公表されている相談事例|表示額と請求額の差
国民生活センターは、2025年3月4日に「広告の格安料金に要注意!作業後に高額請求する害虫駆除トラブル」を公表しました。2024年8月に受け付けた20歳代の2件の相談が載っています。2024年4月の公表資料では、駆除サービスに関する相談が2023年度に2,000件を超え、10〜20歳代が契約当事者の相談が前年同期の約2.6倍に急増したと報告されています。表は、2つの公表資料に載ったゴキブリ駆除の事例を短くまとめたものです。
4つの事例に見られる共通点
どの事例も、広告の数百円〜千円台の表示に対して、実際の請求額は百倍以上になっています。4件のうち3件は夜間や明け方の出来事で、相談者は20歳代と30歳代です。これらは国民生活センターが公表した個別の相談で、業者名は公表されていません。
- 電話の時点で、料金や作業内容の説明が十分にない、または広告と違う金額を言われた(4件とも)
- 訪問後に、卵やフンがあると言われて、追加の作業を勧められた(2件)
- 作業の後または途中に、広告から大きく離れた金額が示された(4件とも)
| 公表 | 表示・説明 | 作業と請求 | 支払い・その後 |
|---|---|---|---|
| 2025年3月公表の事例1(20歳代女性) | 検索で見つけた「約500円〜」の業者。電話で「30分で訪問可能」と言われたが、折り返しは住所確認だけで、料金や作業内容の説明はなかった | 作業員1名が点検後、すき間とエアコンにスプレー。「フンや卵があった」と卵2個を見せられ、「室内全体の燻蒸が必要」として約20万円を請求 | 作業後その場で半額を支払い、残金は後日の振込を約束。高額だと感じ、クーリング・オフを希望 |
| 2025年3月公表の事例2(20歳代男性) | 一人暮らしの部屋で、「約1,000円から」と書かれた業者に電話。電話では料金の説明がなかった | 8畳程度の部屋の駆除・クリーニング・薬剤散布のあとで、作業請負契約書を示され、約50万円と言われた | その日に約10万円を現金で支払った。契約書にクーリング・オフの記載はなく、残金を払う必要があるか相談 |
| 2024年4月公表の事例1(20歳代女性) | 深夜に出たゴキブリ。「約500円から」の広告を見て電話し、電話では「1万円くらい」と説明された | 訪れた作業員が約10万円の見積書と契約書を示した。薬剤を撒く間、約40分外で待った | クレジットカードで支払い。翌日、管理会社の委託業者に「相場よりかなり高い」と言われた |
| 2024年4月公表の事例2(30歳代女性) | 深夜に出たゴキブリ。「基本料金約500円、追加料金なし」の記載を見て電話し、「基本料金は約5,000円」と言われた | 作業員2人が「卵もあった」「総額約15万円」と言いながら作業を進めた。中断を求めても聞き入れられず、約7万円を請求 | 強く支払いを求められ、その場でネットバンキングで支払った。返金を希望 |
参考:国民生活センター|【広告の格安料金に要注意!】作業後に高額請求する害虫駆除トラブル(2025年3月4日)
害虫駆除の詐欺は、どんな手口が公表されていますか。
国民生活センターは、ネットで見つけた「約500円〜」などの格安表示の業者を呼ぶと、作業後に約20万円や約50万円を請求された事例を公表しています。電話で料金の説明がなく、卵やフンを見せられて追加の作業を勧められた例もあります。個別の契約が違法かどうかは、188で相談して確認します。
格安表示の広告を見るときの確認点
国民生活センターは、駆除の作業内容や料金は、住宅の大きさや構造、害虫の発生状況によって異なり、「〇〇円から」「基本料金□□円」と表示されていても、その料金で依頼できるとは限らないと説明しています。特に3ケタ台のような極端な格安料金で依頼できることはまずないとしています。2026年7月の見守り情報でも、蜂の巣で「500円〜」の表示から約15万円の請求になった例が紹介され、極端に安い表示への注意が繰り返されています。
広告の数字の横にある条件の読み方は、「〇〇円から」の広告で聞く最低料金と実際の作業範囲で扱っています。広告の金額同士を比べる前に、見積もりの総額で確かめるほうが確実です。
- 金額に含まれる作業は何か(受付や点検だけか、薬剤処理や再訪まで含むか)
- 広さ・間取り・害虫の種類で、金額が変わるか
- 出張費・夜間や休日の加算・駐車料金・キャンセル料が別か
- 会社名、運営会社、所在地、連絡先が書かれているか
呼ぶ前にできること|管理会社への連絡と市販品での一時対応
国民生活センターは、害虫が突然出ても慌てず、緊急に駆除する必要が本当にあるのかを冷静に考え、賃貸住宅なら業者へ依頼する前に管理会社や大家に相談するのも一法だと助言しています。夜間や明け方で連絡がつかなくても、朝まで待てる範囲かどうかを先に考えます。
市販品を使う場合は、製品の表示に従ってください。薬剤の量や混ぜ方は、ここでは示しません。ゴキブリ用の毒エサの置き方はゴキブリの毒餌はどこに置く?スプレーとの併用と配慮、見かけた種類の見分けはクロゴキブリを家で見つけたときが参考になります。賃貸での連絡は賃貸で被害が起きたとき管理会社へ伝えることも確認してください。
| 選択肢 | できること | 向く場面 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 管理会社・大家へ連絡 | 見かけた日時・場所、写真を伝え、対応方法と費用の負担を聞く | 賃貸のアパート・マンション。夜間は留守番電話や受付フォームに状況を残す | 自分で業者を手配してよいか、費用は誰が負担するかを先に聞く |
| 市販品で一時的に対応 | 市販のスプレー、毒エサ、粘着シートを、製品の表示どおりに使う。粘着シートは出没場所や数の確認に使う | 1匹を見かけた段階。朝まで待てる状況 | 日本ペストコントロール協会は、粘着シートによる捕獲はあまり効果的な駆除ではないとしている。薬剤は説明書の用法・用量と注意を守る |
| 都道府県協会の害虫相談所へ電話 | 害虫の種類や対処方法を電話で相談する(電話相談は無料) | 受付時間内に、種類や対処を知りたいとき | 現場調査や施工は原則有料。事業者の紹介を受けられる場合もあるが、見積もりは自分で確認する |
| 翌日に複数社へ見積もりを依頼 | 同じ情報を伝え、総額と作業範囲を書面で出してもらう | 夜間に決めずに済む場合 | 「今日中に決めれば安くなる」といった説明は、断る理由になる |
電話で聞くこと|総額の目安と訪問後の費用
業者へ電話するときは、最初に総額の目安と、訪問後に断った場合の費用を聞きます。2025年の事例では、電話で料金や詳しい作業内容の説明がないまま訪問を受けたと説明されています。「ワンルーム」「アパート」など、広さと建物の種類を伝えると、金額の話が具体的になります。
料金の示し方の例として、ダスキンのゴキブリ駆除(1回ごと)のページ(2026年10月3日確認)は、駆除対象面積ごとの料金例を示したうえで、金額は料金例でスタッフが訪問して見積もること、契約後のキャンセルや予定変更にはキャンセル料がかかる場合があること、土日祝・夜間は追加の費用が発生する場合があることを記載しています。電話の時点で、同じ種類の注意書きに当たるものがないかを聞いておくと、到着後の驚きを減らせます。
- 「ワンルーム(約○畳)で、ゴキブリを1匹見かけた段階です。総額の目安はいくらですか」
- 「出張費・調査費・夜間の加算・駐車料金は別ですか」
- 「見積もりだけで断った場合、費用はかかりますか」
- 「作業内容と金額を、作業の前に書面か画面で見せてもらえますか」
- 「会社名、所在地、担当者名を教えてください」
到着後に金額を確認し、納得できなければ断る
訪問に来た作業員から、卵やフンを見せられたり、「このままでは増える」と言われたりしても、その場で決める必要はありません。国民生活センターは、不安をあおって契約を急がせ、他の事業者と比べる機会を奪う業者とは契約しないよう助言しています。2025年の事例1では、卵を見せられたものの、発見した瞬間は見ていなかったと説明されています。確かめられない説明には、写真や書面での説明を求めます。
作業前に総額へ同意してもらう
到着後は、作業の前に見積もりの総額を書面か画面で確認し、同意してから着手してもらいます。2024年の公表資料の事例2のように、金額が高すぎるため中断を求めても聞き入れられず、作業した分の料金を請求された例もあるため、着手前の同意が防ぎ方になります。断りの伝え方は見積もりを断るときの状況別の伝え方に短い例文があります。
| 言われたこと | 返す一言 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 「卵やフンがある」「このままだと増える」 | 「見つけた場所の写真を撮って、見積書に書いてください。今日は見積もりだけで決めません」 | 発見の様子を示せない、書面を出せないなら断る |
| 「室内全体の燻蒸が必要です」 | 「必要な作業を項目ごとに分けて、金額を書いてください」 | 内訳が「一式」だけなら契約しない |
| 「今日決めれば安くなる」 | 「他社の見積もりと比べてから決めます」 | 比べる時間を与えない相手とは契約しない |
| 作業がすでに始まっている | 「いったん止めてください。この金額には同意していません」 | 中断を聞き入れない場合は、その場の支払いを避け、188へ相談する |
参考:国民生活センター|報道発表資料 ネットの価格と全然違う!?害虫・害獣駆除のトラブルにご注意(2024年4月24日、PDF)
その場で支払わない・クーリング・オフの可能性
国民生活センターは、料金や作業内容に納得できない場合は、その場での支払いを避け、後日、納得した金額で支払う意思があることを示すよう助言しています。2025年の2件では、半額や約10万円をその日に支払ったあとで、残金の支払い義務やクーリング・オフを相談しています。支払いの前に、金額と書面を確かめる時間を取ります。
クーリング・オフは、訪問販売に当たる契約で、法律で定められた書面を受け取った日から8日以内なら、書面または電子メールなどで申し込みの撤回や解除ができる制度です。国民生活センターは、事前の提示額と請求額が大きく異なる場合や、作業後に新たに別の契約を勧誘されて結んだ場合などは、訪問販売としてクーリング・オフが使える可能性があると説明しています。消費者庁の案内では、クーリング・オフをした場合は、サービスがすでに提供されていても対価を支払う必要はなく、支払い済みの金額は返してもらえるとされています。ただし、現金取引で総額が3,000円未満の場合は対象外です。
- 書面で通知するなら、特定記録郵便や書留など、記録が残る方法が薦められている
- メールで通知する場合は、送信したメールを保存する。専用フォームなら画面のスクリーンショットを残す
- 業者が事実と違うことを告げたり威迫したりして、クーリング・オフをしなかった場合は、8日を過ぎても行える
- 当てはまるか分からないときは、自分で判断せず188に相談する
188に相談するときに用意する資料
害虫駆除の請求で困ったときの相談先は、消費者ホットライン188です。全国共通の3桁の番号に電話すると、お住まいの地域の消費生活センターなどの窓口を案内してもらえます。相談は無料で、窓口につながった時点から通話料がかかります。国民生活センターは、相談前に、契約書や約款、きっかけになった広告、インターネットの画面やURLなどをできるだけ集めておくと、状況を伝えやすいと案内しています。早い対応が有効な場合もあるため、心配なときは先に電話するのでかまいません。
相談の進め方
個別のトラブルへの対応は、消費生活センターの相談員が経緯を聞いて助言します。準備する資料や伝え方は、駆除の請求トラブルを188へ相談するにはにもまとめています。
| 用意するもの | 具体的には | メモのしかた |
|---|---|---|
| 広告・ウェブサイトの画面 | 「約500円〜」など表示された金額、運営会社、電話番号が分かる画面 | 画面を保存し、見た日時を書き留める |
| やり取りの記録 | 通話履歴、メッセージ、メール。電話で言われた金額や作業内容 | 日時と、聞いた金額・説明を時系列にまとめる |
| 契約・請求の書類 | 見積書、作業請負契約書、請求書、領収書、カードの利用明細 | 受け取った日付が分かるようにする(クーリング・オフの期間の確認に使う) |
| 作業の状況 | 作業前後の写真、見せられた卵やフンの様子、使われた薬剤の名称 | いつ、どこで、何をされたかを書く |




