ゴキブリの活動時期は春から秋、暖かい建物では一年中

名古屋市は、春から秋の暖かい季節をゴキブリの活動が活発な時期と説明し、暖房のゆき届いたビルや飲食店では年中活動しているとしています。堺市も、暖房設備の整った建物内は季節に関係なく発生すると案内しています。「冬は出ない」と決めるより、気温と建物の暖かさで考える方が実情に近いといえます。

フマキラーの解説では、20℃以上の場所には一年中生息し、25℃を超えると繁殖活動が活発になるとされています。同社の別の記事は、10℃以下で活動が低下するといわれると紹介しています。いずれも目安として読み、お住まいの地域の気温や部屋の暖かさに当てはめて考えてください。

寒さへの強さは種類で違います。東京都ペストコントロール協会は、クロゴキブリは寒さに強く、チャバネゴキブリは寒さに弱いと整理しています。種類の見分け方はクロゴキブリを家で見つけたときとチャバネゴキブリが冷蔵庫や厨房の近くにいるときの記事で確認できます。

参考:名古屋市|ゴキブリ 台所のオジャマ虫を退治しましょう(2025年10月16日更新、2026年10月3日確認)

読者の疑問

ゴキブリは何月から、何度くらいから出始めますか?

比較ガイド

春から秋が活動の中心です。フマキラーの解説では、気温が20℃くらいになると卵鞘で越冬した個体が動き出し、25℃を超えると繁殖が活発になります。地域や住まいの暖かさで月は前後するため、月より気温と建物の暖かさで判断してください。

月別・季節別の活動カレンダー|クロゴキブリとチャバネゴキブリ

下の表は、出典に書かれた季節や月の区切りだけを並べたカレンダーです。地域ごとの月の違いを示した資料は確認できなかったため、寒冷地や暖地では前後にずれることがあります。月の記載がない時期は、気温の目安(20℃前後で動き出す、25℃を超えると繁殖が活発)と合わせて読んでください。

クロゴキブリは卵や幼虫で冬を越し、夏に成虫が増える

フマキラーは、秋に産まれた卵と幼虫の状態で冬を迎え、春に幼虫、夏に成虫として活発になる流れを説明しています。東京文化財研究所のデータベースは、本州では通常5〜7月ごろ成虫になり、10月ごろまで産卵を続けると記載しています。夏に目につく成虫は、前年の秋から春にかけて育った個体という見方ができます。

春の幼虫はまだ繁殖能力がなく、動きも鈍いため、この時期が対策の好機だとフマキラーは述べています。成虫になるまでの期間は資料で幅があり、次の章の表で比べます。

チャバネゴキブリは暖房のある建物で季節の区切りが小さい

千葉市は、チャバネゴキブリが自然状態では越冬できない一方、暖房設備のあるビルなどでは一年中生息すると説明しています。埼玉県衛生研究所も、低温に弱いため屋内で一年中暖かく、餌と水のある場所に生息すると記載しています。国立環境研究所のデータベースは、繁殖期をほぼ通年としています。

東京都ペストコントロール協会は、飲食店、ビル、マンションなど冬でも温度があまり下がらない場所に多いとしています。チャバネゴキブリは季節で増減する虫というより、暖かい場所に年中いる虫として、厨房や冷蔵庫まわりを確認します。

月別・季節別の活動カレンダー|クロゴキブリとチャバネゴキブリ:確認項目
季節クロゴキブリチャバネゴキブリ
冬屋外の物陰などで卵鞘や幼虫の状態で越冬し、休眠して成長を止める。温暖な環境では冬に成虫が見つかることもある自然状態では越冬できない。暖房のある建物では冬も生息し、繁殖期はほぼ通年
春気温が20℃くらいになると、卵鞘で越冬した個体が幼虫として動き出す。数は多いが見かけにくい暖房のある建物では季節の変化が小さい。25℃一定の条件で約2年に6世代という記録がある
夏(5〜7月ごろから成虫)本州では5〜7月ごろ成虫になり、夏にもっとも活発。夏は卵鞘を産んだ3〜5日後に次の卵鞘を産む羽化した成虫はまもなく交尾し、約10日で最初の産卵が始まる
秋(10月ごろまで産卵)10月ごろまで産卵が続き、越冬場所を探す。段ボールのすき間も隠れ家や産卵場所になるメスは卵鞘を約20日抱えたあと幼虫が出る。暖房が入る建物では活動が続く

参考:フマキラー|ゴキブリの出やすい時期と効果的な対策の時期(殺虫剤製品情報サイト「ゴキブリ対策 豆知識」)

ゴキブリの繁殖期と産卵時期|夏に目立つのは成虫が増えるため

フマキラーは、気温が25℃を超えると繁殖活動が活発になると説明しています。アース製薬は、クロゴキブリのメスが卵の入ったカプセル(卵鞘)を一生に15〜20回産み、1つの卵鞘に22〜28個の卵が入ると紹介しています。千葉市は、夏には卵鞘を産み落としてから3〜5日後に次の卵鞘を産むとしています。夏に急に増えたように感じるのは、産卵の間隔が短くなる時期と成虫が増える時期が重なるためと考えられます。

チャバネゴキブリは世代交代が早く、国立環境研究所のデータベースは25℃一定の条件で約2年に6世代と記載しています。メスが卵鞘を腹の先に約20日抱えたあと、1つの卵鞘から約40匹の幼虫がふ化するとされます。卵鞘は硬い殻に守られており、薬剤が届きにくい点は、アース製薬とフマキラーのどちらも注意しています。

発育期間は、同じ種類でも資料ごとに数字が違います。千葉市は、卵鞘から成虫までの期間が温度で変わると説明し、フマキラーは休眠すると成長が止まり期間が延びると説明しています。どれか1つを正解とせず、幅として読んでください。

ゴキブリの繁殖期と産卵時期|夏に目立つのは成虫が増えるため:確認項目
資料クロゴキブリチャバネゴキブリ
KINCHO(ウルトラ害虫大百科)卵期間30〜47日、幼虫期間は約3〜12か月、成虫期間4〜5か月卵期間20〜28日、幼虫期間2〜3か月、成虫期間3〜4か月
東京都ペストコントロール協会(パンフレット)卵期間31〜47日、幼虫期間84〜112日、成虫の寿命4〜5か月卵期間20日、幼虫期間30〜70日、成虫の寿命4〜7か月
千葉市生育期間は1年以上、産卵から孵化まで約40日生育期間は2.5〜3か月、産卵から孵化まで3〜4週間
東京文化財研究所・国立環境研究所卵から成虫になるまで約2〜3年25℃一定で約2年に6世代、幼虫期間は約60日

参考:千葉市|ゴキブリの生態と防除方法

ゴキブリの活動時間は夜間|昼や明るい場所で見かけたときの読み方

名古屋市は、ゴキブリは昼間は物かげなどに隠れ、夜間に主に活動すると説明しています。国立環境研究所のデータベースも、チャバネゴキブリは原則として夜間に行動し、昼間の明るい間は物陰に潜伏して群れを作ると記載しています。KINCHOは、人が寝静まると活動を始めると表現しています。

活動が夜にそろうため、夜の台所に食器や残飯を置いたままにすると、寝ている間に餌場にされると東京都ペストコントロール協会は注意しています。就寝前に食べ物と水気を片づけることは、時間帯と対策を結びつける基本の行動です。

昼間や明るい場所での目撃について、確認した公的機関やメーカーの資料には、個体数を推定する基準は書かれていません。ここでは「見た状況を記録し、周囲の痕跡で判断する」という使い方にとどめます。室内で増えているかを見る手がかりは、ゴキブリが毎日出るときの判断にまとめています。

ゴキブリの活動時間は夜間|昼や明るい場所で見かけたときの読み方:確認項目
見かけた状況まず確認すること読み方の注意
夜、電気をつけた台所や洗面所で見た流しの下、冷蔵庫・コンロまわり、食品や水気の置き場を確認し、見た位置を記録する夜間活動の通常の姿。1匹だけでは数は分からない
昼に家具を動かしたら出てきたその場所が潜み場所かを確認し、卵鞘、小さい個体、黒い粒状のフンがないかを見る昼は物陰に潜む習性と一致する
動かしていないのに昼や明るい時間に見かけた日付、時刻、場所を残し、同じ場所で続くか、小さい個体や卵鞘が混じるかを見る昼の目撃から個体数を断定できる資料は確認できなかったため、記録で判断する
エアコンや家電の近くで物音がしたスイッチを入れた直後の音か、真下に黒い粒がないかを確認する。機器へ直接噴霧しないフマキラーが、動作に反応して動く例と、内部の精密機器への直接噴霧を避ける点を説明

参考:国立環境研究所|侵入生物データベース チャバネゴキブリ

活動が鈍る温度と越冬のしかた|「寒くなれば消える」とは限らない

寒くなるとゴキブリの動きは鈍りますが、温度だけで駆除が進むとは言えません。フマキラーは、ゴキブリは冬眠しないが越冬はするとして、活動時期は春から秋でも、暖房の効いた家の中など20℃以上の場所には一年中いると説明しています。

温度の目安は資料ごとに違う

フマキラーは、10℃以下で活動が低下して繁殖能力も下がるといわれる一方、20〜25℃が最適で30℃ほどになると飛び回るといわれると紹介しています。東京都ペストコントロール協会は、一般に20℃以下の低い温度は苦手としています。どの段階(行動、成長、繁殖)を指すかで数字が変わるため、1つの温度で線引きせず、目安として使います。

「何度で死ぬか」の答え

国立環境研究所のデータベースには、チャバネゴキブリを-5℃に1日さらすと死亡するという記載があります。これは条件を決めた記録で、住まいの中でそうした低温になることは通常ありません。クロゴキブリは寒さに強く、冬は卵や幼虫として越冬します。家庭で目安にできる「この温度で死ぬ」という基準は、確認した資料にはありませんでした。

気温が下がったから自然に減ると期待して対策を止めるより、越冬する場所を減らす方に意味があります。

越冬する場所

出典が挙げる潜み場所と越冬の場所を、種類別に整理します。場所は建物や地域で変わるため、あくまで例です。

  • クロゴキブリ:住宅の外周や床下に多く、マンションでは植木鉢の下に潜むと東京都ペストコントロール協会が説明。越冬中は段ボールのすき間などで春を待つとフマキラーが説明
  • チャバネゴキブリ:暖房のある建物の中で生息を続けると千葉市が説明。冬の家庭内では、台所、風呂場、トイレ、洗濯機のまわり、冷蔵庫の裏など、暖かく湿った暗く狭いすき間にゴキブリがよく潜むとフマキラーが説明
  • 温暖な室内では、冬でもクロゴキブリの成虫が見つかることがあると東京文化財研究所のデータベースが記載

参考:フマキラー|ゴキブリは冬眠する?活動停止する温度は?(For your LIFE・2018年10月25日)

対策を始める時期と毒餌の交換時期|春・秋・年間の節目

フマキラーは、年間を通した対策が基本で、特に効果的な時期は、越冬前の秋と、幼虫でまだ繁殖できない春の2つだとしています。春は屋外の個体が家へ入ろうとする時期で、玄関やサッシのすき間を減らし、待ち伏せタイプで侵入を防ぎ、すでに入った個体には毒餌やくん蒸タイプを使うと案内しています。秋は、生息できそうな場所をなくし、段ボールを早めに処分する時期です。

置き型の毒餌や待ち伏せスプレーには、製品表示に効果の持続期間があります。次の表は2026年10月3日に確認した各社の公式ページに掲載された表示の例で、使用環境によって変わります。実際には、お手元の製品の表示と交換日の案内に従ってください。毒餌を置く場所と数の考え方は、ゴキブリの毒餌の置き場所の記事で確認できます。

対策を始める時期と毒餌の交換時期|春・秋・年間の節目:確認項目
対策の種類公式ページに掲載された期間の例確認のしかた
置き型の毒餌(ベイト剤)アース製薬のブラックキャップは設置後約1年、KINCHOのコンバット玄関・ベランダ用は約1年を交換の目安、フマキラーのゴキファイタープロは1年と表示各社が使用環境で変わると注記。設置日を製品に書き、食いつきや状態の変化も見る
待ち伏せ型スプレー(残効型)KINCHOとフマキラーは約1か月と表示。千葉市は残留処理で1か月ほど効果があると説明雨がかかる場所やほこりがある場所では短くなる場合がある(フマキラーの注記)
くん煙剤・くん蒸剤卵が孵化する2〜3週間後に再度使うと、アース製薬とフマキラーが案内全部屋を同じタイミングで処理する。準備と換気は製品の手順に従う
すき間用ワンプッシュ効きめ約1か月(待ち伏せ効果)。2〜3週間後にもう一度使うと住みつき予防に効果的とフマキラーが案内すき間以外の空間には噴霧しない
蒸散型の置き型(忌避)アースゴキブリよけは約1か月、マモルーム ゴキブリ用は約2か月が表示例効能は「忌避」で、駆除を目的としない製品がある

参考:フマキラー|ゴキブリの出やすい時期と効果的な対策の時期(殺虫剤製品情報サイト「ゴキブリ対策 豆知識」)

冬に見かけたら暖かい場所を疑う|家電・厨房・配管まわり

冬にゴキブリを見たときは、屋外から入った個体より、暖かい場所に居続けた個体を先に疑います。フマキラーは、台所、風呂場、トイレ、洗濯機のまわり、冷蔵庫の後ろなどの暖かく湿った暗く狭い隙間によく潜むと説明しています。アース製薬は、冷蔵庫や電子レンジの周辺のわずかな隙間や、エアコンの中などを主な潜伏場所として挙げています。

冷蔵庫・電子レンジ・エアコンまわり

エアコンについてフマキラーは、室外機側のドレンホースや、配管を通す壁の穴をふさぐパテのすき間から入る可能性を挙げ、内部での物音と真下の黒い粒をチェックの目安としています。内部に精密機器があるため、殺虫剤を直接噴霧することは避けるよう案内しています。

アース製薬は、ゴキブリが暗くて暖かく狭い場所を好み、テレビや電話などの電気製品の中にいることもあると説明しています。機器の裏や周囲の掃除、フィルターの手入れも、潜み場所を減らす行動になります。

水まわりと配管まわり

フマキラーは、台所、風呂場、トイレ、洗濯機のまわりを、暖かく湿った潜み場所として挙げています。KINCHOは、シンク下や洗濯機の配管まわりを、侵入のすき間の例として挙げています。冬の目撃では、水まわりの配管の周囲と、床や壁を貫通する部分のすき間も合わせて確認し、見つけた位置を記録します。

厨房・ビル・集合住宅

飲食店やビルの厨房では、東京都ペストコントロール協会がチャバネゴキブリが多いとしています。営業用の厨房の点検と記録は飲食店のゴキブリ対策で扱っています。住宅でも、暖房の効いた集合住宅では同じ見方で、冬の目撃を暖かい設備の近くから確認します。

参考:アース製薬|知らないほうが幸せかもしれない、ゴキブリの驚異の身体能力と繁殖力。(害虫なるほど知恵袋・2025年6月24日)

引越し・長期不在の前後で確認すること

引越しでは、荷物と一緒にゴキブリを持ち込むことがあります。東京都ペストコントロール協会は、チャバネゴキブリが物と一緒に家へ持ち込まれることが多いと説明し、フマキラーは段ボールのすき間や波打つ断面が越冬場所や産卵場所になるとしています。KINCHOは、置き配の荷物、植木鉢、洗って干した靴を室内に入れる前の確認も勧めています。

  • 引越し前:段ボールは早めに開封して不要な箱を処分し、荷物を室内へ入れる前に箱の角やすき間を見る
  • 入居前の空室:荷物がない状態で、流しの下、冷蔵庫の置き場、排水口、エアコンまわりを確認する。進め方は入居前の害虫確認に整理している
  • 入居直後:毒餌や粘着シートを置いたら位置と日付を記録し、数週間後の変化を見る。粘着シートは生息状況の確認に使えると名古屋市が案内している
  • 長期不在の前:食品、生ごみ、ペットフードを密閉するか持ち出し、水まわりの湿気を取り除く
  • 長期不在の後:まず換気し、排水口の水が減っていないかと、粘着シートで生息状況を確認する

参考:公益社団法人東京都ペストコントロール協会|PCOシリーズ④ ゴキブリ(パンフレット・2008年12月発行)