害獣駆除の費用相場を一つの金額で言えない理由

国民生活センターは2024年4月24日の公表で、害虫・害獣駆除サービスの相談が全国の消費生活センター等に寄せられ、2023年度は2022年度の同じ時期と比べて約1.5倍に増えたと伝えています。インターネットで見た格安料金と、実際に提示された金額がかけ離れる事例が多いという内容です。金額の表示が何を指すのかを読まないと、比べる前提がそろいません。

このため当サイトは、独自の「相場は〇万円」という数字を作らず、各社の公式ページに載る表示を、確認した日付つきで紹介します。表示の型は大きく、初期対応や基本料金の最低額と、作業込みの目安額に分かれます。

最低料金の表示:初期対応や基本料金

プログラントは、ネズミ8,800円から、コウモリ11,000円から、イタチ・アライグマ・ハクビシン13,200円からを「初期対応料金の目安(税込)」として表示し、侵入口封鎖や清掃などは現地調査後の見積りとしています。駆除ザウルスは、基本料金25,000円からと面積別の目安を表示しています。プログラントの表示は総額ではなく、駆除ザウルスの25,000円からも基本料金の表示です。

作業込みの目安の表示

アサンテは、ネズミ250,000円から、ハクビシンとアライグマ200,000円からと、侵入経路の特定及び遮断、追い出し作業、糞清掃、天井裏殺虫剤散布などの作業を並べて表示しています。契約後の追加料金は基本的にないとされ、付帯工事が必要なときは見積り段階で金額を示すと説明されています。同じ「害獣駆除」でも、表示が指す範囲が違うため、金額だけを横に並べることはできません。

参考:国民生活センター|害虫・害獣駆除のトラブルにご注意

読者の疑問

害獣駆除の費用相場はいくらですか?

比較ガイド

当サイトは独自の相場額を示しません。公式ページの表示では、ネズミだけでも8,800円から、25,000円から、250,000円からと、前提の違う金額が並びます。含まれる作業を確認してから比べます。

動物別・会社別の公式料金表示一覧(2026年10月3日確認)

次の表は、3社の公式ページに載る料金の表示を、動物別に並べたものです。プログラントは熊本県・佐賀県・福岡県南部を中心とした対応、駆除ザウルスは北海道、沖縄県、一部地域を除く全国の対応、アサンテはページに具体的な対応エリアの記載がなく、地域により対応できない場合があると書かれています。表の金額は各社の表示で、他社や自宅の総額を示す数字ではありません。

プログラントと駆除ザウルスの金額は税込の表示です。アサンテのページでは、税込・税抜の別を確認できませんでした。会社によって料金の呼び方(初期対応料金の目安、基本料金、料金目安)も違うため、次の節で表示の前提を比べます。イタチ駆除に絞った表示の読み方は、イタチ駆除の費用相場と追加になりやすい作業にまとめています。

動物別・会社別の公式料金表示一覧(2026年10月3日確認):確認項目
動物プログラント(熊本・佐賀・福岡県南部が中心)駆除ザウルス(全国、北海道・沖縄・一部地域を除く)アサンテ
ネズミ8,800円から(初期対応料金の目安)25,000円から250,000円から
コウモリ11,000円から(初期対応料金の目安)25,000円から確認したページに料金の掲載なし
イタチ13,200円から(初期対応料金の目安)25,000円から確認したページに料金の掲載なし
アライグマ13,200円から(初期対応料金の目安)25,000円から200,000円から
ハクビシン13,200円から(初期対応料金の目安)25,000円から200,000円から
ハト・害鳥16,500円から(初期対応料金の目安)ハトの表示なし(ムクドリは25,000円から)確認したページに料金の掲載なし
ハチ(参考)料金表のページでは確認できず害獣の料金のみの表示で、害虫は問い合わせとされているスズメバチ30,000円、その他のハチ20,000円

参考:株式会社プログラント|害獣駆除の料金表(熊本・佐賀・福岡)

表示の前提の違い:初期対応のみか、作業込みか、保証はどうか

同じ「害獣駆除〇円から」でも、会社によって金額の意味が違います。次の表は、各社の公式ページにある説明を、金額の呼び方、含まれる作業の書かれ方、別途・追加の扱い、保証や契約期間の表示に分けて並べたものです。評価や順位ではなく、見積もりで質問する項目を作るための整理です。

受付時間の表示も会社ごとに違い、電話受付はプログラントが8:00〜20:00(メール・LINEは24時間)、アサンテが8:30〜19:30、駆除ザウルスが24時間365日と書かれています。いずれも現地調査・見積もりの無料を掲げていますが、駆除ザウルスのページには生息確認のみは別途有料とも書かれています。調査後に断れるかどうかも、最初に確認しておく項目です。

表示の前提の違い:初期対応のみか、作業込みか、保証はどうか:確認項目
事業者金額の呼び方含まれる作業の書かれ方別途・追加の扱い保証・契約期間の表示
プログラント初期対応料金の目安(税込)ネズミは侵入経路確認・被害状況確認・簡易対策、イタチなどは調査と侵入口の確認、方針の確認侵入口封鎖、糞尿清掃、殺菌消毒、消臭、断熱材の撤去・交換、高所作業、足場設置、捕獲申請は現地調査後の見積り再発保証は基本5年から最長10年(獣種・条件により異なる)
駆除ザウルス基本料金(税込25,000円から)と面積別の料金・費用例料金に含まれる作業の内訳は料金表示の近くには書かれていない。流れの説明に二次被害対策と再発防止作業がある出入り口のブロック処理5,000円、ワナ捕獲25,000円をオプションとして表示。生息確認のみは別途有料。料金は目安最長10年。イタチ、ネズミ、コウモリなどは最長5年
アサンテ料金目安(円〜)ネズミは侵入経路の特定及び遮断、毒餌と粘着トラップの設置、天井裏殺虫剤散布。ハクビシンとアライグマは侵入経路の遮断、追い出し、糞清掃、天井裏殺虫剤散布などを列挙契約後の追加料金は基本的になく、付帯工事は見積り段階で金額を提示すると説明保証制度はなく、一定の成果が出るまで無償対応する契約期間制度(1〜6か月)

参考:株式会社アサンテ|害虫・害獣・鳥類対策(料金目安)

見積もりで金額が増えやすい項目と、書面での確認方法

公式ページに共通して見られるのは、侵入口の数、清掃・消毒・消臭、断熱材、高所作業が金額を動かす要因として書かれている点です。プログラントはこれらを別途見積りの作業として挙げ、駆除ザウルスは基本料金だけを示して清掃や消毒を別費用とする業者があると注意しています。見積書の項目に分けて確認しましょう。内訳の見方は害獣駆除の費用は何で変わるのか、「一式」の見積もりを分けて読む方法でも整理しています。

侵入口の数と封鎖

封鎖の費用は、箇所数、場所、使う材料、高所作業の有無で変わります。見積書には場所の名前ごとの行と数量、材料を書いてもらい、調査で箇所が増えた場合の追加見積もりの手順も聞いておきます。

清掃・消毒・消臭と断熱材

フン尿の量、清掃する範囲、消毒の範囲、においの強さで必要な作業が変わります。断熱材は、汚染や巣材化がある場合に撤去や交換が必要になることがあると、プログラントのページに書かれています。撤去と新設が別の行か、処分費が入っているかを確認します。

高所作業・足場

2階屋根や急勾配の屋根では、足場や安全対策が必要になるとされています。高所作業の費用が当初の見積もりに入っているか、天候で日程が延びたときの扱いはどうなるかを、書面で聞きます。

保証と再訪

保証は、年数だけでなく、対象の動物と施工箇所、別の侵入口で再発した場合の扱いで意味が変わります。表示を見ると、駆除ザウルスは動物により最長5年と最長10年に分かれ、アサンテは保証制度ではなく契約期間制度を設けています。

参考:駆除ザウルス|害獣・害虫駆除の料金・費用

自治体が無料・低額で担う範囲と、業者費用の関係

自治体によっては、捕獲器の貸出や、捕獲した個体の回収、費用の一部補助があります。ただし、対象の動物、対象者、期間は自治体ごとに違い、業者に頼む工事や清掃の費用とは別の枠です。次の表は、2026年10月3日に開いた公式ページの記載を、業者の費用との関係に絞って整理したものです。

補助制度の型や探し方は、害獣駆除の補助金・助成金、自治体制度の探し方と対象の読み方にまとめています。表の自治体は例であり、他の市区町村にも同じ制度があるとは限りません。

自治体が無料・低額で担う範囲と、業者費用の関係:確認項目
自治体公式ページに書かれた支援業者の費用との関係
奈良市イタチ等の捕獲器とアライグマの捕獲檻を貸出。貸出数は1基。イタチ等は2週間、アライグマは個人2週間・自治会は最大2か月貸出は捕獲の器材への支援で、封鎖や清掃の工事は別。イタチ等の捕獲後は自分で放つと案内されている
宇都宮市ハクビシン、タヌキ、アライグマの箱わなを貸出(期間3か月、料金無料)。捕獲個体の回収・処分も無料と表示捕獲許可の申請が必要。封鎖や清掃への支援はページで確認できないため、別に見積もりが必要か窓口で確認する
横浜市アライグマ・ハクビシンの住居内への侵入に限り、専門業者による「はこわな」の設置と回収を実施できる場合がある(1人2週間まで、今年度分は予算上限で終了と表示)封鎖や清掃は別。私有地のカラスやハトなど野鳥の駆除は市では行わないと、市のカラス・ハトのページで案内されている
熊谷市アライグマ・ハクビシンの防除に、補助率2分の1・上限5万円の補助(埼玉県ペストコントロール協会会員名簿の業者の施工が対象)業者の現地調査、追い出し、捕獲・処分、清掃・消毒、侵入口封鎖が対象経費に挙がる。制度は自治体ごとに違う

参考:横浜市|野生動物による生活被害について

補助金・火災保険・雑損控除で負担を減らせるか:確認先の整理

業者に支払う費用の負担を減らせるかは、制度ごとに確認先が違います。自治体の補助金は市区町村の担当課、火災保険や共済は契約している保険会社・代理店・共済の窓口、雑損控除は税務署が確認先です。どれも対象が限られ、使えるかどうかは個別の状況で決まります。

国税庁の雑損控除のページでは、損害の原因に、震災や風水害などの自然現象の異変、火災などの人為による異常な災害、盗難、横領と並んで、害虫などの生物による異常な災害が挙げられています。控除額の計算では、受け取った保険金などを差し引くとされています。害獣被害や駆除費用がこれに当たるかは、このページだけでは分からないため、税務署に確認してください。

火災保険の確認の仕方は、害獣駆除に火災保険は使えるのかを約款で確認する方法にまとめています。保険の約款は、建物や家財の損害の復旧が中心で、駆除費用そのものを支払い項目とする記載は、今回確認した約款には見当たりませんでした。

補助金・火災保険・雑損控除で負担を減らせるか:確認先の整理:確認項目
制度負担を減らせる可能性がある費用先に確認する窓口公式資料で見た注意点
自治体の補助金・貸出業者への支払いの一部、侵入口の閉塞工事、捕獲器の貸出など(自治体ごとに違う)市区町村の鳥獣・環境担当課工事契約の前に申請が必要、予算上限で受付終了、対象の動物と経費が限られる、といった記載がある(足立区、山形市、熊谷市のページ)
火災保険・共済建物や家財の損害の復旧費用が対象となる場合契約中の保険会社・代理店・共済の窓口損保ジャパンの説明書とJA共済の約款は、ねずみ食い、虫食い等や自然の消耗・劣化を支払われない場合に挙げている
雑損控除災害による住宅や家財の損害などの所得控除税務署害虫などの生物による異常な災害が損害の原因に挙がる。受け取った保険金等は差し引かれる

参考:国税庁|タックスアンサー No.1110 雑損控除

相見積もりで条件をそろえて比べる手順

相見積もりは、金額の安い会社を探す作業ではなく、同じ条件で比べるための作業です。国民生活センターは、複数の見積もりを取って比較・検討する時間を与えない事業者とは契約しないこと、極端に安い価格を表示するサイトや広告に注意することを助言しています。

自治体の公式ページにも、業者によって費用が異なるため複数の業者から見積もりを取ることを勧める記載があります(足立区の助成金のページ)。金額が離れたときの見直し方は、2社の見積もりの金額が違うときの比較手順にあります。比べる前に、次の手順で条件をそろえます。

  • 被害の写真、音やにおいの経過、気づいた日を同じ資料にまとめ、各社へ同じ内容を伝える
  • 現地調査と見積もりが無料か、調査後に断れるか、生息確認のみが有料かを聞く
  • 見積書の項目を、調査・追い出し・捕獲・封鎖・清掃・消毒・断熱材・高所作業・保証に分けて書いてもらう
  • 各項目の数量と単位(か所数、平米、日数)を書いてもらい、表示の最低額ではなく同じ範囲の総額で比べる
  • 追加料金が出る条件と、その場合に再見積もりをもらえるかを聞く
  • 保証は、年数に加えて対象の動物・施工箇所と、別の侵入口で再発した場合の扱いを書面で確認する

参考:足立区|ハクビシン・アライグマ屋内侵入口閉塞工事費用助成金について

高額な見積もりに迷ったときの相談先(消費者ホットライン188)

契約前に見積もりが高いと感じたときや、契約を急がされているときは、消費者ホットライン「188」に電話すると、最寄りの市町村や都道府県の消費生活センター等を案内してもらえます。消費者庁のページは、困ったときは一人で悩まず188に相談するよう案内しています。

国民生活センターは、おかしいと思ったらすぐに消費生活センター等に相談すること、クーリング・オフ等ができる場合があることを助言しています。相談の準備や伝え方は、駆除の請求トラブルを188へ相談するための資料と伝え方に整理しています。契約前なら、見積書と、表示されていた広告の画面を保存しておくと、相談で状況を説明しやすくなります。

参考:消費者庁|消費者ホットライン