居室では生活上の必要を先に把握する
ベッドの位置、歩行補助具、日常的に使う収納を職員が確認し、点検で物を動かす範囲を決めます。利用者の私物を、害虫がいるかもしれないという理由だけで一括して廃棄しないでください。食品や布類に痕跡がある場合は、その物と周囲の状態を記録し、本人や関係者への説明につなげます。
点検の時間は食事や休息、介助の予定に重ならないように調整します。家具の移動で通路が狭くなる場合は、そのまま放置せず元の安全な動線を回復します。作業者が触ってよい物と職員が扱う物を先に分けておくと、現場で迷いにくくなります。
| 場面 | 担当間で伝えること |
|---|---|
| 居室点検 | 私物・介助動線・本人の希望 |
| 配膳・回収 | 食べ残し・こぼれ・置き場 |
| 勤務交代 | 発見位置・移動した物・未対応 |
持ち込み食品をすべて禁止すべきですか?
施設の方針と利用者の生活を踏まえて判断します。保存条件、量、確認を手伝う方法から整理します。
食品の置き場と配膳経路をつなぐ
居室のお菓子や飲み物、共用食堂、配膳車、回収した食器の置き場は別々の担当になりがちです。どこで食品を受け取り、食後の物をどこへ戻すかを簡単な図にし、こぼれや残り物を確認する時間を決めます。利用者が自分で片付けにくい場合は、声かけだけで終わらない支援を運用に組み込みます。
厚生労働省は社会福祉施設等の給食について衛生管理の徹底を通知しています。厨房の衛生手順と居室の生活支援は同じものではありませんが、食品の移動に関する情報をつなぐことで、発見場所だけに対応が偏るのを防げます。
発見したら配置を変える前に記録する
虫やフンらしきものが見つかったら、部屋、家具の位置、食品との距離、発見時刻を記録します。ベッドや収納を移動する場合は、移動前後の場所を残し、ほかの部屋の用品と混ぜないようにします。写真には利用者本人や個人情報を必要以上に写さない配慮も必要です。
防除用具や薬剤の設置を検討するときは、利用者が手を伸ばす場所、床を歩く範囲、清掃時に動かす場所を担当者へ説明します。施設側が区画管理と作業後の再使用を判断し、職員個人の工夫で用具を隠して置くような運用にはしません。
交代勤務で残る課題を共有する
申し送りでは「虫を処理した」という結論だけでなく、何をどこで見つけ、どの物を移し、どの区画が未確認かを伝えます。次の担当が同じ場所を見られる番号付きの写真を使うと、利用者へ繰り返し同じ質問をする負担も減らせます。異常がなかった点検も実施日を残してください。
対策後は居室の状態に加え、配膳車や食品棚など関連する場所も追います。居室の持ち物を減らすことだけに原因を求めず、建物の隙間、設備、物品搬入を施設管理と照合します。残る補修がある場合は担当と期限を決め、生活支援の記録と混同せず追跡できる形にします。





