スズメバチの活動時期は4月から11月ごろ|一年の流れ
スズメバチの巣は1年限りです。神戸市は、4月中旬ごろに新女王蜂が越冬から目覚めて巣作りの準備を始め、6月ごろに女王蜂が1匹で巣を作り、7月上旬から8月上旬に働き蜂が生まれると説明しています。7月下旬から8月中旬が最盛期で、9月から10月に新女王蜂とオスバチが数十匹ずつ生まれ、11月から3月は新女王蜂だけが、巣から離れた石垣や朽ち木のすき間で冬を越します。
活動期間は種類で少し違います。川口市は、コガタスズメバチを5月から11月中旬ごろ、キイロスズメバチを5月から12月上旬ごろ、オオスズメバチとモンスズメバチを5月から11月ごろとしています。船橋市も、ハチの活動時期は概ね3月から11月と言われていると案内しています。活動時期の中で、巣の大きさと働き蜂の数が変わるため、同じ月でも、春の巣と秋の巣では危険の度合いが違います。
スズメバチを見かけたときの考え方は、スズメバチらしいハチが出入りするときの相談 で整理しています。次の節で、月ごとの巣の様子と、住まいでの動き方を表にします。
スズメバチが最も活発になる時期はいつですか?
自治体の資料では、刺される被害が多いのは7月から10月で、巣が最大になるのは9月ごろとする自治体があります(札幌市・船橋市など)。神戸市は最盛期を7月下旬から8月中旬としており、地域で差があります。
月別カレンダー|巣の成長と、その月にできること
次の表は、神戸市、川口市、札幌市、秋田市などの記載を重ねた目安です。実際の時期は、地域の気候、種類、巣のある場所で前後します。月ごとの欄には、住まいの周りで何をするとよいかも合わせて書きました。
剪定、草刈り、洗濯物の取り込み、家の周りの掃除など、巣に刺激や接触が起きやすい行動が、どの月に重なるかを考える材料にしてください。巣を見つけたら、時期にかかわらず、離れた位置から確認して相談します。
| 月 | 巣と働き蜂の様子(自治体の記載から) | 住まいでの動き方 |
|---|---|---|
| 4月 | 越冬した女王蜂が目覚め、樹液などで水分をとりながら巣作りの準備を始める(神戸市)。市に寄せられる相談や駆除も4月から始まる(船橋市) | 軒下、戸袋、換気口、庭木を、地面から見上げて確認し始める |
| 5〜6月 | 女王蜂が1匹で巣を作り、産卵と幼虫の世話をする。コガタスズメバチは徳利を逆さにした形の巣(川口市) | 小さな巣でも近づかない。見つけたら種類・場所・高さを記録して相談先を決める |
| 7月 | 働き蜂が生まれ、巣が大きくなっていく。コガタスズメバチの巣はほぼ球形になる(神戸市・川口市) | 巣の近くを通る動線を避ける。剪定や草刈りの前に周りを確認する |
| 8月 | 巣の大きさと働き蜂の数がピークになる最盛期がある(神戸市)。船橋市の相談と駆除は8月がピーク(令和2年度) | 洗濯物や庭仕事の前に、巣がないか離れて見る。連絡は早めにする |
| 9月 | 札幌市は9月ごろに巣が最大になるとし、秋田市は9・10月は集団が最大でエサが少なく、新女王やオスが生まれて危険な状態とする | 巣の近くには寄らない。出入りする場所を記録し、生活に支障があれば相談する |
| 10月 | 新女王蜂とオスバチが生まれる(神戸市)。札幌市は10〜11月ごろ巣が空になるとするが、活動が続く地域や種類もある | まだ近づかない。巣から離れて飛ぶハチが見られることもある(川口市) |
| 11月 | コガタスズメバチ・オオスズメバチ・モンスズメバチは11月ごろまで活動し、その後は新女王蜂以外が死んで巣は空になる(川口市) | 出入りがなくなったかを離れて確認する。空の巣の扱いは相談する |
| 12月 | キイロスズメバチは12月上旬ごろまで活動する(川口市) | ハチが出入りしている巣には、冬でも近づかない |
| 冬(12月〜3月) | 巣は空になり、新女王蜂だけが朽ち木などで越冬する。巣は翌年に再利用されない(神戸市・川口市) | 来年の春の点検に、今年の巣があった場所を加える |
刺される被害が多い時期|公的資料の記載
自治体の資料は、刺される被害が多い時期を、おおむね夏から秋としています。神戸市は、ハチの活動が活発になる夏から秋、特に7月から9月に注意するよう案内しています。松戸市は、蜂の被害は主に7月から10月に多発し、その理由を、ハチの数が一気に増える時期であり、それに伴ってハチ自体が活発になり、攻撃性を増すためだと説明しています。
巣が最も大きくなる時期の記載は、少しずつ違います。札幌市は、7月から9月ごろに働き蜂が生まれて巣が大きくなり、9月ごろに最大となり、1年で最も刺されやすい時期だとしています。船橋市は、巣が最大になる9月ごろは特に危険で、市への相談とスズメバチの駆除は4月に始まり8月にピークを迎えると紹介しています。これは令和2年度の件数を載せたものです。神戸市のスズメバチの記載では、最盛期は7月下旬から8月中旬です。
刺された件数や死亡数の全国統計は、公的な統計の該当ページを今回確認できなかったため、この記事では数字を示しません。ここで言えるのは、巣の中のハチの数が増える夏から秋ほど、巣に近づく行動が刺される危険につながりやすい、という自治体の説明です。
- 7月から10月: 働き蜂が多く、被害が多発する時期(松戸市)
- 9月ごろ: 巣が最大になり、特に注意が必要な時期(札幌市・船橋市・秋田市)
- 8月: 市への相談とスズメバチの駆除件数のピーク(船橋市の令和2年度)
10月・11月のスズメバチ|秋に注意が必要な理由
秋は、巣が大きい状態のまま活動が続き、人の目に触れるハチも増える季節です。10月から11月の巣の状態と、秋に攻撃的になるとされる理由に分けて、公的資料の記載を整理します。
10月でも、巣はまだ活動していることがある
『10月だからもう大丈夫』とは言えません。神戸市は、9月から10月ごろに新女王蜂とオスバチが生まれ、冬になってハチが出入りしなくなるまで十分に注意するよう案内しています。川口市は、コガタスズメバチとオオスズメバチを11月ごろまで、キイロスズメバチを12月上旬ごろまで活動すると紹介しています。一方、札幌市は10月から11月ごろに巣が空になるとしており、地域による差があります。
秋に攻撃的になるとされる理由
秋田市は、9月と10月は巣の集団が最大になり、エサが少なくなるうえ、新女王蜂が生まれ、オスバチも出てくるため、危険な状態になっていると説明しています。川口市は、10月以降はハチのエサになる虫が少なくなるため、オオスズメバチがエサを求めて遠くまで飛び、街中でも単独や数匹の姿が見られるとしています。ただし、巣から離れて飛んでいるハチがむやみに人を刺すことはないとも注意しています。
秋には、別の理由で目に付くハチも増えます。船橋市は、高層マンションの高層階でスズメバチが集団で飛び回ることがあり、高い所を目印にオスバチが集まり、そこへ新女王蜂が飛来して交尾する行動だと説明しています。オスには針がなく、針のある女王蜂も手でつかまない限り刺されることはないとしています。松戸市は、10月ごろに営巣活動が終わると暖かい洗濯物にハチが止まることがあるため、取り込む前に止まっていないか確認するよう案内しています。
参考:秋田市|衛生害虫(ハチ)
気温と活動の関係、時間帯について言えること
『何度から活動するのか』『何度以下なら安全か』という疑問に、今回確認できた自治体の資料には、数値の目安がありませんでした。資料が示しているのは、月ごとの巣の成長と、時間帯による違いです。気温の高い低いだけで安全と判断せず、月と巣の位置を基準にしてください。
時間帯については、川口市が、モンスズメバチの働き蜂は日没後も数時間活動するので、灯火に集まったり室内に入ったりすることがあると説明しています。神戸市は、暗闇ではハチの活動が鈍ると案内していますが、これは作業を行う場合の説明の中にあるもので、夜になれば安全という意味ではありません。夜の外灯や窓の明かりに集まるハチがいる点にも注意が必要です。
- 気温の数値による『安全ライン』は、確認した公的資料には載っていない
- 活動は4月ごろから11月ごろまで続き、7月から10月に刺される被害が多い
- 日没後も活動する働き蜂がいる種類がある(川口市)
- 巣から離れて飛んでいるハチがむやみに人を刺すことはないとされるが、巣には近づかない(川口市)
地域によって時期がずれる|自治体の記載を比べる
同じスズメバチでも、巣作りの始まりや、巣が最大になる時期は地域で差があります。北海道の札幌市は、5月から6月ごろを巣作りが始まる時期とし、9月ごろに巣が最大になり、10月から11月ごろに巣が空になると説明しています。関西の神戸市は、4月中旬に女王蜂が目覚めて、7月下旬から8月中旬に最盛期になるとしています。
表の自治体は、2026年10月3日に資料を確認できたところの例で、全国を網羅するものではありません。巣が最大になる時期は、9月とする自治体と、7月下旬から8月中旬とする自治体が混ざっており、種類や気候、資料の書き方の違いも影響します。時期の判断には、お住まいの自治体の案内が最も近い情報になります。
表の数字は、4月から11月に集中しています。反対に言えば、12月から3月は、自治体の資料では活動の中心から外れる期間です。ただし、キイロスズメバチは12月上旬ごろまで活動するとされています。冬になっても、ハチが出入りしている巣には近づかないでください。
| 自治体 | 巣作りが始まる時期 | 巣が大きくなる時期 | 巣が空になる時期 |
|---|---|---|---|
| 札幌市 | 5〜6月ごろ | 7月ごろから大きくなり、9月ごろに最大 | 10〜11月ごろ |
| 秋田市 | 春に女王蜂が単独で作り始める | 9・10月に集団が最大 | 時期の記載なし。夏の終わりに新女王が生まれ、秋に交尾して朽ち木で越冬する |
| 川口市 | コガタスズメバチは5月中旬ごろから。ほかの種類も5月から | 7月以降に働き蜂が増える。キイロスズメバチは8月以降に非常に多くなる | コガタ・オオ・モンは11月ごろ、キイロは12月上旬ごろまで活動 |
| 船橋市 | 記載なし(市への相談と駆除は4月から。令和2年度の件数) | 8月に相談・駆除がピーク。巣が最大になるのは9月ごろ | 活動時期は概ね3月から11月 |
| 神戸市 | 4月中旬に女王蜂が目覚め、6月ごろ1匹で巣を作る | 7月下旬〜8月中旬に最盛期 | 11月から3月は越冬期で、巣は空 |
駆除を頼む時期による作業の違いと、見積もりで確認すること
駆除の費用や作業は、時期によって巣の状態が違うため変わります。川口市は、料金は業者が独自に決め、ハチの種類、巣の大きさ、巣のできた場所によって大きく異なるので、電話などで状況を説明し、複数の業者から概算の見積もりを取って比較するよう案内しています。この記事では金額は示さず、時期で変わる作業の確認点を整理します。
横浜市旭区は、女王蜂が巣を作り始める4月下旬から6月は巣にいるハチの数が少ないので、比較的安全に安価に駆除できるとしています。神戸市は、ボール型に大きくなった巣の駆除は大変危険だとして、専門業者への依頼を求めています。神戸市の助成制度は2022年3月31日で終了しており、自治体の補助や無料対応は地域で違います。
金額の確認には、ハチの巣駆除の費用を比べる見積もりの読み方 が使えます。時期にかかわらず、巣の撤去、死骸の回収、再訪の対象を、作業前に書面で確認してください。神戸市は、広告では安価な費用を示しながら高額を請求されたという相談が消費生活センターに寄せられているとして、作業内容と金額に納得してから契約するよう求めています。
| 時期 | 巣の状態 | 見積もりで確認する点 |
|---|---|---|
| 春(4〜6月) | 小さい巣。女王蜂が1匹 | 巣の位置と高さ、種類の確認が現地調査に含まれるか。小さくても出張や調査の費用が別にかかるか |
| 夏(7〜8月) | 働き蜂が増え、巣が大きくなる。最盛期 | 防護や高所作業の追加があるか。相談と駆除が8月にピークになる自治体もあり、作業日と連絡方法を確認する |
| 秋(9〜10月) | 巣が最大。新女王蜂とオスバチが生まれる | 巣の大きさに応じて、撤去と処分が含まれるか。作業後に残るハチの扱い |
| 晩秋〜冬(11月〜) | 出入りがなくなり、巣が空になる | ハチの処置が必要か、空の巣の撤去だけを頼むか。撤去する場合の範囲 |
参考:横浜市旭区|ハチの相談
冬の巣と、翌年の女王蜂への備え
巣の季節は冬に終わりますが、点検の季節は冬から始まります。冬に見つけた巣の扱いと、翌年に向けた備えを分けて整理します。
冬に見つけた巣は、空の巣のことが多い
川口市は、スズメバチの巣の利用は1年限りで再利用されることがなく、働き蜂とオスバチは冬を越せないため、冬にスズメバチの巣を見つけても心配する必要はないと説明しています。札幌市も、10〜11月ごろに巣は空になり、空の巣は再び使われないので、ハチの出入りのない巣はそっとしておくよう案内しています。
出入りの有無は、離れた位置から時間を変えて確認します。判断がつかなければ、撤去を考える前に、出入りの様子を相談先へ伝えてください。ハチが出入りしている巣には、冬でも近づかないことが前提です。
翌年の春の点検に加える
越冬した新女王蜂は、翌年の春に、新しい場所で巣作りを始めます。神戸市は、巣が残っていても翌年に利用されることはないとしています。同じ場所を選ぶかどうかは分かりませんが、今年巣があった軒下、換気口、戸袋は、春の点検の最初に見ておくと確認しやすくなります。
春の初期の巣の見分け方と、4月からの点検の進め方は 蜂の巣の作り始めの見分け方 にあります。年間の点検計画に組み込むなら 建物の害獣・害虫点検を年間計画にする が参考になります。




