シロアリの大きさは数ミリ|種類と階級の体長・色を表で比べる
シロアリは種類と階級で大きさが違います。東京文化財研究所の資料で、ヤマトシロアリとイエシロアリを比べると、働きアリにあたる職蟻と兵蟻は体長3.5〜7mm前後で、乳白色の体をしています。この2種は、横浜市衛生研究所が木造建築物に被害を与える代表的な種として挙げています。羽アリ(有翅虫)は黒褐色や薄い褐色で、女王だけが大きくなります。
資料により数値に幅があります。たとえば横浜市衛生研究所はイエシロアリの羽アリを6.5〜8.5mmと紹介しており、東京文化財研究所の7〜9mmと少し異なります。個体差や測り方の違いもあるため、数値は目安にとどめ、体色・羽・頭の形とあわせて見てください。アメリカカンザイシロアリの兵アリは、日本しろあり対策協会がヤマトシロアリの約2倍の体長と説明しています。
| 階級 | ヤマトシロアリ | イエシロアリ | 見た目の特徴 |
|---|---|---|---|
| 職蟻(働きアリ) | 体長3.5〜5mm、乳白色。1集団の95%以上 | 体長3.5〜6mm、乳白色。1集団の90%以上 | 白っぽく柔らかい体で、羽はない |
| 兵蟻 | 体長3.5〜6mm、乳白色。頭は褐色で円筒形 | 体長4〜7mm、乳白色。頭は褐色で卵型、歯が濃褐色 | 頭が大きく、頭の先端にハサミを持つ |
| 羽アリ(有翅虫) | 体長4.5〜7.5mm、黒褐色で胸部が橙色。同じ形の翅が4枚 | 体長7〜9mm、薄い褐色で頭は褐色。同じ形の翅が4枚 | 群飛の時期にだけ外へ出る |
| 女王・王 | 女王は15mm前後、王は5〜7.5mm | 女王は最大40mm前後、王は10mm前後 | 女王だけが大きく、巣の奥にいる |
シロアリは何ミリ(何センチ)ありますか?
ヤマトシロアリの職蟻は3.5〜5mm、兵蟻は3.5〜6mm、羽アリは4.5〜7.5mmです。イエシロアリの羽アリは7〜9mmとやや大きく、女王は最大40mm前後に達します(東京文化財研究所)。資料で数値に幅があるため、目安として見てください。
職蟻・兵蟻・羽アリ・女王の役割と、家で目にしやすい順
巣の中の役割は階級ごとに決まっています。KINCHOの解説では、シロアリの大家族の9割以上は働きアリで、巣づくり、餌の採取、女王・王・兵アリの世話を担います。兵アリはハサミを武器に巣を守り、女王アリは巣の奥深くで卵を産むことに専念します。イエシロアリの女王は、10〜15年の一生の間に100万個以上の卵を産むと言われています。
家の中で目にする順は、被害箇所で見つかる職蟻と兵蟻、群飛の時期に窓際へ集まる羽アリの順になります。女王は巣の奥に守られているため、通常は目にしません。シロアリは明るいところにほとんど出てこず、兵アリ・働きアリは目が見えないとKINCHOは説明しています。羽アリは、巣の中で幼虫からニンフ(羽アリになる前の段階)を経て育った個体が、ある時期に集団で飛び出したものです。
| 階級 | 役割 | 目にする機会 |
|---|---|---|
| 職蟻 | 巣や蟻道をつくる、餌を集める、他の階級の世話をする | 被害箇所や蟻道を壊したときに見つかることがある |
| 兵蟻 | 外敵から巣を守る | 被害箇所で見つかる。頭の形が種類の見分けに使われる |
| 羽アリ(有翅虫) | 新しい巣をつくる王・女王の候補として飛ぶ | 群飛の時期に窓際や照明のまわり、落ちた翅として見つかる |
| 女王・王 | 女王は産卵、王は交尾 | 巣の奥にいて、通常は目にしない |
シロアリはアリではなくゴキブリに近い仲間|クロアリとの違い
名前に「アリ」と付きますが、シロアリはアリの仲間ではありません。KINCHOは、アリはハチから進化した完全変態の昆虫、シロアリはゴキブリから分かれてできた不完全変態の昆虫と説明しています。社会をつくって暮らす点は似ていますが、近縁ではありません。
見分けは、触角・腰・羽の3点で行います。日本しろあり対策協会は、アリの触角が「く」の字状で、シロアリは真珠のネックレスのような数珠状だと説明しています。翅は、アリが前翅のほうが後翅より大きく、シロアリは4枚ともほぼ同じ大きさと形です。腰は、アリが細くくびれ、シロアリはくびれのない寸胴です。黒い羽アリ同士だと体の色だけでは紛らわしいため、色では判断しません。家の中の黒いアリが繰り返し出る場合は、クロアリの確認方法も参考にしてください。
| 見るところ | シロアリ | アリ(クロアリ類) |
|---|---|---|
| 触角 | 数珠状でまっすぐ | 「く」の字(L字)に曲がる |
| 腰(胸と腹の間) | くびれがなく寸胴 | 細くくびれる |
| 羽(羽アリの場合) | 4枚ともほぼ同じ大きさ・形 | 前の羽が後ろの羽より大きい |
| 体の色と硬さ | 羽アリを除くと、頭以外は白っぽく柔らかい | 黒く硬い皮膚に覆われる |
| 目 | 兵アリ・働きアリは目が見えない(退化している) | 目がある |
赤い・茶色いシロアリの見方|色と頭の形で種類を見る
「赤い」「茶色い」と感じるシロアリの多くは、羽アリか兵蟻です。東京文化財研究所の資料では、ヤマトシロアリの羽アリは黒褐色で胸が橙色、兵蟻は体が乳白色で頭が褐色です。イエシロアリの羽アリは薄い褐色で頭が褐色、兵蟻は乳白色の体に褐色の頭と濃褐色の歯を持ちます。色の言い方は資料で少しずつ違うため、1つの色の名前だけで種類を決めないようにします。
「顔」の違いを見たいときは、兵蟻の頭の形が手がかりになります。日本しろあり対策協会は、被害箇所から兵アリを捕らえ、その頭部の形で判定する方法を、最も確実で簡単な種類の見分け方としています。
羽のない白い個体(職蟻・兵蟻)を見つけたとき
羽のない乳白色の個体は、職蟻か兵蟻です。ヤマトシロアリの職蟻は体長3.5〜5mm、兵蟻は3.5〜6mmで、アリと比べて柔らかく白っぽく見えます。頭が褐色で大きければ兵蟻です。羽がないのは、巣の中で働いたり巣を守ったりする階級だからで、羽アリになる個体は別に育ち、群飛の時期に現れます。
羽のある赤茶色の個体(羽アリ)を見つけたとき
羽のある個体は有翅虫で、体色は黒褐色から薄い褐色までです。ヤマトシロアリでは胸が橙色に見えることがあり、「赤い」と表現される理由はここにあります。確認する点は次のとおりです。
- 翅が4枚あり、前と後ろの大きさがほぼ同じ
- 触角が数珠状で、途中で折れ曲がらない
- 腰にくびれがなく、胴が寸胴
| 種類 | 兵アリの頭の形 | 体長に対する頭の長さ | 乳白色の液 |
|---|---|---|---|
| ヤマトシロアリ | ほぼ円筒形 | 約1/2 | 出さない |
| イエシロアリ | 卵形 | 約1/3 | 虫に触れると頭の先端から出す |
| アメリカカンザイシロアリ | ヤマトシロアリに似るが、体長は約2倍 | 約1/3 | 出さない |
| ダイコクシロアリ | 前面が裁断状 | 約1/4 | 出さない |
シロアリの卵や幼虫を家の中で見かけない理由
シロアリの卵は、巣の奥で女王が産みます。KINCHOは、女王は巣の奥深くで守られ、卵を産むことに専念していると説明しています。東京文化財研究所は、ヤマトシロアリは常に湿った木材や土中で生活し、加工した巣はつくらず、加害箇所が巣になると整理しています。卵・幼虫・ニンフは、壁の中や床下の木材の内部、土の中にあるため、家の床や壁の表面に転がっていることは通常ありません。
卵の画像を探しても実物が見つかりにくい
卵が巣の中心部にあるため、家で実物を見つけにくいのは自然なことです。女王の産卵数は、イエシロアリの場合、一生で100万個以上と言われています。被害が疑われる木材を壊して中を探す必要はなく、卵らしい白い粒が見えたと感じたときも、触らずに写真を撮り、調査で確認してもらいます。
幼虫(赤ちゃん)も巣の中にいる
シロアリの「赤ちゃん」にあたる幼虫も、巣の中にいます。北海道立総合研究機構の林産試験場の図解では、ヤマトシロアリ属は幼虫、ニンフ、有翅虫の順に分化します。家の中で小さな白い虫が歩いている場合は、職蟻の可能性がありますが、同じように白く小さい虫は他にもいるため、次の表で別候補を確認してください。
白い粒・白い小さな虫の別候補|チャタテムシ・トビムシ・コナダニなど
「シロアリの卵や幼虫かも」と思って見つかる白い粒や小さな虫には、別のものが混ざります。資料で確認できた特徴を逆引きにしました。同定は専門家でも難しく、横浜市衛生研究所は、虫の同定は非常に困難で、疑わしいときは近くの福祉保健センターに虫を持って行き相談するよう案内しています。見た目だけで断定せず、保管して相談する前提で使ってください。
| 見たもの | 考えられる候補 | 資料にある特徴 | 別の手がかり |
|---|---|---|---|
| 羽のない乳白色の虫が、被害の疑いがある木材の近くにいる | シロアリの職蟻・兵蟻 | 体長3.5〜6mm前後で乳白色。触角は数珠状で、腰にくびれがない | 木材の被害箇所、蟻道、床の沈みなどが近くにある |
| 窓枠や家具の下に、砂粒のような乾いた粒が落ちる | アメリカカンザイシロアリの糞 | 協会は、乾燥した砂粒状の糞が排出される場合は乾材シロアリの被害と説明 | 被害材の食害孔から粒が出てくる |
| 本棚・食品棚・壁際に、体長1mmほどの淡黄色〜淡褐色の小さな虫 | チャタテムシ(コナチャタテ類) | 東京都は、よくダニと間違われ、やや湿度の高い環境でカビなどを食べると説明 | 翅のないものが多いが、翅のある2mmほどの個体も発生することがある |
| 鉢土・流し・浴室に、白っぽい〜灰色の小さな虫がいて、跳ねる | トビムシ類 | カリフォルニア大学のIPMは、約1/16インチの翅のない虫で、湿った場所に集まり、跳ねる習性があると説明 | 未成熟な個体は白っぽい。湿気と有機物を減らすことが管理の要点 |
| 畳や食品の表面が、白い粉をふいたように見える | コナダニ類 | アース製薬は、大量発生すると白く粉をふいたようになり、梅雨や秋口の高温多湿で増えると説明 | 湿度を下げることが繁殖を抑える方法とされる |
- 木材の傷みや蟻道と一緒に見つかるものは、別の虫と決めずに調査へ回す
- 窓枠や家具の下に砂粒状の粒が続く場合は、アメリカカンザイシロアリの疑いとして写真を残す
- 本棚や食品棚の小さな虫はチャタテムシとダニの違い、鉢や水回りで跳ねる虫はトビムシの確認も見る
見つけた個体を保管して調査へ渡す方法
見つけた虫は、種類の判定と調査範囲を決める手がかりになります。日本しろあり対策協会は、羽アリが出たときに殺虫剤を使う場合は、出てきた箇所をメモし、出てきた虫は袋などに入れて保管し、業者が来たときに見せるよう案内しています。虫が逃げてしまうため、できればそのままにしておくほうがよいとも説明しています。
次の手順で記録を残すと、調査員が種類と場所を判断しやすくなります。被害の疑いがある木材は壊さず、周囲を含めた写真を撮ります。
- 見つけた日時・時間帯・場所(窓際、洗面所、押入れなど)をメモする
- 虫は潰さず、袋や小さな容器に入れて保管する。複数いれば複数入れる
- 翅だけが落ちている場合は、翅も一緒に集めて保管する
- 定規や硬貨を横に置き、全体と拡大の写真を撮る
- 殺虫剤を使った場合は、製品名・使った場所・日付を控える
参考:日本しろあり対策協会|羽アリが発生したので業者を呼びました。その間気持ち悪いので殺虫剤をスプレーしてもよいでしょうか(シロアリQ&A)





