畳で増えるダニの種類|刺すダニと刺さないダニを分ける

日本家庭用殺虫剤工業会は、屋内で問題になるダニとして、ヒョウヒダニ類、コナダニ類、ツメダニ類を挙げています。ヒョウヒダニ類は主にカーペットの中で人のフケや食べかすを餌にし、ケナガコナダニは主に畳に発生します。ヒョウヒダニやケナガコナダニが増えた後に、これらを捕食するツメダニが発生し、しばしば人を刺して虫咬症を起こすという説明です。

千葉市は、ヒョウヒダニ、イエササラダニ、コナダニは皮膚を刺したり血を吸ったりしないと考えられているとしています。ツメダニは他のダニやチャタテムシの体液を吸い、偶発的に皮膚を刺してかゆみの原因になることがあります。全日本畳事業協同組合も、畳で人を刺すダニは非常に少なく、発生源としてペット、ネズミ、野生の鳥が考えられると説明しています。畳以外のチリダニの対策は室内のダニの種類と確認にまとめています。

畳で増えるダニの種類|刺すダニと刺さないダニを分ける:確認項目
ダニ畳での位置づけ人を刺すか増える手がかり
ヒョウヒダニ(チリダニ)カーペット、畳、寝具などに生息し、フケや食べかすが餌(千葉市・日本家庭用殺虫剤工業会)刺さない。死骸やフンがアレルギーの原因になる湿度が高い、ほこりがたまる、敷物がある
コナダニ(ケナガコナダニ)主に畳に発生する(日本家庭用殺虫剤工業会)刺さないと考えられる(千葉市)乾燥が不十分な畳床が高温多湿になる
ツメダニヒョウヒダニやコナダニ、チャタテムシを餌にして後から増える偶発的に刺し、かゆみが出ることがある餌になるダニやチャタテムシの増加
イエダニネズミに寄生し、ネズミの巣の周辺に多い(日本ペストコントロール協会)。畳で刺すダニの発生源はペット、ネズミ、野生の鳥と説明(全日本畳事業協同組合)人を刺す(吸血する)ネズミや鳥の巣、ペットの出入り

参考:日本家庭用殺虫剤工業会|害虫の種類 屋内塵性ダニ類

読者の疑問

畳のダニは人を刺しますか?

比較ガイド

畳に多いヒョウヒダニやコナダニは刺さないと千葉市は説明しています。ツメダニが他のダニやチャタテムシを餌にして増えると、偶発的に人を刺すことがあります。全日本畳事業協同組合は、畳で刺すダニはごく少ないとしています。

新しい畳・梅雨・カーペットの重ね敷きで畳のダニが増える条件

畳のダニが増える条件は、畳床の新しさ、季節、敷物の3つに分けて見ると整理しやすくなります。複数が重なることもあるため、当てはまる条件を先に探してください。

新しい畳・新築で畳床が湿っているとき

日本家庭用殺虫剤工業会は、乾燥が不十分な新築の集合住宅では畳床が高温多湿になり、ケナガコナダニの生育に適した環境になって異常発生を起こすことがあると説明しています。新しい畳のすべてで起きるとは書かれていませんが、入居直後や畳替え直後に畳がじっとり湿っている、においがあるといった場合は、早めに施工や管理の窓口へ伝える手がかりになります。

梅雨から夏の湿気

東京都のアレルギー情報ページは、ヒョウヒダニ類が好む温湿度を25〜30℃、相対湿度60〜80%とし、梅雨時に増え始めて7月下旬から9月上旬に最も多くなると説明しています。山梨県は、畳床の湿度が15%以上になるとダニやカビが発生しやすいとしています。全日本畳事業協同組合も、畳は湿気を吸収するため、梅雨時に限らず湿度の高い日が続くとカビが生えやすいと注意しています。

カーペット・上敷き・家具・室内干し

全日本畳事業協同組合は、畳の上にカーペットや上敷きを敷くと湿気がこもってカビの原因になり、掃除がしにくくダニの巣になるため、敷物は敷かないよう案内しています。窓を閉め切った状態が多いこと、加湿器の使いすぎ、洗濯物の室内干し、家具を壁際に密着させることも、ダニやカビの発生原因として挙げています。横浜市旭区も、タタミの上にカーペットなどを敷かないよう案内しています。

新しい畳・梅雨・カーペットの重ね敷きで畳のダニが増える条件:確認項目
条件資料の記載見直し点
新築・乾燥不十分な畳床畳床が高温多湿になり、ケナガコナダニが異常発生することがある(日本家庭用殺虫剤工業会)入居直後は畳の湿りとにおいを確認し、気になれば管理会社へ
梅雨から夏の湿度好適は60〜80%、梅雨に増え始め7月下旬〜9月上旬に最多(東京都)除湿と換気で湿度を下げる
畳床の水分畳床の湿度が15%以上でダニやカビが発生しやすい(山梨県)湿った畳は干すか風を通す
畳の上の敷物湿気がこもり、掃除しにくくダニの巣になる(全日本畳事業協同組合)カーペットや上敷きは外す、敷く場合はめくって乾燥させる
室内干し・加湿・家具の密着ダニやカビの発生原因(全日本畳事業協同組合)室内干しと加湿を減らし、家具を壁から離す

参考:全日本畳事業協同組合|畳のお手入れ

畳のダニ対策の順序|乾燥と掃除機がけの手順

畳のダニ対策は、薬剤より先に、湿気とエサを減らす作業から始めます。全日本畳事業協同組合は、薬剤の種類は多いが効果はあまり期待できず、原因を作らないこと、原因をなくすことが最も有効だと説明しています。次の表は、公的資料と業界団体の案内をもとに、判断の順序を並べたものです。

掃除機の目安は資料で少し違います。千葉市は畳1畳あたり1分以上、横浜市旭区は半畳につき20秒以上を、畳の目に沿ってかけるよう示しています。全日本畳事業協同組合は、目に沿ってやさしくかけること、拭き掃除をするなら乾拭きか、お湯で固く絞った雑巾を使い、余分な水分を畳に吸わせないことを案内しています。日本ペストコントロール協会も、水拭きは高湿度を好むダニには逆効果だと説明しています。

畳のダニ対策の順序|乾燥と掃除機がけの手順:確認項目
順序やること目安(出典)注意
1出ている虫を確認するダニでなく、チャタテムシ・シバンムシ・シミ・カツオブシムシのこともある(全日本畳事業協同組合)写真を撮るか、保健所へ相談する
2敷物を外し、換気と除湿をする室内の相対湿度は50〜60%が理想(千葉市)家具を壁際に密着させない
3掃除機を畳の目に沿ってかける畳1畳あたり1分以上(千葉市)。半畳につき20秒以上(横浜市旭区)水拭きは避ける。拭くなら乾拭きか固く絞った雑巾
4畳を上げて乾燥させる定期的に取り外して日光で乾燥し、裏面に風を通す(千葉市)。年1回は畳を上げて大掃除(山梨県)賃貸では畳の上げ下ろしの可否を管理会社に確認する
5畳用の薬剤を使うか判断する製品の対象害虫・使用場所・使用後の掃除の表示を確認公的資料には、ダニ殺虫剤の効果は確認されていないとするものがある(次の見出し)
6畳店の熱処理や畳替えを相談する大発生した場合は業者の熱処理もある。有料で、一部の畳は不可(千葉市)畳の材質と料金を事前に確認する

参考:全日本畳事業協同組合|ダニについて

畳用のダニ殺虫剤(注入式・くん煙剤)を使う前の表示確認

環境再生保全機構の成人向けページは、ダニ殺虫剤の効果は確認されていないため積極的に使わなくてよいとしています。横浜市旭区も、現在のところ効果的な殺ダニ剤はなく、ダニを駆除できたとしてもフンや死骸のアレルゲンが残ると説明しています。これはぜん息などの原因になるダニを念頭に置いた説明です。薬剤を使う場合は、製品の表示に従い、使用後に掃除機で死骸を取り除きます。

アース製薬のダニアース(畳・カーペット用の防除用医薬部外品)は、藁床タタミの内部に専用の針で注入噴射する使い方と、表面に噴射する使い方を示しています。針は藁床のタタミ専用で、それ以外のタタミには使えず、床暖房のタタミには温水パネルが破損するため針を刺さないと表示しています。使用後は換気し、ダニの死骸やフンはアレルギーの原因になるので掃除機をかけるよう勧めています。

くん煙剤のダニアースレッド(第2類医薬品)は、使用前に寝具、衣類、飲食物、精密機器をポリ袋などで覆い、ペット、植物、観賞魚を部屋の外に出し、火災報知器を覆うといった準備を求めています。2時間以上閉め切り、使用後はしっかり換気し、小さな虫の死骸は軽く掃除機で取り除くと表示しています。ふとんなど寝具の害虫駆除には使用しないとも書かれています。くん煙剤の使い方の一般的な注意は床下にバルサンは使えるかでも整理しています。

畳用のダニ殺虫剤(注入式・くん煙剤)を使う前の表示確認:確認項目
製品タイプ表示で確認すること向かない場面
注入式スプレー(ダニアース)対象害虫、使えるのは藁床の畳だけか、使用後の換気と掃除機藁床以外の畳(針は使えず表面のみ)、床暖房の畳(針を刺さない)
くん煙剤(ダニアースレッド)使用前の準備、入室までの時間、換気、寝具には使えないことペットや観賞魚を部屋の外に出せない、火災報知器を覆えない部屋
表示のない薬剤・用途が違う製品適用害虫に屋内塵性ダニ類が含まれるか、使用場所に畳が含まれるか対象や使用場所が表示にない製品は選ばない

参考:アース製薬|ダニアース 製品情報(畳・カーペット用)

畳店の熱処理や畳替えを考える目安

畳の中でダニが大発生した場合の方法として、千葉市は業者に依頼して熱処理する方法があり、有料で、一部熱処理できない畳もあると案内しています。同市のチャタテムシのページは、畳に大発生したときに高周波やマイクロ波で高熱処理する方法があり、ナイロン糸を使った畳など材質によっては処理できないと説明しています。横浜市旭区は、タタミ乾燥車による方法はすべて駆除できるが手間と費用がかかり、タタミが茶色になると書いています。

畳替えについては、全日本畳事業協同組合が、新畳(すべて新しい畳)、表替(畳床を使い、畳表と縁を新しく)、裏返(畳表を裏返す)という工事の種類と、裏返は購入後3〜5年、表替は裏返後4〜5年といった目安年数を示しています。ダニが理由の畳替えの基準や、畳替えでダニがいなくなるという記載は確認できませんでした。ダニの発生源が畳表か畳床か、畳の外側かを、畳店に見てもらってから工事の種類を決めるのが安全です。

畳店へ依頼するときの確認点として、同組合は、組合員かどうか、資格の確認、品物は見本で確認、契約書や見積書など約束の内容が分かるものを受け取ること、責任表示、保険の有無、アフターサービスを挙げています。見積書が「一式」だけのときは、見積書の内訳の頼み方も参考になります。

  • 自宅の畳が熱処理できる材質か(ナイロン糸の畳などは不可の場合がある)
  • 熱処理の料金と所要日数、畳の色が変わる可能性
  • 畳替えの種類(新畳・表替・裏返)と、見積書の内訳
  • 処理後の保証やアフターサービスの範囲

参考:全日本畳事業協同組合|畳工事の発注と注意点

賃貸・入居直後に畳のダニが出たときの連絡先

賃貸住宅では、畳の交換、薬剤の使用、畳を上げる作業について契約や管理のルールがある場合があり、自分で畳店や業者を手配する前に、管理会社や大家へ状況を伝えるのが基本です。国土交通省のガイドラインのページは、退去時の原状回復をめぐるトラブルを防ぐために、入居時の物件の状況をよく確認しておくことが有効だと説明しています。入居直後は、畳の状態を写真で残しておくと、後の話し合いで役立ちます。連絡文の組み立ては管理会社への報告文の作り方が参考になります。

虫の種類が分からないときの相談は、保健所が受けている場合があります。千葉市は、保健所がゴキブリやダニなどの衛生害虫、室内のダニアレルゲンなど住居衛生に関する相談を受け付けていると案内しています。他の自治体にも似た窓口がある場合があるため、お住まいの市区町村の保健所や衛生の担当課に確認してください。

  • 入居日と、畳の部屋の場所
  • 見つけた虫や症状の日付、写真、虫の大きさ
  • 畳の湿り、においやカビ、窓の結露の有無
  • これまでに自分で行った掃除、乾燥、換気
  • 薬剤や畳の上げ下ろしをしてよいかという確認事項

参考:千葉市|住居衛生相談(害虫、室内環境など)

畳に出るダニ以外の虫|チャタテムシ・シバンムシの見分け

全日本畳事業協同組合は、畳で虫が発生したときは、まずそれがダニか別の虫かを特定するよう案内しています。ダニではなくチャタテムシ、シバンムシ、シミ、カツオブシムシのことが多く、これらはいずれも人に害を及ぼす虫ではないと同組合は説明しています。それでも、原因となる湿気やほこりをなくす対策は同じ方向です。

千葉市は、チャタテムシは体長1〜1.3mmで灰褐色から暗褐色、羽がなく、ダニと間違われやすいが毒はなく吸血や刺咬もしないとしています。餌はカビや食べこぼしなどで、相対湿度60%以下では発育や繁殖が止まるという報告があり、ツメダニの餌にもなります。本棚や食品棚の小さな虫との違いはチャタテムシとダニの違いで確認できます。

横浜市衛生研究所は、シバンムシ類は日本で60種以上が記録され、畳にはクシヒゲシバンムシが知られているとしています。種の同定は非常に難しいため、疑わしいときは近くの福祉保健センターに虫を持って行って相談するよう案内しています。虫を採取する前に、持ち込みの条件を窓口へ確認すると無駄がありません。

参考:全日本畳事業協同組合|ダニについて