トコジラミの大きさと見た目|成虫・幼虫・卵の大きさと色の表
トコジラミの成虫は、東京都保健医療局と厚生労働省の資料で体長5〜8mm、色は褐色から茶褐色、体は丸く平たい形とされています。大阪府の資料は成虫を2〜8mm程度と幅を持たせて示しており、資料によって数字に違いがあります。5〜8mmを成虫の目安にして、それより小さい虫は幼虫も含めて考えます。
吸血の前後でも見た目が変わります。厚生労働省の研修資料は、トコジラミは体重の何倍もの血液を吸うため、吸血すると腹部が膨らんで長さも長くなると説明しています。大阪府の資料は、吸血すると赤みがかった色になるとしています。幼虫は成虫を小さくしたような形で、孵化直後は淡黄色ですが、同資料の写真では、吸血後の成虫も幼虫も腹部が黒く見えます。
| 成長段階など | 大きさ | 色・形 | 見つける手がかり |
|---|---|---|---|
| 成虫 | 5〜8mm(東京都・厚生労働省の資料)。大阪府は2〜8mm程度 | 褐色から茶褐色で、丸く平たい。吸血すると腹部が膨らみ、赤みがかる | 夜に寝床の周りに出る。昼は暗く狭い隙間に潜む |
| 幼虫 | 孵化直後は約1.3mm(厚生労働省の資料)。大阪府は1〜4mm程度 | 孵化直後は淡黄色。成虫を小さくした形で、成虫になるまでに5回脱皮し、脱皮ごとに吸血が必要とされる | 寝具の縫い目や家具の隙間。吸血後は腹部が黒っぽく見える |
| 卵 | 長径1.2mm前後(厚生労働省の資料)。大阪府は1mm×0.5mm | 長円形で乳白色 | 黒っぽい布の縁やカーテンの折り目の上では、乳白色が探しやすい(大阪府) |
| 血糞(フン) | 2mm程度の糞(大阪府) | 赤色から黒色、黒褐色。ゴキブリの糞は固形物が混ざるので見分けられる(厚生労働省) | 白っぽい布の上で探しやすい。数が増えると、潜み場所の周りに黒っぽい染みが目立つ(厚生労働省) |
参考:厚生労働省|トコジラミとその効果的な防除法(平成26年度生活衛生関係技術担当者研修会資料・2015年2月)
トコジラミは肉眼で見えますか?
成虫は体長5〜8mmほどで、肉眼で見えます。ただし昼間は暗い隙間に隠れ、幼虫は1〜4mm、卵は1mm前後と小さいため、ライトで寝具の縫い目や家具の隙間、壁際を照らして探します。
トコジラミは目に見える?どこをどう照らして探すか
成虫の大きさなら、肉眼で見えます。見つけにくいのは、大きさではなく隠れ方のためです。厚生労働省の研修資料は、トコジラミは昼間は暗くて狭い隙間に潜み、数が少ないうちは発見が難しいと説明しています。畳の隙間や裏、家具の内部や床との隙間、ベッドマットの下、ヘッドボードとマットレスの隙間、カーテンの襞、はがれかけた壁紙の裏、コンセントの内部、積み重ねた段ボールの内部などが例に挙げられています。
探すときは、明るさと布の色を使います。大阪府の資料は、トコジラミは明るいところが苦手で、白っぽいものの上では血糞(黒色や赤色など)が、畳の縁やカーテンの折り目など黒っぽいものの上では卵(乳白色)が探しやすいと案内しています。夜は潜み場所から出てきて見つけやすくなりますが、灯りを点けると素早く物陰に隠れる、と厚生労働省の資料は注意しています。寝具の黒い点と虫の確認の進め方は、トコジラミが疑わしいときにもまとめています。
洋室で見る場所|ベッド・マットレス・壁際
洋室では、人が長時間いる場所の周りから探します。ベッド周りやソファの隙間、壁の亀裂やカーテンの折り目などの狭くて暗い隙間、電気製品やコンセントの中のような暖かくて暗い場所に、血糞や虫の姿がないかを、懐中電灯で照らして確認します。コンセントや電気製品は、分解したり穴に物を入れたりせず、外から照らして見るにとどめます。
- マットレスと布団カバーの縫い目、ヘッドボードとの隙間
- ベッドの脚の周り、ソファの隙間、カーテンの折り目
- 壁の亀裂、はがれかけた壁紙の裏、コンセントや電気製品の周り
和室で見る場所|畳・ふすま・柱
和室では、畳の目、壁や柱の亀裂、ふすまの四隅に、血糞や卵、虫の姿がないかを見ます。大阪府の資料は、木材の継ぎ目や割れ目、紙製のものはトコジラミが好むので、特に注意するよう案内しています。
- 畳の縁と目、畳の裏側(持ち上げられる場合のみ)
- ふすまの四隅、柱と壁の隙間、木材の割れ目
飛ぶ?跳ねる?羽と動きの特徴|夜行性と歩き方
トコジラミは飛びません。厚生労働省の研修資料は、成虫でも退化した前翅があるだけで、飛ぶことはできないと説明しています。大阪府の資料も、羽をもたないため歩行により移動し、歩くスピードは非常に速く、荷物や家具に素早くもぐり込んで生息範囲を広げるとしています。厚生労働省の資料は、ガラス面などすべすべした面は上れないことも紹介しています。部屋の中で広がるのは、飛んで移るのではなく、歩行と、人の荷物や家具への付着によると考えます。
活動の時間帯は夜です。トコジラミは夜行性で、暗くなると這い出してきて、呼気に含まれる炭酸ガスなどを頼りに吸血源を探します。人が刺されるのは、衣服から出た手足や首などの露出部分が中心で、ノミやダニと違い、衣服の内部まで潜ることはほとんどないと資料は説明しています。刺し跡の見分け方は、トコジラミの噛み跡の特徴で整理しています。
跳ねる虫との違いも、動き方で整理できます。KINCHOの解説では、ノミはゴマ粒ほどの大きさで、体の約200倍にあたる30〜40cmの高さまで跳ぶと紹介されています。トコジラミについて公的資料が説明しているのは、飛ばず、歩いて動く点です。跳んで動く虫は、トコジラミの特徴とは合わないため、ノミなど別の虫も候補に入れます。ノミの見方は、ノミが床やペットの周りににあります。
似た虫との比較表|ノミ・ダニ・シバンムシ・チャタテムシ・カツオブシムシ
小さくて茶色い虫を見つけたとき、トコジラミと間違えやすい虫は、大きさ、動き方、見つかる場所で絞れます。下の逆引き表は、日本ペストコントロール協会、KINCHO、アース製薬、さいたま市の公開情報から、大きさと特徴を並べたものです。大きさは種類によって幅があるため、目安として使います。見分けがつかない虫は、次の節の方法で保管して、調べてもらいます。
| 虫 | 大きさ | 動き・見た目・見つかる場所 | トコジラミとの違い |
|---|---|---|---|
| トコジラミ | 成虫5〜8mm | 褐色で丸く平たい。飛ばず、歩いて動く。夜に寝床の周りで吸血する | (基準) |
| ノミ(ネコノミ) | 約1.5〜3mm(KINCHO) | 30〜40cmの高さまで跳ぶ。人やペットを吸血する | 跳ぶ。トコジラミより小さい |
| ヒョウヒダニ(チリダニ) | 約0.2〜0.4mm(アース製薬・日本ペストコントロール協会) | ダニは肉眼で確認できない大きさ(アース製薬)。人を刺さず、死骸や糞がアレルギーの原因になる | 肉眼で見える虫は、これらのダニではない |
| ツメダニ・イエダニ | ツメダニ0.3〜0.8mm、イエダニ0.6〜1.0mm(日本ペストコントロール協会) | ツメダニは他のダニを食べて増え、人を刺すことがある。イエダニはネズミなどにつく吸血するダニ | 0.3〜1.0mm程度と小さい。5mm以上の虫は、これらのダニではない |
| シバンムシ | 成虫2〜3mm(KINCHO) | 楕円形で表面が硬い。麺・小麦粉・お菓子・ペットフードなどを食べる | 食品や畳につく虫。トコジラミは血液だけが栄養源 |
| チャタテムシ | 約1〜1.3mm(KINCHO・アース製薬) | 羽のないものが多い。湿度の高い家でカビなどを食べ、ダニと間違えられる | 湿った本棚・畳・押入れで見つかる。トコジラミより小さく、吸血による害はほとんどない(アース製薬) |
| カツオブシムシ類 | 成虫1.7〜10mm、幼虫は成熟して4〜15mm程度(さいたま市。種類による) | 毛織物の衣類、じゅうたん、かつお節などの乾燥食品、貯蔵穀物を食べる。幼虫や脱皮殻がタンスなどから見つかる | 被害は衣類や食品の食害。寝床の周りで夜に刺される症状とは別 |
見た目から絞り込む手順|消去法で外す順番
表を使って虫を絞り込むときは、見分けやすい特徴から順に外していきます。次の順番は、公的資料とメーカー資料に書かれた特徴を、当サイトが並べ直したものです。一つの特徴で決めず、複数の特徴が合うかを見てください。
ダニとの見分け方は、ダニ・トコジラミ・ノミの違いは刺し跡で分かる?と、室内のダニが気になるにあります。チャタテムシは本棚や食品棚の小さな虫はチャタテムシ?、カツオブシムシは衣類の穴と毛のある幼虫で扱っています。
- ルーペがないと見えない大きさ(1mm未満)の虫は、トコジラミではなくダニなどの可能性が高い
- 跳ねて逃げる虫は、トコジラミではなくノミなどを疑う
- 食品棚や乾物のそばで見つかる2〜3mmの硬い虫は、シバンムシを疑う
- 湿った本棚や畳で見つかる約1mmの淡い色の虫は、チャタテムシを疑う
- 衣類やじゅうたん、かつお節のそばで毛のある幼虫や脱皮殻が見つかるときは、カツオブシムシを疑う
- 5〜8mmの褐色で平たい虫が、寝床の周りで夜に見つかり、近くに血糞のシミがあるときは、トコジラミを疑う
南京虫・シラミとの関係|名前が違っても同じ虫か
「南京虫」は、トコジラミの俗称で、同じ虫を指します。厚生労働省の研修資料は、標準和名はトコジラミで、ナンキンムシ(南京虫)は俗称として使われることがあると説明しています。英名はbed bug、学名はCimex lectulariusです。熱帯に分布し、日本でも港湾地域などで見られるネッタイトコジラミ(タイワントコジラミ、ネッタイナンキンムシと呼ばれることがある)は、別の種類です。
「シラミ」という名前が付いていても、トコジラミは、アタマジラミ、ケジラミ、コロモジラミとは別のグループです。同じ資料は、アタマジラミなどは昆虫綱のシラミ目、トコジラミはセミ、カメムシ、アブラムシなどと同じカメムシ(半翅)目に属すると説明しています。大阪府の資料も、トコジラミはカメムシの仲間で、ダニやシラミの仲間ではないとしています。触れるとカメムシ類と同じように嫌な臭いを発する、という点も資料に書かれています。
住み場所も違います。アタマジラミ、ケジラミ、コロモジラミは、髪の毛や陰毛、衣服などに住み着いて吸血するのに対し、トコジラミは寝床や家具の隙間に潜み、夜に人の露出部分から吸血します。頭髪にかゆみがあるときは、トコジラミではなくシラミの確認が必要になるため、皮膚科などの医療機関に相談してください。
見つけた虫を保管して調べてもらう方法|保健所・事業者団体・同定機関
虫が見つかったら、つぶさずに保管して、種類を調べてもらう方法があります。大阪府の資料は、皮膚症状で受診するときに、虫の写真やティッシュなどで潰した虫を医療機関に持って行くと、適切な処置を受けやすくなると案内しています。種類を調べてもらうことが目的の場合は、虫体が壊れていない方が確認しやすくなります。
同定を依頼するときの準備は、一般財団法人日本環境衛生センターの案内が参考になります。採集した年月日、採集場所、発見状況、発生量をできるだけ詳しく伝えること、サンプルはつぶれないようにフィルムケースなどに入れること、粘着テープに貼り付けて送るのは同定できなくなることがあるため避けること、複数の場所で集めたものは混ざらないよう個別の袋に入れて場所を明記することが案内されています。同定は有料で、報告書までの所要時間は3日から2週間程度とされています(混雑状況で変わります)。
日本ペストコントロール協会の「生物・害虫の同定サービス」のページは、同協会では同定サービスを行っておらず、関連団体として日本環境衛生センターと文化財虫菌害研究所を紹介しています(2026年10月3日確認)。同定の内容と料金は、各団体に直接問い合わせます。トコジラミの被害への対応に関する一般相談は保健所、調査や防除に関する相談はペストコントロール業の事業者団体、と厚生労働省のリーフレットは案内しています。
| 相談先 | できること | 注意点 |
|---|---|---|
| 保健所 | トコジラミの被害への対応に関する一般相談(厚生労働省のリーフレット) | 窓口はお住まいの地区を所管する保健所。対応できる範囲は自治体で確認する |
| ペストコントロール業の事業者団体 | トコジラミの調査や防除に関する相談 | 日本ペストコントロール協会自体は、同定サービスを行っていない |
| 一般財団法人日本環境衛生センター | 家屋内で発生した昆虫などの同定(有料) | 虫体が不完全だと、科の一種などの回答になることがある。粘着テープに貼って送らない |
| 公益財団法人文化財虫菌害研究所 | 昆虫・カビの同定(日本ペストコントロール協会の案内) | 内容と料金は、直接問い合わせる |
| 皮膚科などの医療機関 | 刺された跡の診察 | 虫の写真や、潰した虫を持参すると適切な処置を受けやすい(大阪府) |
- 見つけた日時、場所、昼か夜か、寝具か家具かなどの状況をメモする
- 虫体はつぶさず、つぶれない容器(フィルムケースなど)に入れる。粘着テープには貼らない
- 場所ごとに別の袋や容器に分け、場所を書いておく
- 虫の写真、血糞のシミ、刺された部位と時間帯も記録する
大きさと見た目が分かったあとの次の確認
虫の大きさと見た目から、トコジラミの可能性が高いと感じたら、駆除の前に、発生範囲を確かめます。東京都のリーフレットは、一般的な殺虫剤はトコジラミに効果がない場合があり、くん煙殺虫剤を使うことで、かえって生息範囲が広がってしまうこともあるため、家庭での対策だけで駆除するのは困難で、早急に専門業者に見てもらうよう案内しています。自分でできる範囲と業者に頼む境目は、トコジラミ駆除を自分でする手順に整理しています。
旅行や出張のあとに見つけた場合は、荷物を広げる前の確認が必要です。旅行・出張後の荷物にトコジラミ?で、スーツケースを開ける前の確認と、未処理の荷物と確認済みの荷物を分ける考え方を扱っています。東京都のリーフレットは、トコジラミは荷物などと共に外から持ち込まれて家で増えると説明しています。
- 体長5〜8mmの褐色で平たい虫が、寝床や家具の隙間にいる
- 寝具やベッド・畳の周りなど、潜み場所の近くに、2mm程度の黒褐色から赤黒いシミ(血糞)が点々とある
- 夜間に、手足や首など衣服から出た部分を刺される
- 旅行・出張・中古家具の持ち込みなど、虫が入りうる経路がある



