資料を入れる前の確認場所を用意する
寄贈本、購入した古書、他の保管場所から戻ってきた文書を、すぐ既存の棚へ混ぜず点検できる台で扱います。表紙、背、箱、ひも、包装の状態を見て、虫や粉、傷みがあれば資料番号と一緒に記録します。大切な資料を無理に開いたり振ったりせず、扱いに不安があるものは保存担当へ相談してください。
点検が済むまでの一時保管場所と、通常の資料の場所を区分します。異常のある物を密閉するなどの扱いも、湿りや資料の性質に注意が必要です。何をどこに置いたかを記録し、忘れられた箱が新たに増える運用にならないよう期限と担当を決めます。
| 単位 | 記録する内容 |
|---|---|
| 受入資料 | 由来・資料番号・包装状態 |
| 棚 | 位置・清掃日・湿り |
| 処理 | 方法・日付・戻した場所 |
本棚へ殺虫剤を直接かけてよいですか?
資料への影響や使用用途を確認する必要があります。まず対象と素材を調べ、保存に合う方法を相談します。
発生を未然に防ぐ管理を組み合わせる
東京文化財研究所は、被害が起きてからの処置だけでなく、予防保存としてのIPMを紹介しています。施設の点検、侵入防止、清掃、資料とともに入る生物への対応などを組み合わせる考え方です。図書室では「虫が出たら薬剤」という一つの手段に偏らず、受入と日常管理をつなぎます。
飲食をする場所と資料の保管場所を分け、不要な包装材やほこりが残る棚下を計画的に清掃します。清掃する物と触ってはいけない資料の境界は、委託スタッフにも分かるよう表示します。保管室の水漏れや湿りがあれば、虫の調査とは別に建物担当へ伝えます。
虫と資料被害を同じ地図で追う
棚番号、段、資料番号、発見日をそろえると、特定の箱に限られるのか、建物の窓側に多いのかを比較できます。捕獲器を使う場合は、資料へ粘着面が触れない配置や利用者が扱わない場所を担当者が決め、場所を勝手に移さない運用にします。捕れた虫の種類も確認して記録してください。
穴や粉があっても、古い被害跡か新しい活動かは一回では分からない場合があります。状態を撮影し、次回の点検で増えたかを見ます。来館者や寄贈者を原因と決めつける説明は避け、確認できた資料と場所の情報に基づいて調査範囲を決めます。
処理は資料の保存条件と両立させる
熱、低温、薬剤などの処理は、紙、装丁、写真、接着剤などへの影響が異なるため、家庭向けの方法を貴重な資料にそのまま使わないでください。保存担当や専門機関へ、素材、価値、被害状況、必要な利用時期を伝え、方法と処理後の確認を相談します。資料のコピーや電子化ができる場合も、原本の扱いと別に検討します。
処理した資料を戻す前に、元の棚の清掃や環境の問題を確認します。資料番号に処理日と方法を紐付けると、後で別の処置が必要になった際に判断しやすくなります。年度をまたいでも棚の地図、点検結果、未対応事項を引き継げる管理にしておきましょう。




