家の中に出る蜘蛛の種類を比べる早見表|大きさ・網・見つかる場所

家の中でいちばんよく見かけるのは、網を張らずに歩き回る徘徊型の蜘蛛です。KINCHO公式noteは、家の中でよく見る蜘蛛として、アシダカグモ、ハエトリグモ、イエユウレイグモを挙げています。アース製薬は、窓際などでぴょんぴょん跳ねるのがハエトリグモ、体長25〜30mmの大型でゴキブリも食べるのがアシダカグモと説明しています。

赤茶色、真っ黒といった色の印象だけでは、種類を決めにくいことがあります。まず大きさ、網を張るか、見つけた場所の3つで絞り、色は補助として使います。写真を撮るときは、定規やコインを横に置いて大きさが分かるようにし、脚の長さと見つけた時間も一緒に記録すると、下の表と照らし合わせやすくなります。

日本産の蜘蛛の種類数は、資料によって約1,200種(アース製薬、フマキラーの別記事)、1,600種超(KINCHO)、約1,700種(フマキラー)と書き方が違い、数え方や時期で幅があります。表は、家の中や周りで見られる主な種類に絞っています。

家の中に出る蜘蛛の種類を比べる早見表|大きさ・網・見つかる場所:確認項目
蜘蛛大きさ(資料の記載)網見つかる場所と特徴
ハエトリグモ体長8mm前後(フマキラー)、約10mm(アース製薬)張らない(徘徊型)窓際などで跳ねる。視力がよく、ハエなど小さな虫を食べる
アシダカグモオス1.5〜2cm、メス2.5〜3cm。脚を広げるとさらに大きい(千葉市)張らない(徘徊型)家の壁や床。灰褐色で毛がある。夜に動き、ゴキブリを食べる
イエユウレイグモ大きさは今回の資料に記載なし。細く長い脚が特徴(KINCHO)張る(階段の隅などに不規則な網)部屋の隅や階段の隅。網で部屋が汚れることがある
ジョロウグモメス20〜30mm、オスはその約半分(フマキラー)張る(造網型)主に屋外の軒下や木の枝。夏から秋に細かい網目の網。黄と青の体色
クサグモ大きさは今回の資料に記載なし張る(造網型)公園の木や庭木、生け垣など家の周り(フマキラー)
セアカゴケグモ(注意)メス8〜10mm(千葉市)小さな不規則な網(KINCHO)屋外の側溝のふたの裏など。黒色で腹部に赤い模様。素手で触らない

参考:フマキラー|クモ(蜘蛛)が発生する原因とは?クモの習性を知って対策しよう(For your LIFE・2018年3月15日)

読者の疑問

蜘蛛は家の守り神と言われるのは本当ですか?

比較ガイド

言い伝えとして知られていますが、今回開いた公的資料やメーカーの解説に根拠は確認できませんでした。確認できるのは、ハエやゴキブリなどを食べる益虫の面です。気になるときは、紙などで受けて外に出せます。

網を張る種と歩き回る種|造網性・徘徊性・地中性の違い

蜘蛛は、生活のしかたで3つに分けられます。KINCHO公式noteは、日本の蜘蛛は網を作る造網性と、網を作らない徘徊性がほぼ半々で、わずかに地中性がいると説明しています。フマキラーの別記事も、地中性、徘徊性、造網性の3つのグループに分けています。家の中で見る蜘蛛がどのグループかが分かると、対処の方向も決めやすくなります。

網を張る種(造網性)

ジョロウグモやクサグモなどの造網性は、軒下や木の枝に網を張って獲物を待ちます(フマキラー)。網を張りやすい条件は、餌になる虫が集まる場所、雨や風に当たりにくい場所、網を張る足場がある場所で、室内では天井の角など、屋外では樹木の枝、街灯の下、軒下が例に挙がっています。

歩き回る種(徘徊性)

ハエトリグモやアシダカグモは、網を張らず歩き回って獲物を捕らえます。フマキラーは、徘徊性の蜘蛛が植物の葉の上や落ち葉の下、石の下などに住み、ハエトリグモは都市部や人家によく適応して日常でよく見かけると説明しています。網がないので部屋が網で汚れる心配は少ない一方、大型の種類は見た目で驚かれやすくなります。

地中に住む種(地中性)

ジグモなどの地中性は、地面に掘った穴に住み、獲物を待ち伏せします。穴の入口を糸で作ったふたで閉じる種類と、開けたままの種類がいます(フマキラー)。家の中で網が見つからず、蜘蛛だけが出てくる場合は、徘徊性かどうかを大きさと動きで確かめます。

網を張る種と歩き回る種|造網性・徘徊性・地中性の違い:確認項目
型特徴家での見え方例(資料の記載)
造網性網を張って獲物を待つ天井の角や軒下、街灯の下に網ジョロウグモ、クサグモ、イエユウレイグモ
徘徊性網を張らず歩き回る壁や床、窓際を歩く。夜に出る種類もいるハエトリグモ、アシダカグモ
地中性地中の穴に住み、待ち伏せする庭の地面の穴ジグモ

参考:フマキラー|クモの巣対策(For your LIFE・2019年6月25日)

益虫と言われる理由と、気になるときの外への出し方

フマキラーの解説は、日本の蜘蛛の多くがハエ、ゴキブリ、蚊、ガなどの害虫を食べるため益虫として知られ、一部の蜘蛛を除いて人に無害と説明しています。アース製薬も、毒グモを除くとほとんどの種が無害で、害虫を食べる益虫とされると書いています。家の中のハエやゴキブリが多いほど、餌が足りて蜘蛛が居つく関係になります。

「蜘蛛は家の守り神」という言い伝えは検索でよく見かけますが、今回開いた公的資料やメーカーの解説に、根拠となる記載は見つかりませんでした。この記事では、害虫を食べるという点だけを、益虫とされる理由として扱います。

外へ出す方法は、資料に具体的な手順があります。フマキラーは、室内で蜘蛛を見つけたら、ティッシュペーパーやビニール袋で捕まえたり、紙の上に乗せたりして外へ逃がし、触ることに抵抗があるときは蜘蛛用の殺虫剤を使うとしています。千葉市は、ほうきや長い箸、ピンセットなどで家の外へ追い出す、掃除機で吸ってごみといっしょに捨てる方法を挙げ、素手で直接触らないよう求めています。

益虫と言われる理由と、気になるときの外への出し方:確認項目
場面道具注意
小型の蜘蛛(ハエトリグモなど)が窓際や壁にいる紙、ティッシュペーパー、ビニール袋(フマキラー)つぶさず包むか乗せて、屋外へ出す。手で払わない
大型の蜘蛛(アシダカグモ)が壁や床にいるほうき、長い箸、ピンセット(千葉市)素手で触らない。窓や玄関を開けて出口をつくり、逃げた先を確認する
どうしても外へ出せない掃除機で吸い取る(千葉市)吸い取ったごみは口を閉じた袋に入れて捨てる
黒く丸い腹に赤い模様の蜘蛛を屋外で見つけた触らず、お住まいの自治体へ連絡(環境省)セアカゴケグモは特定外来生物で、生きたまま移動することは法律で禁止(千葉市)

参考:千葉市保健所|クモの生態と防除方法(2025年12月26日更新)

蜘蛛が多い家で確認すること|餌の虫と侵入口

アース製薬は、蜘蛛は基本的に屋外にいて、家の中でたくさん見かけるなら、家の中に蜘蛛の餌が多いからかもしれないと説明しています。小さな虫やゴキブリがたくさんいる可能性が高いという意味で、餌になる虫も同時に駆除すれば、蜘蛛の侵入を大幅に減らせるはずとされています。

フマキラーも、蜘蛛をよく見かける、駆除しても室内に入ってくる場合は、室内にハエやゴキブリがいる可能性が高いと考えるよう勧め、害虫の発生を防ぐことが根本的な解決だとしています。蜘蛛だけを追う前に、クロゴキブリを家で見つけたときの潜み場所の確認、浴室の壁に出る小さなチョウバエの排水まわりの確認、網戸・換気・配線の侵入予防を順に見ると、原因を絞れます。

蜘蛛が多い家で確認すること|餌の虫と侵入口:確認項目
確認すること見る場所理由(資料の記載)
餌になる小さな虫(ハエ・コバエ・蚊・蛾)台所、洗面所・浴室、トイレ、窓際餌になる虫は、残飯や野菜くず、食べこぼしのある場所や水回りに集まる(フマキラー)
ゴキブリの痕跡食器棚、引き出し、家具の裏アシダカグモなど大型の蜘蛛の餌になる(千葉市)
人と一緒に入る虫玄関、ベランダのある部屋人と一緒に出入りしている可能性がある(フマキラー)
侵入口換気口、排水口、窓や玄関のすき間、床と壁・配水管の間のすき間わずかなすき間があれば蜘蛛は入れる(KINCHO)。千葉市は、すき間をふさぎ、通風孔や窓に防虫網を付ける方法を挙げる
外回りの照明まわり玄関灯の周り、街灯の下、軒下餌になる虫が集まる場所は網を張られやすい(フマキラー)

参考:アース製薬|クモがたくさん出る家には、ある「共通点」があった?(害虫なるほど知恵袋・2025年6月24日)

卵のうや子グモを見つけたとき

資料で卵の様子まで説明されているのは、主にアシダカグモです。フマキラーは、アシダカグモの産卵時期は5〜8月で、白い円盤状の卵嚢ひとつに約300個の卵が入ると説明しています。別の記事では、メスが円盤形の卵を抱えて、幼体が出てくる直前まで持ち歩くとも書かれています。

卵のうを見つけたときの手順は、今回確認した公的資料には具体的に書かれていませんでした。そのため、見つけた場所、大きさ、形を写真に残し、掃除機で吸い取るなど、通常の清掃の範囲で取り除くのが無理のない対応です。殺虫剤を使うときは、フマキラーが、アシダカグモの卵には殺虫剤が効かないこともあると注意しています。卵に使えるかどうかと使い方は、手元の製品の表示で確認します。

小さな蜘蛛が多数見えるときは、種類を決めようとするより、数と場所を数日間記録します。同じ場所に繰り返し出るなら、餌になる虫の発生源や、すき間の位置が近くにある可能性があります。

  • 見つけた場所と日付、大きさと形(白い円盤状かどうか)を写真かメモに残す
  • 近くに親らしい蜘蛛がいるか、同じ場所に繰り返し出るかを確認する
  • 取り除くときは素手で触らず、掃除機などを使い、ごみは口を閉じた袋に入れる

参考:フマキラー|クモ(蜘蛛)が発生する原因とは?クモの習性を知って対策しよう(For your LIFE・2018年3月15日)

蜘蛛の巣(網)の掃除と、外回りの照明の見直し

フマキラーは、網を取り除く方法として、新聞紙や三角コーナー用のネットを巻いたほうきや長い棒を使うか、掃除機で吸い取ることを挙げています。網があった場所は再び張られやすいため、アフターケアとして忌避剤をスプレーするよう勧めています。アース製薬も、蜘蛛には何度も同じ場所に巣を張ろうとする習性があるため、軒下や玄関のよく張られる場所に、撥水成分を含むエアゾールを前もって吹きかける方法を紹介しています。

薬剤の効果期間や使える場所は製品で違います。屋外専用の製品や、乳幼児がいる場所では使えない製品もあるため、表示の読み方はアシダカグモの特徴と外へ出す方法で整理しています。

外回りでは、玄関灯や街灯の下に虫が集まり、それを餌にする蜘蛛が網を張りやすくなります。フマキラーは、網を張りやすい条件として、餌になる虫が集まる場所、雨や風に当たりにくい場所、足場がある場所を挙げ、屋外の例として樹木の枝、街灯の下、軒下を書いています。照明の種類や点灯場所の見直しは、夜の照明に虫が集まるときの点検手順が使えます。

参考:フマキラー|クモの巣対策(For your LIFE・2019年6月25日)

注意が必要な種類への分岐|ゴケグモ類・カバキコマチグモ

家の中や周りに出る蜘蛛の多くは無害ですが、人に影響を与えるものとして、ゴケグモ類(セアカゴケグモ、ハイイロゴケグモ)とカバキコマチグモが公的資料に挙がります。環境省は、在来のアカオビゴケグモ以外のゴケグモ属を、人の生命・身体に係る被害を理由に特定外来生物に指定していると説明しています。

ゴケグモ類は、自動車、プランターの底、室外機の裏、庭に置いた靴の中など、日当たりのよい暖かい場所の窪みや隙間に営巣し、屋外に置いた傘や衣服、おもちゃに付いて屋内へ持ち込まれる可能性があります(環境省)。庭で作業するときは軍手などを着用し、見つけたらお住まいの自治体へ連絡して、素手で触らないでください。日本では主に6〜10月に咬傷例が報告されると環境省は説明しています。

地域ごとの連絡先や発見状況は自治体で違います。高松市の例は高松市のセアカゴケグモ駆除に整理があり、見つけたときの流れの参考になります。大きな蜘蛛が屋内に出たときの対処は、アシダカグモの特徴と外へ出す方法で詳しく扱います。

注意が必要な種類への分岐|ゴケグモ類・カバキコマチグモ:確認項目
種類見分けの手がかり(資料の記載)見つけたとき咬まれたとき
セアカゴケグモ(特定外来生物)メス8〜10mm、黒色で腹部に赤い斑紋(千葉市)。側溝の内部や網ぶた、水抜きパイプの内部、フェンスの基部など、日当たりのよい暖かいすき間素手で触らず自治体へ連絡(環境省)。踏みつぶす、ピレスロイド系エアゾールなどの方法がある(千葉市)すみやかに医療機関へ。咬んだ蜘蛛が分かるよう、できれば殺した蜘蛛を持参(環境省・千葉市)
ハイイロゴケグモ(特定外来生物)ゴケグモ属。日当たりのよい暖かい場所の窪みや隙間(環境省)同上同上
カバキコマチグモメス12〜15mm、茶褐色(千葉市)。ススキ原や背の高い草の間に住み、まれに家の中に侵入素手でさわらず、ほうきや掃除機で取り除く(千葉市)焼かれたような痛み、しびれなど。早めに医師の診断を(千葉市)

参考:環境省|セアカゴケグモ・ハイイロゴケグモ(日本の外来種対策)