均では、10月と11月が相談のピークで、冬場の相談件数は夏場の1.5〜2倍程度でした。ただし、年間を通して相談は多く、季節が過ぎれば自然に減るから待つ、という判断の根拠にはなりません。
空き家は、静かで巣材が残っていれば繁殖場所になりやすいため、事前の侵入防止が大切とされています。集合住宅では、自分の家だけ駆除しても他から来る可能性があり、東京都の質問集は、近隣が一斉に駆除する、ネズミがいないときに防そ工事をするといった対策が重要だと述べています。集合住宅の考え方は集合住宅のネズミにまとめています。
自分で始められるのは、食べ物と巣材の管理、手の届く範囲のすき間の確認までです。家に入るクマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミは鳥獣保護管理法が適用されない種類で、捕獲に許可は要らないと神奈川県が案内しています。それでも、天井裏や壁の中の調査と封鎖が必要な場合は、専門の事業者に調査を相談します。費用の見方はネズミ駆除の一軒家の相場、業者の比べ方はネズミ駆除業者おすすめの選び方が参考になります。





