種類別の対策ガイド

リス(タイワンリスなど)の駆除・対策ガイド

電線・樹木・家屋の被害と、外来リスの相談先を知りたい。

住宅や庭で被害が問題になるリスの代表は、外来種のクリハラリスです。タイワンリスの通称で知られ、国立環境研究所の侵入生物データベースによると、オスの成獣は頭胴長20〜26cm、尾長17〜20cm、体重300〜440g前後で、背中は黒と黄土色の毛が混じり、腹は栗色をしています。原産地は台湾や中国南部からインド北東部にかけての地域で、国内では飼育されていた個体が逃げたり放されたりして野生化しました。最初の記録は1935年の伊豆大島です。

昼に活動して木の上で暮らし、よく鳴くのが特徴です。木の種子、果実、花、葉を主に食べ、冬には樹皮をはいで樹液をなめます。このため庭木や果樹の樹皮がはがされたり、ミカンなどの果実やダイコンなどの野菜が食べられたりします。農林水産省のマニュアルは、家屋の天井裏や戸袋に巣を作って木材をかじる被害、電線や電話線をかじる被害も挙げています。木の枝を伝って移動するため、屋根や戸袋に届く枝があると建物に近づきやすくなります。

定着が確認されているのは一部の地域です。国立環境研究所のデータベースは、神奈川県南東部、伊豆大島、静岡県の伊豆半島東部と浜松城公園、岐阜県の金華山、大阪城公園、姫路城公園、和歌山城公園と友ヶ島、長崎県の壱岐と福江島、大分県の高島、熊本県の宇土半島などを挙げています。横浜市は、市内に生息するリスはすべてタイワンリスで、市の南部を中心に増えていると説明しています。繁殖は一年を通して可能で、最大で年3回とされています。

リス(タイワンリスなど)の被害を見分ける手がかり

手がかり特徴と確認のしかた
姿(腹の色と耳)背中は黒と黄土色が混じって全体に黒っぽく、腹は灰色か赤褐色で、耳は短く丸い形です。在来のニホンリスは全体に茶色っぽく腹が白く、冬毛では耳の先に毛が生えてとがって見えます。
鳴き声昼間に独特の大きな声でよく鳴くため、姿が見えなくても存在に気づきやすい動物です。昼行性なので、物音が夜中に限られる場合はネズミなど別の動物も疑います。
樹皮はぎ樹液をなめるために幹や枝の樹皮を輪のようにはぎ取ります。冬に起こりやすく、ひどい場合は木が枯れることがあります。ツバキやスダジイなどで被害が知られています。
果実・野菜の食害ミカンなどの果実がかじられ、ダイコンなどの野菜にも被害が出ます。特定の木に集中して種子や果実を食べる傾向があり、実が熟す前に木の上で食べられてしまうこともあります。
巣枝の間に樹皮を材料にした球形の巣を作るほか、樹洞や人家の屋根裏、雨戸の戸袋に巣を作ることがあります。戸袋のすき間や軒下から巣材を運び込んでいないかを確認します。
かじり跡天井裏や戸袋の木材、屋外の電線や電話線をかじる被害が報告されています。かじられた配線を見つけても自分では触らず、位置を写真で記録して相談先に伝えます。

法律・制度上の注意

クリハラリス(タイワンリス)は外来生物法の特定外来生物で、飼うこと、保管すること、生きたまま運ぶこと、野外に放すこと、譲り渡すことが原則として禁止されています。リスの仲間ではほかに、キタリス(エゾリスを除く)、トウブハイイロリス、フィンレイソンリス、タイリクモモンガ(エゾモモンガを除く)も特定外来生物です。捕獲は鳥獣保護管理法の対象で、ニホンリスなど在来のリスを含め、許可なく捕まえることは原則としてできません。タイワンリスは狩猟鳥獣でもありますが、狩猟には狩猟免許と狩猟者登録が必要です。横浜市のように、特定外来生物のタイワンリスは被害がなくても捕獲を申請でき、事前の届出をして捕獲する仕組みのある自治体もあるため、市区町村の担当課に手続きを確認してください。

自分でできる対策

  • 縁の下、換気口、軒下、雨戸の戸袋など、侵入口になるすき間を点検し、中に動物がいないことを確かめてからふさぎます。
  • 屋根や戸袋に届く庭木の枝を切り、枝づたいに建物へ移れないようにします。
  • 収穫しきれなかったカキやミカンなどの果実、ペットフードの残りを放置せず、餌になる物を庭に残さないようにします。
  • 姿や鳴き声に気づいた日時と場所、樹皮や果実の被害を写真で記録し、市区町村の担当課へ伝えます。農林水産省のマニュアルは、被害が出始める頃には数が増えていることが多いとして、早い段階での対応を重視しています。

相談を考える目安

  • 天井裏や戸袋に巣を作られた様子がある、木材をかじる音や跡があるとき。
  • 電線や電話線、建物の配線をかじられた跡を見つけたとき。
  • 庭木や果樹の樹皮はぎ、果実の食害が続き、自分での対策では止まらないとき。
  • 捕獲を希望するとき。無許可では捕獲できず、生きたままの運搬も規制されるため、市区町村の担当課か、手続きに対応できる専門業者に相談します。

リス(タイワンリスなど)のよくある質問

タイワンリスはどんな被害を出しますか?
農作物、樹木、建物の3つに被害が出ます。ミカンなどの果実やダイコンなどの野菜が食べられ、樹液をなめるために樹皮がはがされて木が弱ったり枯れたりします。建物では天井裏や戸袋に巣を作って木材をかじるほか、電線や電話線をかじる被害が農林水産省のマニュアルで報告されています。
リスの被害対策として自分でできることは?
建物のすき間をふさぎ、屋根に届く枝を切り、餌になる果実を残さないことが基本です。農林水産省の平成21年度のマニュアルは、体が小さく木の上で活動するタイワンリスには有効な侵入防止技術が今のところなく、上部にかえしの付いた柵も長期間完全に防ぐのは難しいとしています。被害や目撃は早めに市区町村へ伝え、地域での対策につなげてください。
タイワンリスは自分で捕まえてよいですか?
許可や届出などの手続きなしに捕まえることはできません。野生のリスの捕獲は鳥獣保護管理法で原則禁止されており、タイワンリスは特定外来生物のため、捕まえた個体を生きたまま運ぶことや別の場所に放すことも規制されています。横浜市では、手続きをして捕獲した場合に市が契約した専門業者が回収に伺う仕組みがあります。お住まいの市区町村に確認してください。
ニホンリスとタイワンリスの見分け方は?
腹の色と耳で見分けます。タイワンリスは全体に黒っぽく、腹は灰色か赤褐色で、耳が短く丸い形です。ニホンリスは全体に茶色っぽく腹が白く、冬毛では耳の先に毛が生えてとがって見えます。タイワンリスは独特の声でよく鳴き、樹皮を輪のようにはぐ点も手がかりになります。
鎌倉や横浜でリスの被害が多いのはなぜですか?
神奈川県では古くからタイワンリスが定着しているためです。農林水産省のマニュアルによると、昭和25年頃から江ノ島と鎌倉市で生息が確認され、平成14年には三浦半島南部から横浜市までの範囲に定着していました。横浜市は、市内に生息するリスはすべてタイワンリスで、市の南部を中心に増えていると説明しています。

参考(確認日:2026年10月3日):国立環境研究所|侵入生物データベース・クリハラリス(タイワンリス)、農林水産省|野生鳥獣被害防止マニュアル 特定外来生物編(アライグマ、ヌートリア、キョン、マングース、タイワンリス、平成21年度作成)、横浜市|野生動物による生活被害について、環境省|日本の外来種対策・外来生物法「何が禁止されているの?」、環境省|日本の外来種対策・特定外来生物等一覧

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