種類別の対策ガイド
テンの駆除・対策ガイド
屋根裏への侵入やフンの特徴、イタチ・ハクビシンとの違いを知りたい。
テン(ニホンテン)はイタチ科の中型哺乳類で、本州、四国、九州、淡路島にホンドテン、対馬にツシマテンが自然分布しています。北海道と佐渡には人が持ち込んだものが生息しています。農林水産省のマニュアル(令和6年3月版)によると頭胴長は40cm前後、尾長は20cm前後で、夏は顔が黒く体は茶褐色、冬毛は顔が白く体が明るい黄色になります。国立環境研究所の侵入生物データベースは体重を1.1〜1.5kgとしています。
果実、昆虫、小型の動物を主に食べる雑食性で、季節ごとに手に入りやすい物へ食べ物を切り替えます。森林、とくに林の縁をよく利用するため、中山間地域の集落も生活の場になります。木登りが得意で、太い木を垂直に登り、細い枝を渡り、木から木へ跳び移ることができます。ふだんは樹洞などを巣穴や休み場所にしますが、中山間地域では家屋の屋根裏や物置を使うことがあり、ここから住宅の被害が生じます。
被害としては、ブドウ、カキ、イチゴなどの食害や、鶏舎に入り込んでニワトリや卵を襲う例が報告されています。ただし全国の被害統計には種ごとの集計がなく、被害の規模ははっきりしていません。国立環境研究所のデータベースでは交尾期は7〜8月、出産期は4〜5月で、一度に2〜4頭を産むとされています。春に屋根裏や物置で物音が続く場合は、子育てに使われている可能性も考えて対応を決める必要があります。
テンの被害を見分ける手がかり
| 手がかり | 特徴と確認のしかた |
|---|---|
| 姿(夏毛と冬毛) | 夏は顔が黒く体が茶褐色、冬は顔が白く体が明るい黄色になります。耳がはっきり外に出ている点がほかのイタチ類との違いです。ハクビシンは頭が黒く鼻筋が白いので、顔の模様で区別できます。 |
| 足跡 | 指は5本で、指の跡が丸く独立し、中心のパッドは半月形です。大きさは4cm以下とされ、同じ形で5cm以上ならアナグマ、中心のパッドが円形ならハクビシンが候補になります。 |
| フン | 細めで、片方の先が細くなる形です。石の上や天井裏で見つかることが比較的多いとされています。ハクビシンは水の中や天井裏にため糞をする傾向があります。フンは食べ物や時期で色や形が変わります。 |
| 果実の食害 | ブドウは袋を破ってその場で皮ごと食べ、皮がほとんど残らない食べ跡になります。カキほどの大きさの実は持ち去って別の場所で食べることが多く、実だけがなくなったように見えます。 |
| 屋根裏・物置の利用 | 中山間地域では屋根裏や物置を巣穴や休み場所にすることがあります。体重約1kgのオスが5cm角の金網を通り抜けたという試験結果があり、小さなすき間でも侵入口になります。 |
| 侵入の経路 | 野生の個体は太さ1mm以下のワイヤーを渡り、2mの幅跳びができたと報告されています。電柱の支線、屋根に近い樹木や物置が、建物への通り道になっていないかを確認します。 |
法律・制度上の注意
テンは鳥獣保護管理法の対象で、許可なく捕獲や殺傷をすることは原則として禁止されています。ツシマテンを除くテンは狩猟鳥獣ですが、狩猟として捕獲できるのは、狩猟免許を取得して都道府県に狩猟者登録をした人が、狩猟期間中に法定猟法で行う場合に限られます。それ以外で被害防止のために捕獲するには、都道府県知事や権限を移された市町村長などの許可が必要です。爆発物や劇薬、毒薬を使う方法は危険猟法として禁止されています。本州、四国、九州では在来種で、外来生物法の特定外来生物には指定されていません。
自分でできる対策
- 収穫しない柿などの果実や、畑に捨てた野菜・果物を片付け、餌場になる物を敷地に残さないようにします。
- 屋根裏や物置、鶏小屋のすき間を点検し、中に動物がいないことを確かめたうえで、すき間が5cmより小さくなるよう金属の網や板でふさぎます。
- 家屋から2mの範囲にある樹木の枝や物置など、屋根へ跳び移る足場になる物を減らします。
- 鶏小屋や果樹を柵で囲う場合は、登って越えられることを前提に屋根を付けるか、電気柵を取扱説明書に従って設置します。
- 足跡やフン、物音のした日時、食べられた作物を写真と一緒に記録し、相談先に具体的に伝えられるようにします。
相談を考える目安
- 屋根裏や壁の中の物音が続く、天井にシミが出るなど、建物の中に入られている様子があるとき。
- 春から初夏にかけて、屋根裏や物置で出産や子育てをしているおそれがあるとき。
- 侵入口が屋根や軒など高い所にあり、自分では安全に確認や補修ができないとき。
- 捕獲を希望するとき。無許可では捕獲できないため、市区町村の担当課か、許可の手続きに対応できる専門業者に相談します。
テンのよくある質問
- テンとイタチ、ハクビシンの違いは何ですか?
- 体の大きさと顔、足跡で見分けます。テンは頭胴長40cm前後、尾長20cm前後で、耳がはっきり外に出ており、冬は顔が白く体が黄色くなります。国立環境研究所のデータベースではシベリアイタチのオスは頭胴長28〜39cmで、テンより小さめです。足跡はテンもハクビシンも5本指ですが、中心のパッドはテンが半月形、ハクビシンが円形です。
- テンは自分で捕まえたり駆除したりしてよいですか?
- 許可なく捕獲や殺傷をすることはできません。テンは鳥獣保護管理法の対象で、被害防止のために捕獲するには都道府県知事や市町村長などの許可が必要です。ツシマテン以外は狩猟鳥獣ですが、狩猟には狩猟免許と狩猟者登録が必要で、期間や方法も決められています。まずは侵入口をふさぐ対策を行い、捕獲が必要な場合は市区町村の担当課に相談してください。
- テンは何を食べますか?
- 果実、昆虫、小型の動物を主に食べる雑食性です。国立環境研究所のデータベースは、ネズミなどの齧歯類、鳥類、両生類や爬虫類、昆虫、土の中の小動物、果実類を挙げています。農作物ではブドウ、カキ、イチゴの食害や、鶏舎でのニワトリや卵の被害が報告されており、庭の果樹や鶏小屋が家に近づく理由になります。
- テンは外来種ですか?
- 本州、四国、九州では昔から生息する在来種です。一方、北海道南部には毛皮生産のために東北地方から、佐渡島にはノウサギ駆除のために持ち込まれたものが定着しており、国立環境研究所の侵入生物データベースは国内で移入された地域がある種として掲載しています。外来生物法の特定外来生物には指定されていません。
- テンを屋根裏に入れないための対策は?
- すき間をふさぎ、屋根への足場をなくすことが基本です。農林水産省のマニュアルは、体重約1kgのオスが5cm角の金網を通り抜けたことから、すき間は5cmより小さくするよう勧めています。2mの幅跳びができるため、家の周り2mの範囲で屋根に届く樹木や物置を減らすことも有効です。ふさぐ前に、中に動物が残っていないことを確かめてください。
参考(確認日:2026年10月3日):農林水産省|野生鳥獣被害防止マニュアル 中型獣類編(アライグマ、ハクビシン、タヌキ、アナグマ等、令和6年3月版)、国立環境研究所|侵入生物データベース・ホンドテン、環境省|狩猟制度の概要、国立環境研究所|侵入生物データベース・チョウセンイタチ、環境省|日本の外来種対策・特定外来生物等一覧
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6記事調査を頼む前に、確認しておくこと。
被害への対応と建物の工事では、担当や費用の範囲が異なります。種類への対応可否、訪問費、追加作業の条件まで確かめましょう。
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